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チームメンバーを喜ばせる「最高の称賛」とは?

前回は称賛と厳しいフィードバックについてお伝えしました。

以前もお伝えしましたが、褒めるのが苦手!という管理職の方、結構いるんですよね。今日は人を称賛する時のフレーム、「VBI」についてお伝えします。

 

VBIとは

VBIのVはValue(価値観)のVです。「あなたらしい考え方だね!」と、価値観や考え方を褒めます。

VBIのBはBehavior(振る舞い)のBです。「あなたらしい行動だね!」と行動を褒めます。

そして櫻本のIはimpact(影響)のIです。「良い影響を受けたよ!」「みんな君に刺激されたにみたいだよ!」と、その人が周囲に与えた影響を褒めます。

部下の褒めるポイントがわからない、という方は、褒めて自信をつけてあげたい部下のVBIをよく観察してみて下さい。

 

最高の称賛とは

ポイントは、相手の考え方、行動、良い影響が確認できた瞬間に、タイムリーに褒めること。

「そのものの見方は鋭いなあ!(V)」

「今の発言は一味違ったね!(B)」

「お客さんめっちゃ喜んでたね!(I)」

など、目撃したその場で声をかけるのが効果的です。

(ちなみに、どれがVでどれがBか、正確に分ける必要はありません。分類を目的にしたフレームではなく、褒めどころを探す時の視点にすぎませんので、これは行動なのか、考え方なのか、などの分類は意味がありません。分類の罠にハマらないように。)

またVBIのもう一つ大事なポイントは、「あくまであなた自身が感じたことを、一つの意見や見方として率直に伝える」ということです。

感想を伝えるということは、主語は「あなた」でなく「私」です。「私がそう見えた」「私がそう思った」「私はそう感じた」と、「私」を主語で伝えると、相手は評価としてではなく、あなた自身の感想や意見として受け取りやすいでしょう。
(これはIを主語にするので、専門用語で「Iメッセージ」と呼ばれます。)


「嫌われる勇気」で有名なアルフレッド・アドラーは上下の関係ではなく、横の関係を大事にすることを提唱しています。

上下の関係は優越感や劣等感から生まれるコンプレックスを生み、行きすぎたコンプレックスが人間関係を破壊するからです。


上からではなく、相手のVBIに対する率直な感想を横から伝えることこそ、チームメンバーが欲しがる「最高の称賛」です。

褒め下手あるある

たまに、「褒めなければ」と、無理に褒めを捻り出して、空振って、引かれてる管理職を見ることがありますが、「褒めるための褒め言葉」は、相手からすると気持ち悪く、不評を買うことも少なくありません。

そんなことは全くしなくてよい余計な行動で、そんなことより、相手の考え方、振る舞いをしっかり観察し、それらがあなたや周りに与えた影響を率直に口にするだけで良いのです。

「それができないんだよ」という管理職の方は、「相手を理解をしたい」という気持ちより、「効率よく手っ取り早く結果を出すために部下と関係を良くしたい」という気持ちが強すぎて、目が曇っているのかも知れません。

どんなスキルやどんな褒め方を習得したところで、相手の考え方や行動を理解しないで発する言葉はうわ滑るリスクが高いですし、長く続きません。

逆に一度でも真剣に、部下の振る舞いやその背景にある考え方を理解すれば、それらは何度でも役立ちます。褒める場面は一回限りではありません。

根底さえ押さえておけば、何回でも称賛の声をかけてあげることができます。

そして称賛するうちに気付きます。

毎回感心させられる部下の考え方や行動を発見したとき、そこには「部下の強み」が隠れているはずです。


つまり称賛が上手い人は、同時に強みの発見も上手いということです。


結局、管理職は「チームで結果を出したい」のであれば、「観察し真に理解する」道を避けては通れないのです。

最短に見えた道は、実は全部行き止まりという可能性があります。結局、部下を理解することが、遠回りに見えても一番の近道なのかもしれません。

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