若月房恵

自分の言葉で、イエス・キリストと暮らす現実について書きたいと思っている、本の虫なクリス…

若月房恵

自分の言葉で、イエス・キリストと暮らす現実について書きたいと思っている、本の虫なクリスチャン。海辺に住んでいる信州マニア。

マガジン

  • キリストと生きる日常について (散文)

    ただイエス・キリストと生きているわたしの日々を、誠実に、飾ることなく、じぶんの言葉で書くことが出来たなら。

  • 目にはみえない話し

    寓話のように、目にはみえない、キリストとの関係を書いた話し。フィクションでもないし、エッセイとも言えない。

  • 本の虫12カ月

    2024年、今年こそは読んだ本をぜんぶ記録する(たぶん)

  • 読書録

    本棚を見せることは、わたしにとって自己紹介のようなこと

  • 日本語訳

    日本語に訳したメッセージなど

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牧師が拾ってきた天使

 ある雨の日曜日、牧師が天使を連れてきた。いや、拾ってきたというべきかもしれない。その頃教会として借りていた貸しホールの隣の、コンビニの横で傘も差さずにうずくま…

若月房恵
11か月前
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本の虫12カ月 5月

↓先月 じぶん用に、 一月のあいだに読んだ本を 記録する。 コメントは とても私的。 めちゃくちゃ。

若月房恵
6日前
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幻を書き記せ ④ スティーヴン・L・シェリー (日本語訳) 

アメリカ、アラバマ州にある New Hope Revival Ministries の スティーヴン・シェリー牧師が 1990年代に出版した手記の 日本語訳を投稿しています。 これは四回目になり…

若月房恵
6日前
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風の強い山にて

 風が強くなってきた。長らく訓練を受けていた谷を越えて、いまはこのなだらかな、牧草地のような山を歩いている。いつのまにか見晴らしの良い場所に来ていた。いつか来…

若月房恵
12日前
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若い友人への手紙

 生きていたくない、というのね。お気持ち、分かります。分からないでしょ、と思うかもしれないけど。  あなたとは幾つ年が違うのかな、一回りくらいかな? 初めて会…

若月房恵
2週間前
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幻を書き記せ ③ スティーヴン・L・シェリー (日本語訳) 

アメリカ、アラバマ州にある New Hope Revival Ministries の スティーヴン・シェリー牧師が 1990年代に出版した手記です。 三回目になる今回は、 たったの七歳で彼が、…

若月房恵
2週間前
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幻を書き記せ ② スティーヴン・L・シェリー (日本語訳) 

アメリカ、アラバマ州にある New Hope Revival Ministries の スティーヴン・シェリー牧師が 1990年代に出版した手記です。 二回目の今回は、 『あなたがそんな環境でも…

若月房恵
3週間前
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しなやかに、

 朝から降りだした雨は、もう嵐となり果てていた。しずかな湖とみまごう相模湾は、そんなときでも波は高くない。「割れて砕けて裂けて散るかも」なんてふうになることは…

若月房恵
4週間前
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幻を書き記せ ① スティーヴン・L・シェリー (日本語訳) 

アメリカ、アラバマ州にある New Hope Revival Ministriesの スティーヴン・シェリー牧師が 1990年代に出版した手記です。 十年以上前に訳したものですが、 家族にだけ見…

若月房恵
1か月前
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本の虫12カ月 4月

↓先月の分 Dear me 本屋に寄るたびに 積ん読を増やすのを、 当分止めてくださると 助かります。

若月房恵
1か月前
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信州松本、PARCOと南松本のヨーカドーと井上百貨店(←new)が撤退になって、駅前のアルピコプラザは生きながら死にかけていて、どうなるのだ。やはりイオンのせいか。ふと気がついたら、なにかの局面に立っていたような。とおくからどきどき眺めている信州マニアです。

若月房恵
1か月前
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「癒されるために」 ウィリアム・ブランハム

 これはウィリアム・ブランハム(1909-1965、米)の説教から、癒しに関しての言葉を抜粋した本、 ”Healing thoughts”を日本語に訳したものです。  何年前に訳したのか…

若月房恵
1か月前
15

はるかに大きな、 大きな

 「あなたはわたしに  悪事を企みましたが、  神はそれを善に  変えてくださいました。」  ヨセフはそう言った。じぶんに嫉妬し、憎しんで、挙げ句の果てに奴隷商…

若月房恵
1か月前
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もう半分の痛み ―アレクシエーヴィチを読みながら―

