メロディーを奏でるように、自分らしさを添えて花を贈る(映画編)
1.序文
「心洗われる……」
と、つぶやきながら
目をウトウトさせて
映画を観ていることはありませんか?
そのとき、心の中では
穏やかで、なんの邪魔も入らない
よどみないメロディーが流れているような
そんな感覚があります。
音楽を聴いているように
右脳に心を託しながら
心地よく鑑賞しているときがある。
個人的には
その代表と言える映画が
「ティファニーで朝食を」
オードリーヘップバーンの映画の中でも
特に好きな作品。
「ローマの休日」「麗しのサブリナ」もいいけど
それ以上に、魅かれるものがあります。
なぜ?と、思いつつ
よくよくふり返ってみると、
映画の小道具~表現、ストーリーまで
自分が好きなものが美事に組みあわされて
表現されている。
好きな作品=自分の好きな感性
と、考えれば
映画は、自分らしさを見つける
ヒントにもなりますね
そして、そのヒントは
そのまま
花を贈るときにも役立ちます。
例えば、相手の好みが分からないとき……
プレゼント交換で贈りあうとき……
ちょっとしたお礼をしたいとき……
そんなときは
相手の好き嫌いに頭を悩ませず
自分の感性で勝負!
自分らしいセンスで
花を選んでみてはいかがでしょうか
そこで、個人的に感じた
この映画の魅力を引用しながら
自分らしさを添えて花を贈るポイントを
お伝えしていきます。
2.「ティファニーで朝食を」あらすじ<ネタバレあり>
あらすじをご参考まで。
舞台はニューヨークマンハッタン。
裕福な男性たちとの交際で生計をたてるホリーは、
名無し猫一匹とアパートに暮らす。
ある日、作家と名乗るポールが上の階に越してきて、
彼もまた、裕福な愛人マダムからお金を得て生活していた。
ある日、ホリーの夫(ゴライトリー)が現れ、ポールに、
彼女は14歳で自分と結婚し、本名は「ルラメイ」だと明かす。
ホリーは、ゴライトリーに、
「もう私は(田舎娘)ルラメイではない」と、別れをつげる。
ポールも短編小説が売れて小切手を手にし、
愛人と別れ、ホリーの元へ。
でも、ホリーは、ブラジル大富豪ホセとの結婚を決めていた。
ブラジルへまもなく発つという頃、
麻薬ギャングの密売に関わった容疑で勾留されるホリー。
釈放されると、迎えに来たポールとタクシーに乗り込む。
ポールが、ホセの従妹から預かった手紙を読み上げ、
結婚はおしまいだと伝えると、
ホリーは「もうこの街に用はない」
「自分は猫と同じ名無し、誰のものでもない」と言って、
猫をタクシーから追い放してしまう。
ポールもまたタクシーを降りて……(続く)
3.ストーリーについて<ネタバレあり>
「ティファニーで朝食を」は1961年公開の映画。
アメリカの小説家トルーマン・カポーティの
中編小説(1958年出版)が原作。
小説も読みましたが、映画では、
ホリーとポール、二人のロマンスを中心に、
主役のオードリーヘップバーンの魅力を活かすように、
原作をアレンジして映画化されています。
作家のカポーティは、主人公のホリーについて、
ヘップバーンのようなタイプの女性ではないと、
不快感を表したと言われています。
それでも、映画では、
小説の深いテーマも残しながら、
ドラマティックでユーモアある
表現や映像で描写されていて、
じんわり深く心に響いてきます。
愛、自由とは……、生と強さとは……、
そんな普遍的ともいえるテーマが、
静かに伝わってきます。
ポールは、愛人のお金に頼りつつも、
合理的で冷静。
「生きること」に腰を据えながら、
愛を求めている。
一方で、ホリーは、背伸びをして、
愛想を振りまきながらも、怯えている。
裕福な相手とのアンバランスさ、
ポールといるときの自分に蓋をして、
自由を求め、幸せだと口にする。
そのホリーに、ポールのストレートな言葉が
向けられる……。
個人的には、
アメリカの風俗、価値観を感じながらも、
変化が大きく不透明な今の時代こそ
ふと立ち止まって、考えさせられるような作品です。
4.自分らしさを添えて花を贈る(3つのポイント)<ネタバレあり>
(1)魅力的な色を選ぶ
なぜだろう?
