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花屋歴20年 アーティストとして花の作品を作り続けてきた僕が、丹精込めて作られた一輪の花の魅力に気づいた経緯。(後編)

前編では「花を買う基準」について、触れてきた。後編で、タイトルにある【一輪の花の魅力について】惹かれていった経緯を伝えさせて欲しい。

言うまでもないが、たくさんの農家さんや産地を知ってきたことも事実である。

そしてもうひとつが
一輪で買うことは『価格が安い』からだ。

この『価格が安い』と聞いて皆さんはどんなイメージを思い浮かべるだろうか。
品質が良くない。選べない。花持ちが悪い。
などプラスよりもマイナスなイメージの方が多いのではないか。
私が伝えたい『安い』は皆さんが思ってる安さとは違い。
そのモノの価値を知った時に安く感じること。

もちろん買ってみないとその良さはわからないが。
では、こだわって仕入れをしている店員と、その花の魅力について話してくれる店員がその場に居たら…
少なからずともマイナスのイメージにはならないはずである。

花を買う時、皆さんはどんなことを考えながら購入しているのだろうか。

たくさんの花を買わなければならない。
出来上がった花束やアレンジメントを買わなければならない。
パッケージされてるものがお得。
自身で組み合わせるセンスがないから出来上がったものを買う。

いかがだろうか。

どれも二本以上購入することが前提にあり、当初の予算よりオーバーになってしまってはいないだろうか。
一輪で買う勇気があれば、上記のある程度の問題は解決するはずだ。

実際、一輪で購入することについて抵抗のある方はどのくらいいるだろうか。
花を沢山作り続けてきた僕が、店頭の販売店員に戻った時、『二本以上買わなければならない』
と思っているお客様を非常に多く感じた。

花は一輪で購入できないモノだと思ってる人も少なからずいることには衝撃的だった。

実際は購入できるのだが、花を買う時のイメージが拭いきれず二本以上購入してしまうお客様が、結果『花は高いモノ』と違った認識になってしまったのではないだろうか。
もちろんそれ以外の要因もあるだろう。
(※もちろん一輪で買う方も沢山います。)

しかし実際は一輪から購入が可能である。
お客様に「お花は高いよね」と言われてきて思うのは…
なぜ一輪で購入しないのだろうか、
一輪で飾るだけでも十分なのに。と、
言われるたびに思ってきた。いや今でもその場面に遭遇し思っている。


しかし私自身も上記のように店員になり、作り手から売り手に変わって、自分自身で仕入れを多くするようになった今、だからこそ気づいたことも事実である。

では、一輪で買うことについて抵抗を持ってる方にどうアプローチをしたら良いのだろうか。

もちろん私自身も花についてもっと深く理解しないといけないし、お客様にも理解してもらわないといけない。
どんな所で、どんな環境で育ってるのだろうか。
どんな思いで、このお花が出荷されてるのだろうか。
お花ひとつひとつが持つストーリーを知り、それを伝えられなければアプローチすらできない。

そこで私は、手始めに産地の記載と農家さんの記載など、小さな情報をポップに書いていった。
そしてだんだんと、その花が旬なのかなんなのか。何が魅力なのかなど、説明を追加していった。
しかし伝えるより先に、一輪の花の魅力に惹かれるのは自分自身だった。

調べることが日常となり、スタッフに話すことが習慣化となり、今ではスタッフに花のうんちくすごいですよね!と言われる始末…(ウザガラレテル)
あるスタッフからはSNSにアップすればいいのにと言われるほど。(ある意味伝わってる?)

きっとここからだろう。
一輪の花の魅力に取り憑かれている自分が誕生したのは。

お客様に花の良さとストーリーを知ってもらって花の魅力をもっと感じてほしい。
お客様に一輪からでも楽しんでもらいたい。

その思いが引き金となり、長年花を作り続けてきた私が、店頭販売員に戻ったからこそ、今気づけた花の更なる価値とその魅力がそこにはある。

そして、スタッフにふと言われた一言で、今こうして発信を始めている。


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