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「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」;出来るだけ他者に伝わるように書く感想文⑲

「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」
(展覧会/2024/@東京都美術館)

 米国マサチューセッツ州第2の都市”Worcester”。そこに地元の篤志家たちが20世紀初頭に作った美術館が、今回の展覧会で観覧できる作品の多くを収蔵するウスター美術館であるそう。(ちなみにウスターソースの名は英国の地域を語源とするらしい。)古代エジプトの作品から、現代先鋭アートまでを収集、展示している美術館として知られているらしい。
 そんなウスター博物館の収蔵する作品の中で、特に印象派からポスト印象派を中心とした作品を展示するのが今回の展覧会の主題だった。
 なかにはアーティゾン(旧ブリジストン)美術館の作品や、日本テレビ(株)の所蔵する作品も展示されており、ウスター博物館の作品を中心としつつ印象派と呼ばれる作品を紹介する展覧会だった。


 これは結構おすすめできる展覧会なんだと思っている。


 展覧会の主題は印象派だし、クロード=モネ”睡蓮”が見られるんだから訪れてみる価値はある。
 特に、この展覧会をお勧めできると思った理由が、絵の横に小さく書いてあるキャプション("wall label" in English)が全ての作品に設けられていること。これは僕のような素人にはとても有り難い。ちょっと自分語りの感想文みたいな文章も散見されるけど、普通の展覧会ではここまで手厚くないと思うから「美術館に行ってみよう!」とかのいいきっかけになると思う。


 正直なところ、キャプションがしっかり書かれていたのは、展示する作品がかなり少なめだったことが理由としてあるのではないかと推察している。去年の同美術館で開かれたマティス展が155作品、国立西洋美術館でちょっと前までやっていたキュビズム展が112作品だった。しかし、今回の印象派展は68作品とかなり少なめだと言える。箱の大きさは全く同じだから、気にはならないもののスカスカの展覧会だったと言われても仕方ないのかなと思う。円安の影響だと思われるが、なんとも悲しい話である。

 僕はジョセフ=グリーンウッドの「雪解け」という作品が気に入った。またこの作品とどこかで出会うことが出来れば嬉しいなと思う。

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