book-go-around #022 東京都:守先正(50代)
book-go-aroundは本を買ってる人に本を買うことや本をコレクションすることの楽しみを語ってもらうflotsambooksのインタビュー記事です。
今度あなたにもインタビューさせてください。
#022 東京都:守先正(50代)
通っていた大学のふたつ上の学年に、装丁家の鈴木成一さんがいた。
大学院の1年生の夏、突然、大学を退学してしまい、それからしばらくすると書店の平台に、かれがデザインした本がどんどん並びはじめた。
それが衝撃的で、そのときから「本のデザイン」に注目するようになった。
そこに〝愛〟があるかどうか。紙の手触りだったり、書体のこだわりだったり、印刷の素晴らしさだったり。
書店で迷って買わないで出て行った場合は、何時間かは、その街から出ないようにする。〝いい本〟は次の日、忽然と消えているから。
イルマ・ボームがデザインした本
「Irma Boom: The Architecture of the Book 2010-1986」
Nijhof & Lee の小さな箱で送られてきた小さな作品集。誰も小さなサイズの作品集をつくりたがらないので、自身の作品集をそうしてみたとのこと。
「Irma Boom: The Architecture of the Book 2013-1986」
3年後にセカンド・エディションが発売された。初版よりも96ページ増え、65点、画像が増えた。本は厚さだけでなく、サイズも幅が38.5ミリ→44ミリ、高さが50ミリ→55ミリ大きくなっている。最終的には白い箱とおなじ大きさになるようにしたいということらしいが、2020年時点、サード・エディションはでていない。
「IRMA BOOM GUTENBERG-GALAXIE II」
2012年10月20日、limArt(現・POST)のBook Market で serendipity booksの柳本浩市さんから直接、購入した。
この本は、イルマ・ボームが最年少でグーテンベルグ賞を受賞したときに記念してつくられた本で、非売品。アムステルダムに旅行に行ったとき、さがしてみたけど、どこにもなかった。こんな本を所有しているのは、柳本浩市さんしかいない。
※下記のサイトでIrma Boomの本が多数紹介されています。
「COEXISTENCE」「HACKNEY WICK」「HACKNEY FLOWERS」
日本で買い逃して、直接、かれのサイトNobody Books から購入した。
写真家がじぶんでサイトを立ち上げて、じぶんで写真集を売るということが、その当時は新鮮で、すてきな本が、だいじにだいじに梱包されて送られてきたのを憶えている。
2006年、プラハのヴァーツラフ広場のはしにある本屋さんで、切手のエングレーヴァーのジンドリッヒ・シュミットの本を見つけて、大喜びしたのです。本の裏のシールに、49ーとあり、その値段がにわかに信じがたかった。1チェココルナは、日本円にすると約5円。49チェココルナは250円くらいです。バーゲン本だったとしても絶対そんなことはない、490コルナだと思って、500コルナ紙幣をだしたのです。「もっと小さな紙幣をだせ!」って、むちゃくちゃ店員に怒られました。とっても悲しいというか、しみじみしてしまいました。怒られたことではなくて、この素晴らしい本がそんな値段で売られているこの国と、どうでもいい本が高額で売られているかの国を比べて。
写真の説明
「JINDRICH SCHMIDT」JAROMIR HOREC
チェコスロバキアを代表する切手のエングレーヴァー、ジンドリッヒ・シュミットの本と実際の切手とFDC。デザインはカレル・スヴォリンスキー。このふたりで数々の素晴らしい切手を制作している。
なにかこころにひっかかったら、買っておくべきだと思います。
その何十年後かに、こんどはその内容に出会うかもしれません。
タイポグラフィに関する本を、相当数アムステルダムにある Nijhof & Lee(ナイホフ&リー)から買っていました。
もしかするともうサイトがないのかもしれません
外国のサイト
日本のサイト
Flotsam Books
POST
book of days
SPREAD
BOOK AND SONS
North East
Magazine isn't dead.
これらのサイトに並んでいる本をみると、なんとなく世の中の動きがわかります。
この本は、Wim van Krimpen(ヴィム・ヴァン・クリンペン)がハーグ市立美術館館長を退任するさいに、餞別として贈られた本。
非売品、350部限定そもそも非売品だから正規には買えない。
手の中でずっしり感じる重さ。
ページという単位で、順番が決まっているところ。
2月15日(土)から24日(月)まで、フロットサムブックスの小林さんの実店舗で期間限定本屋内本屋をひらきます。どうぞよろしくお立ち寄りください。
Pop-Up SHOP: aki moris in flotsam books
会期:2月15日〜24日
会場:flotsam books
住所:東京都杉並区和泉1-10-7
時間:15:00〜21:00
入場無料
サポートされたい。本当に。切実に。世の中には二種類の人間しかいません。サポートする人間とサポートされる人間とサポートしない人間とサポートされない人間。