子どもを上手く寝かしつけられなくて、 何も書けない日が続いている。 この記事は、下書きに眠っていた。 去年の夏に書いたらしい。 なんで投稿しなかったかは、 もう覚え…

若月房恵
1か月前
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「愛」 ジョージ・ハーバート (日本語訳)

 シモーヌ・ヴェイユの本に出てきた 彼女が愛した詩、 ジョージ・ハーバート (1593-1633) の 「愛」  さっき岩波のイギリス名詩選を 読み返していたら見つけたので、 …

若月房恵
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本の虫12ヵ月 3月

↓2月の分 大量消費みたいな、 いまのじぶんの読み方に疑問を感じて、 すこしペースを落としている (またはさぼっている)。 図書館で借りてきた本を、 期限内に読みきる…

若月房恵
2か月前
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牧師が拾ってきた天使

牧師が拾ってきた天使

 ある雨の日曜日、牧師が天使を連れてきた。いや、拾ってきたというべきかもしれない。その頃教会として借りていた貸しホールの隣の、コンビニの横で傘も差さずにうずくまっていたらしい。わたしが見たとき、十日間ろくに食べていなかったというその天使は、ツナマヨネーズのお握りを頬張っていた。

 どこに寝泊まりされているんですか、という問いに、野っぱらで寝っころがっているだよ、と答えた天使は、とてもすごい臭いが

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幻を書き記せ ④ スティーヴン・L・シェリー (日本語訳) 

幻を書き記せ ④ スティーヴン・L・シェリー (日本語訳) 


アメリカ、アラバマ州にある
New Hope Revival Ministries の
スティーヴン・シェリー牧師が
1990年代に出版した手記の
日本語訳を投稿しています。

これは四回目になります。

シェリー牧師は十歳の頃から、
旧約聖書最後の書であるマラキ書の、
洗礼者ヨハネについての
預言に疑問を抱いていました。

『見よ、わたしは
大いなるおそるべき主の日が来る前に
預言者エリヤをあ

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風の強い山にて

風の強い山にて



 風が強くなってきた。長らく訓練を受けていた谷を越えて、いまはこのなだらかな、牧草地のような山を歩いている。いつのまにか見晴らしの良い場所に来ていた。いつか来た高原を思い出す。霧ヶ峰だとか、美ヶ原だとか、信州のうつくしい高原たち。

 白い道が一本ひかれている。わたしはただ前をゆく背だけ見つめながら、黙々と足を動かす。道順だとかは分からない。あの方が行くところへ付いていくだけ。だから真向かいか

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若い友人への手紙

若い友人への手紙



 生きていたくない、というのね。お気持ち、分かります。分からないでしょ、と思うかもしれないけど。

 あなたとは幾つ年が違うのかな、一回りくらいかな? 初めて会ったときのこと、いまでも覚えてます。あなたは可愛い小学生だった。お母さんに連れられて、集会に来た日のこと。まるでおとなしいふうに見えて、反抗精神にあふれてた。

 ええ、分かっていましたとも。あなたはちょっとずつ、わたしを試した。こんな

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幻を書き記せ ③ スティーヴン・L・シェリー (日本語訳) 

幻を書き記せ ③ スティーヴン・L・シェリー (日本語訳) 



アメリカ、アラバマ州にある
New Hope Revival Ministries の
スティーヴン・シェリー牧師が
1990年代に出版した手記です。

三回目になる今回は、
たったの七歳で彼が、
はじめての説教をしたときの話し、
そして十代になってから、
聖書の真理を求めて、
いろいろな説教師のもとを
訪ねまわる話しです。

早熟な彼は十代にして
ある教会の牧師になりますが、
究極の真理追求

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幻を書き記せ ② スティーヴン・L・シェリー (日本語訳) 

幻を書き記せ ② スティーヴン・L・シェリー (日本語訳) 



アメリカ、アラバマ州にある
New Hope Revival Ministries の
スティーヴン・シェリー牧師が
1990年代に出版した手記です。

二回目の今回は、
『あなたがそんな環境でも
神に仕えられるのなら、
ぼくだって神に
仕えられるかもしれない』
と他人に言わせた、
彼の壮絶な幼少時代についてです。

