マガジンのカバー画像

知的武装のためのブックレビュー集

5
運営しているクリエイター

記事一覧

【ブックレビュー】「本日は、お日柄もよく」―”言葉の力を信じる”とはどういうことなのか

【ブックレビュー】「本日は、お日柄もよく」―”言葉の力を信じる”とはどういうことなのか

あらすじOL二ノ宮こと葉は、片思いをしていた幼馴染の披露宴である大失態を犯してしまう。
ところが、それが縁で出会った"伝説のスピーチライター"・久遠久美のスピーチに感激し、勢いのままに弟子入り。
後日、同僚の披露宴で見事なスピーチをやってのけます。

スピーチライターとしての才能を久美に見抜かれたこと葉。
久美の仕事を手伝いながら、政権交代を目指す民衆党の立候補者のスピーチライターを担当することに

もっとみる
【ブックレビュー】「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」ー”それでも”を”これだから”と言えない知的限界

【ブックレビュー】「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」ー”それでも”を”これだから”と言えない知的限界

 政府から独立した立場で政策提言をする「科学者の国会」とも呼ばれる「日本学術会議」の新会員の任期が、1日始まった。しかし、菅義偉首相は学術会議が推薦した候補者105人のうち、6人を任命から外した。その一人の加藤陽子・東京大教授が、毎日新聞にコメントを寄せた。
(毎日新聞電子版2020年10月1日)

東証のシステムトラブルのニュースを追いかけて、こんなことが起きているとは知らなかったのですが、外さ

もっとみる
【ブックレビュー】「システム障害はなぜ二度起きたか」―”経営不在”のまま漂流するIT立国の現実

【ブックレビュー】「システム障害はなぜ二度起きたか」―”経営不在”のまま漂流するIT立国の現実

東京証券取引所は1日、上場する株式などの金融商品を終日売買停止とした。市場に相場情報を伝えるシステム機器に障害が発生したため。全株式の売買が終日できなくなるのは1999年に取引がシステム化されて以降初めてで、先進国では異例だ。東証は2日に取引を再開する。日本の金融市場の根幹が大きく揺らぎ、目指す金融立国構想に冷や水を浴びせられた。
(2020年10月1日日本経済新聞電子版より)

朝からずっとこの

もっとみる
【ブックレビュー】「離婚後の子どもをどう守るか」―”子ども中心”の権利構成が提示する、離婚後共同親権推進派への対抗案

【ブックレビュー】「離婚後の子どもをどう守るか」―”子ども中心”の権利構成が提示する、離婚後共同親権推進派への対抗案

1、目指したのは批判だけではなく”対抗案”の提示同じ編著者による、親権・監護権をめぐる法律問題を論じた三部作の集大成となる本です。

まず、「離婚後の子の監護と面会交流」については、現在も問題となっている、いわゆる”面会交流原則的実施論”の弊害を検証し、その非科学性や、裁判所の自己保身的な実務運用を厳しく批判しました。

次に、「離婚後の共同親権とは何か」では、現在、議論が進められている離婚後の共

もっとみる
【ブックレビュー】「離婚後の共同親権とは何か」―虚妄の離婚後共同親権推進論と対峙するための、理論武装の書

【ブックレビュー】「離婚後の共同親権とは何か」―虚妄の離婚後共同親権推進論と対峙するための、理論武装の書

梶村太市・長谷川京子・吉田 容子編著「離婚後の共同親権とは何か 子どもの視点から考える」(日本評論社)

1、カスタマーレビューにあふれる怨嗟の声「事実を無視し、或いは事実から自分の都合の良い部分だけを切り取っての主張は、最早デマゴギーでしかない。」
「共同親権反対との結論ありきで、その理屈付けをしたに過ぎない内容であり、価値のない本である。」
「偏っており、客観性が無いね。」

9件のうち7件が

もっとみる