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レースでの息継ぎ・ハイポ戦略


1)自由形 50mレースと100mレースのハイポの違い

40秒以内で終わる50mレースなら、息継ぎ回数を減らしていくことをおすすめします。50m自由形のベストタイムが30秒前後で伸び悩んでいる人に多いのはハイポ4です。さらにタイムを短縮するために「前半はハイポ8&後半はハイポ4」を一つの目安にしてみてください。

ここで生まれるが「前よりもキツくなるのでは?」という不安です。不安は心拍数を無駄に上げてしまう因子で、できるだけ排除しておきたいです。安心してください、人間は全力で動きはじめて10秒は苦しいと感じません。むしろ苦しくないのに無駄に横隔膜の伸縮頻度を増やすとそれ自体が酸素を消費する原因となります。前半25mのうちに2回も息継ぎできれば十分です(ストローク数20回としてハイポ8なら息継ぎ2回と4かきの計算)。

100mレースは必ず40秒以上かかりますから、ハイポは2〜4がおすすめ。200mや400mも泳げる後半型の選手ならスタート直後からハイポ2もOKです。ただし、浮き上がり直後の息継ぎは避けたいですね。

2)ガス交換の効率性を上げる

次に確認しておきたいのは、二酸化炭素を排出し酸素を取り込む「ガス交換の効率性」です。特にスプリントはテンポが速いので息継ぎも素早く行う必要があります。苦しさを感じる二酸化炭素の体内割合を減らすために排出(素早く吐く)がポイントです。

私の場合は50mレースならストローク動作の終盤に鋭く一気に口から吐いて、100mレースならストローク動作の中盤あたりから終盤にかけて鼻から吐くようにしています。

3)目的別トレーニング法

①ノーブレス強化

15秒ノーブレスで泳ぐことを繰り返しましょう。25m10本30〜40秒サイクル、プルのクロールで20mまでノーブレス。テンポは1:00のゆっくり目でOK 一定のリズムとストローク数で繰り返し慣らしていくことが重要です。慣れたら本数を増やしたりスイムの2ビートでやってみましょう。

②50mレースシミュレーション

ゆっくりテンポ1:00で実際に50m泳ぎます。50m4本2分サイクル。このときスタートとターン後の水中ドルフィンキックは無しです。これもノーブレス強化と同じで慣らしていくことが重要です。

③100mレース対策はフィン付スイム

これも実際に100m泳ぐのがおすすめ。ゆっくりテンポからはじめて最後はレースペースで。4本5分サイクル。フィンを使用すると実際のレーステンポより少し遅めでも十分なスピードが出ます。その中で決めたハイポと息を吐くタイミングや鼻と口の使い分けなどを確認します。

まとめ

呼吸や息継ぎは無意識な部分が多く、吐くタイミングや口と鼻の使い方は自分でも認識していないケースがよくあります。先ずは自分のレース動画を観てハイポやストローク数などの現状を把握してみましょう。
練習やトレーニングでは、はじめは強度を落としてノーブレス自体に慣れていき、少しずつレースに近い距離やスピードにステップアップ。「慣らす」という表現をよくつかいましたが、心理的に不安因子を減らしていくことが重要です。
今回はクロールのケースでしたが、バタフライだとさらに個人差があるように感じます。いきなりレースでのぶっつけ本番にならないように、事前にトレーニングやシミュレーションをして臨んでみてください。今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

四国・高知で水泳の個別指導なら
FLOW STYLE 藤澤ヨシノブ


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