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my じいちゃん

 この写真は、私のじいちゃんの背中です。ご覧の通り『わし百歳』、この写真は少し古いもので今は『わし百一歳』のベストを装備しています。

 じいちゃんは昔から物静かで、あまり話さず、その雰囲気からは人の良さが伝わってきて実際人に慕われていました。

 ガキの頃は、ただの無口なじいちゃんも、私自身が歳をとり経験を重ねていくと全く違った見方をするようになっていました。私は20代に少しヤンチャをしていて、捕まった事もあります。時期的には、ホリエモンが捕まったくらいの時に私も捕まっていました。今でもホリエモンの事件をラジオ、新聞、雑誌などで見ていたのを覚えています。(テレビは見れません)

 話が脱線するように感じるかもしれませんが、つながるのでお付き合いください。私は捕まった先で、よく本を読みました。最初は勧められるままにいろいろな本を読んでいたのですが、だんだん自分にあった本のみを読みあさっていくようになっていき、私は特に歴史やドキュメンタリーなどいわゆる実話物ばかり読んでいました。実際あった話を読み、影響を受け自分の人生に活かそうとするのです。

 そんな経験をした私にとって、まさにじいちゃんは生きる歴史。ただの無口で優しいだけのじいちゃんも、戦争を経験し生き抜き、百歳を越えなお人に慕われている男として私は尊敬するようになっていました。

 刑務所をでてから、一人じいちゃんの家に泊まりに行き「戦争の頃の話をしてよ」なんて言うとじいちゃんも嬉しそうに当時の白黒の写真を持ってきていろんな話をしてくれました。その写真には、今のじいちゃんとは面影こそあれど似ても似つかない軍服を着たまさに軍人が写っていました。その手には銃に剣のついたいわゆる銃剣を抱え、腰にはサーベルのような大きな剣をぶら下げていました。今なら完全に逮捕ですね(笑)、今じゃ人のいいだけのじいちゃんを見ると『人に歴史あり!』と思わずにいられません。そしてこの『歴史あり』が私は大好きなんです。金や立場で人の価値を見る人も多いと思いますが、私はこの銃剣を抱え生き抜いてきた人間がしれっと現代に生きている。その見えはしないが確かな過去に魅力を感じるのです、私にとってじいちゃんは偉人です。

 そのじいちゃんが百一歳になり、病院にかかる事も多くなりました。ボケもせずわがままも言わず、「ありがとね」と「迷惑かけてすまんね」を繰り返すじいちゃん。辛いのは自分だろうに、寂しいのは自分だろうに、家族にすら気を使い続けるその姿勢に心うたれる、もっと生きてほしい、もっといい思いをしてほしい、なんならわがままを言ってほしい。言わないんだろうけどね、そう思わせるじいちゃんの人柄を、その人生を、何かに残したくてノートに記しました。

 その内、戦争時の写真も機会があればあげたいと思います。今は残る人生をゆっくりと生きてほしいと思います、神様どうかこんなにも立派な人生を全うしようとしているじいちゃんをよろしくお願いします。

 Peace


このnoteではSKYのフィルターを通し、自由にこの世界を表現していく、キャリアも肩書きも関係なく。これが始まり、そしてこれが全て。この時代で何か共有できたら光栄に思います、可能性は無限but人生は有限、信じる心を信じて Look!! Sky is your Heart