um……。
たまに、デパートでティファニーのお店を目にすると、
なぜか、ディスプレイ、パンフレット、パッケージ……
その色に、釘づけになっている。
ある時、「ティファニーブルー」を再現したくなり、
カラーコードを組み合わせて、もがいてみたけど断念。
ブランドの偉大さを思い知らされるばかりでした。
でも、そのイメージを再現してみたことがあります。
20代の頃、映画をイメージして
デザインした作品がこちら↓
※ティファニーでの食卓をイメージ(空想)。花は造花です。
後ろにバーボンを入れていますが、
これは、ポールがバーボンを飲むシーンから拾いました。
そして、色と言えば、
ホリーとポールのファッションも見逃せません。
特に、二人が散歩するシーンで……
ホリーは、オレンジのコートに茶色の帽子。
ポールは、ブルーシャツにストライプのネクタイ。
その色のコーディネートが爽やかで素敵なのです。
また、映画全体の雰囲気も、
柔らかく爽やかな印象があります。
個性的なホリーの性格や
夜のパーティーシーンの派手さとは対照的に、
ブラウンストーンの建物が並ぶ通りや、
優しいグリーン色のアパートのドアなど、
心地よい色彩に包まれています。
(2)花に1品、ギフトを組みあわせて贈る
①「Breakfast at Tiffany's」のタイトル
宝石店と朝食の組み合わせが素敵。
オープニングのシーンのように、
ティファニーのショーウィンドーの前で
朝食のクロワッサンをかじり、コーヒーを飲む。
もっと言えば、お店の中で、カフェしてみたい……。
そう思った方も多いと思います。私もその一人。
実際に、2017年11月に
ブランド初となるダイニングスペースがオープンしたようです。
(今は改装中と記載があります)
※日本でも、2019年に、
東京の原宿に「ティファニーカフェ@キャットストリート」
がオープンしています。(予定では、3年間の期間限定)
②ホリーとポールのファッション
当時、ヘップバーンのファッションを担当していたのは、
オートクチュールのファッションデザイナー
ユベール・ド・ジバンシィ(ブランド:GIVENCHY)
「ローマの休日」の次の映画の衣装を探していたとき、
二人は出会い、以来、ジバンシィの衣装を愛用。
この映画でホリーが着ていた「リトル・ブラックドレス」は、
20世紀ファッション史を代表するドレスとして知られています。
一方で、ヘップバーンは、痩せていて胸がなく、
四角い顔の容姿にコンプレックスを持っていたとのこと。
それをカバーする工夫を惜しまなかったと言われています。
映画のシーンごとに、
様々な服、帽子、アクセサリーを身に着け、
ポールと歩くシーンでは、
カップルのファッションコーディネートも素敵です。
③ユニークな散歩と、ロマンスある贈り物
ポールの小説が売れたお祝いをかねて、
二人が散歩に出掛けるシーン。
「今までしたことないことをしよう!」と言って、
二人交互に、その数を数えながら五番街を歩く。
ゲームのようなことをして散歩する
たのしそう~。
そして、ホリーへのプレゼントを
ティファニーのお店で品定め。
でも、ポールが出せるお金(10ドル)で買えるような
ロマンティックな品はなく、
どうにか、クラッカー・ジャック (お菓子)の
おまけの指輪に、文字を刻んでもらうのです。
ほのぼの……。
映画では、
そんな意外な組み合わせや
ロマンスの描写に心奪われます。
(3)メロディーを奏でるように、メッセージを添える
雨がふりしきる
あのラストシーンにジーンときます
ポールの力強い言葉の余韻の中~
優しく流れてくる、あの美メロディー
ヘンリー・マンシーニ作曲、ジョニー・マーサー作詞
「ムーン・リバー」
詞は、作詞家の故郷(米南部ジョージア州)の
川からイメージして書かれたとのことですが、
実際、ムーンリバーは、満月やそれに近い月が、
水面に照らされた時の川のような光景を言います。
それが、目に浮かぶような広大な曲想
「There's such a lot of world to see……」
(歌詞の一部を抜粋)
なんて広大な川、いつか渡ってみせる
どこへでも、あなたについていく
世界には、まだたくさんの未知の世界があるから
同じ虹の果てを求めて……そんな
時代を超え、国を超え、ジャンルを超え
と、広がっていくように
美しさを超えて、神聖……
楽器の音色、アカペラのような声音でも、
それぞれの味、個性が活かされたメロディーに
海外では、数多くカバーされていますが、
日本では少ないようで、
その中で、演歌歌手の五木ひろしさんが
こぶしで歌う英語のムーンリバーも
お洒落で素敵でした。
個人的に好きなチェロ、
ピアノとバイオリンの三重奏♪
韓国のLAYERSというグループをYouTubeで見つけました。
4.まとめ
自分の好きな映画は
音楽を聴くように
何度でも観たくなる
多くの人に評価されてるとか
今話題だからという基準は
それがきっかけになることはあっても
好きな理由にはならないことも
花を贈るときも
相手がどう思うか……とか
これを贈ったら、今どきどうかな……とか
時に、そんな外野の声を忘れて
自分の「好き」、もらったら「嬉しい」
そんなストレートな気持ちを大切にしてみる
もし相手と親密になりたいなら
個性、自分らしさを伝えた方が
本音、深いところでつながる
良いきっかけになるかもしれません
うっとり心のままに
メロディーを奏でるように
想いを届けて
同じ月を見ながら……ウトウト
幸せに乾杯!
そんなひとときを、過ごせますように☘
#映画感想文 #スキしてみて
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