『神さまがいなければ、
心を病んでいただろう』
とみずから語る過去は、
ほん

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しなやかに、

しなやかに、



 朝から降りだした雨は、もう嵐となり果てていた。しずかな湖とみまごう相模湾は、そんなときでも波は高くない。「割れて砕けて裂けて散るかも」なんてふうになることはほとんどなくって、実朝はどこで詠んだのかしら、とふしぎに思う。

 (太宰治の「右大臣実朝」は、三浦岬に行ったときだと言う。確かにあそこは波が高い)

 助手席で夫が眠っている。ほんとうは出来るだけ、助手席には乗りたくないらしい。だって怖

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幻を書き記せ ① スティーヴン・L・シェリー (日本語訳) 

幻を書き記せ ① スティーヴン・L・シェリー (日本語訳) 



アメリカ、アラバマ州にある
New Hope Revival Ministriesの
スティーヴン・シェリー牧師が
1990年代に出版した手記です。
十年以上前に訳したものですが、
家族にだけ見せて、死蔵させていたので、
ネット上で公開してみようと思います。

シェリー牧師は、わたしのアメリカの
牧師で、預言の賜物のある、
とても霊的で、ふしぎなひとです。
その彼がみずからの奇特な人生と
神さ

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信州松本、PARCOと南松本のヨーカドーと井上百貨店(←new)が撤退になって、駅前のアルピコプラザは生きながら死にかけていて、どうなるのだ。やはりイオンのせいか。ふと気がついたら、なにかの局面に立っていたような。とおくからどきどき眺めている信州マニアです。

「癒されるために」 ウィリアム・ブランハム

「癒されるために」 ウィリアム・ブランハム



 これはウィリアム・ブランハム(1909-1965、米)の説教から、癒しに関しての言葉を抜粋した本、 ”Healing thoughts”を日本語に訳したものです。

 何年前に訳したのかも覚えておらず、しかも未完です。元の本をひとに贈ってしまったので、もう終わらせることも出来ません。そんな中途半端な文章ですが、眠らせておくのも勿体ないというだけで、ここに上げてみます。どなたか必要とされている

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はるかに大きな、 大きな

はるかに大きな、 大きな



 「あなたはわたしに 
悪事を企みましたが、 
神はそれを善に 
変えてくださいました。」

 ヨセフはそう言った。じぶんに嫉妬し、憎しんで、挙げ句の果てに奴隷商人に売り飛ばした、みずからの血肉、血の繋がった兄弟たちに。

 -あなたがわたしを憎んで、苦しめてやろうとしたことを、神さまは良い結果のために
用いてくださったのです。わたしが売り飛ばされたおかげで、多くの民の命が救われました。

 

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もう半分の痛み ―アレクシエーヴィチを読みながら―

もう半分の痛み ―アレクシエーヴィチを読みながら―


子どもを上手く寝かしつけられなくて、
何も書けない日が続いている。
この記事は、下書きに眠っていた。
去年の夏に書いたらしい。
なんで投稿しなかったかは、
もう覚えていない。
三冊目のアレクシェーヴィチである、
「チェルノブイリの祈り」を
まだ最後まで読みおわっていなかったなあ、
と罪悪感を覚えながら。



 わたしは痛みを知らないらしい。

 十代の頃のこと、毎年夏を過ごしたアメリカの教会

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「愛」 ジョージ・ハーバート (日本語訳)

「愛」 ジョージ・ハーバート (日本語訳)



 シモーヌ・ヴェイユの本に出てきた
彼女が愛した詩、
ジョージ・ハーバート (1593-1633) の
「愛」

 さっき岩波のイギリス名詩選を
読み返していたら見つけたので、
友だちに見せようと、
じぶんでも訳してみることにした。

愛がわたしを迎えてくれた。けれど罪と塵で埃まみれのわが魂は後ずさりした。
 一歩踏み入れて怯んでしまったわたしを、愛は目ざとく見つけると、
近寄って、やさしく訊

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本の虫12ヵ月 3月

本の虫12ヵ月 3月


↓2月の分

大量消費みたいな、
いまのじぶんの読み方に疑問を感じて、
すこしペースを落としている
(またはさぼっている)。
図書館で借りてきた本を、
期限内に読みきるのは良いことだけど、
こう首狩り族みたいに、
大切に読むべき本を読み飛ばすのは、
じぶんの為にならない。

 
……と思っていたのに、
後半に結構追い上げて、
今月もかなりの数を読んだ。

↓next month