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#8 The First 10 Years of Needles & Pens

The First 10 Years of Needles & Pens
光咲

階層も年齢も国籍も違う人が、好きなことが同じという理由で自然と集まることは素晴らしいことだ。大人になればなるほど、育ってきた環境やルーツが違い、新しく出会う人との交流関係を築きにくくなると個人的には思う。しかしながら、心が惹かれるような好きなものが共通だと気付いたとき、もう既にそこには、昼の星のように不可視な関係が始まっているのではないだろうか。

そんな空間を作り上げている場所がカルフォルニア、サンフランシスコにある。それはNeedles&Pensというショップである。アートギャラリー、アーティストブック、zine、アクセサリーを取り扱うショップだ。当時、周辺ではこの土地の歴史を汲みつつも、店主の興味をひとつのお店にぎ込んだショップはNeedles&Pensが最先端であった。

このショップの始まりから10年をThe First 10 years of Needles&Pens では写真とともに書き記している。本はめくるほど、当時の人々の作品に対する情熱がありありと感じられる。実をいうとzineという存在を 生まれてこの方この本を読むまで知らなかった。Zineを知ってからは、誰にでもいつでも始められて、たとえ言語が違っても視覚を通して繋がることができる点で魅了されている だからこそ、多民族が集まるこの土地で、人種、国籍を超えて好きなことを通して繋がることが、意図せずとも自然の摂理によって、かなえられたことであると思う。

追記
つい先日発売された日本の雑誌で本に関連があるお店の特集に 偶然Needles&Pensが掲載されていた。そちらの雑誌も面白かったので、いち本好きとしてはお勧めしたい。

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執筆者
光咲
本と音楽に囲まれて生活しています
英文学に興味があります
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