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花屋として認められた

先日、Threadsに以下のことを投稿した。

『花屋という仕事』

皆様は「榊」の取り扱いはしてるだろうか。

お供え花やお榊など、日本には植物を飾る文化が多く根付いてる。
その中で、よく耳にする「榊」
神棚に月に2回交換するもの。
人間と神様の境を示す役割とも言われている。

先日たまたま当店の近くで用事があり、何か買って帰ろうと思ったおばあ様。
お榊を交換する日だからと思いたまたま目にした花屋、私が務める花屋に立ち寄ってくださった。

お会計時
「お榊の形悪くないですか。」
と聞かれた。

私は
「問題ありません。お榊はカタチよりも先端が尖ってあることに意味があり、そこに神様が宿ります。」

と、他にも榊のことを色々お話をさせていただいた。

おばあ様は
「今日たまたまこちらに立ち寄ったけど、神様にお祓いをしていただいた気分になった。」
と話してくださった。
そして続ける。
「お榊を購入してそんなことを今まで言われることは一度もなかった。今日ここに来たことは何かのご縁。」

「本当にありがとうございます。」と

我々の仕事ってなんだろうか。
花を売るってなんだろうか。

私は背筋を正される思いだった。

ありがとうございます。

Threadsより

こちらを投稿すると、たくさんの方に共感をしていただいた。
Threadsを初めてから、ここまでの反応はなかったので、嬉しさと驚きで変な気持ちだった。

この反応をきっかけに、改めておばあ様が来店されたその日のことを振り返ってみた。

するともうひとつ自分の中で、花屋を始めた当時のとある記憶が蘇ってきた。
その記憶を文字として残しておきたいと思い、今こうして急遽記事を書いている。

私が花屋を初めて2.3ヶ月ほど経った時だろうか、
その当時もご年配の女性の方が来店され接客をしていた。

「いらっしゃいませ」

ご来店されたご年配の女性の方に挨拶をした。

「⚪︎⚪︎の花はありますか」と尋ねられた。

私は冷蔵庫の前にご案内し、
「こちらにあります。」
と、そのお花を指差した。

するとご年配の女性の方に、
「それはカーネーションでしょう!」
(間違いなくちゃんと聞かれた花でした)
と怒り気味で言われた。

「いえ、カーネーションはこちらですよ」
と、間違えたのかな?と思いカーネーションを指差した。

すると、
「それは薔薇でしょう!」
とさらに怒りを露わにした。
そして続ける
そんなこともわからないのか!男はあっちに行け!向こうの女性店員を呼べ!」と
私は怒鳴られたのだ。

そう、若い男性の店員が花のことを知ってるわけがない、といった思い込みからか、嫌がらせを受けたのだ。

私は何が起きたんだ?!
と驚きと悔しさで混乱する中、女性のスタッフと接客を変わった。

その後もお客様は女性の方に、なぜ男性店員が接客をしてるんだといろいろと話していたようだ。

今では問題になりそうな話ではあるが、
当時は花屋の店頭に、若い男性のイメージは少なく、年配の女性からしたら、『男性に接客される程、私は花の事を知らなくない。』とでも言いたかったようだ。

私は
【男性の花屋店員ってやっぱりおかしいんだ。】
と、思ったあの当時の辛い記憶が、今回のお榊の話を振り返りつつ蘇ってきた。

でも今回のおばあ様の場合はどうだっただろうか。
今では、男性スタッフが働いている花屋さんはよく見かけるし、普通となっているが。

こんな感謝される事は、私は驚きだった。

当時、花屋として認めてもらえなかった自分が、今回のおばあ様の言葉をきっかけに

『花屋として認められた』と、思ったのだ。

すごく変な気分だったし、まさか当時のことを思い出すと思ってもいなかった。
おばあ様に「神様にお祓いされた気分」と言って頂いたが、むしろお祓いをされたのは私自身だった。

なんだかやっと花屋のスタートに立てた気がして、この嬉しさを形に残そうと今こうして記事にしている。
たくさんの方に共感してもらった
今回の『お榊のお話』

当時の悔しさと、今回の喜びを噛み締めて、
花屋という仕事』をもう一度考え直すきっかけとしたい。


最後までお読みいただきありがとうございました。
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