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CycheoutsG feat DIE-SUCK『LIVE@MURDER CHANNEL VOL.29』

今年3月2日に渋谷Circusで開催されたMURDER CHANNEL VOL.29で披露されたCycheoutsG feat DIE-SUCKのライブを完全収録したCDの発売が決定した。

サイケアウツ時代に数々の伝説的なライブを繰り広げていた大橋アキラ(サイケアウツG)とDIE-SUCKが20年以上の時を経て再び共演するというのは奇跡的なことであった。この共演ライブを打診して実現させるまでには数年掛かったが、実際に行われたライブは自分が想像していた何十倍も素晴らしく、彼等の圧倒的なオリジナリティと信念のぶつかり合いによって生まれる音を浴びて、サイケアウツという伝説をリアルタイムで体験できなかった自分のコンプレックスは粉砕された。当日、来場してくださったお客様や出演者からもCycheoutsG feat DIE-SUCKのライブは大絶賛され、XやInstagramにてライブの模様や感想が拡散された。

当日録音された音源はクリアにライブを全て収めることに成功し、ライブの空気感や緊張感をも閉じ込められていたので作品化することにした。正直、こんなに素晴らしいライブアルバムが生まれるとはまったく想像していなかったのだが、このライブ音源を聴くと作品化されるのが最初から決まっていたような運命的なものを感じる。

前半はサイケアウツG(CycheoutsG)のソロパートとなっており、某有名バンドをサンプリングした新曲「Feeling 23」から始まる。サイケアウツGは純正インダストリアルやパワーエレクトロニクスなどの非ダンスミュージックを解体し、そこから抽出した歪みをハウスとミックスするという技法を推し進めてるが、この前半パートにはサイケアウツGが追求するインダストリアル〜ノイズ〜ハウスの混合トラックの最新形態を体験できる。ライブでしかプレイされないエディットやマッシュアップが聴けるのも今作の貴重な部分だ。

(ノイズは)一般的な楽器と同じような役割です。最初に手にしたのが、ピアノやギターではなく、ノイズと言われる様なものだったわけで、扱い慣れているし、単純に好みの音だから良く使用しています。というわけで、その様な音を使って、ダンスミュージックを作っているだけなので、何かしらの思想的な部分は無いです。「何かしら」が有るとすれば、そこから聴こえてくるものが、その「何かしら」です。(大橋アキラ/サイケアウツG)

サイケアウツG 特集PT.2

中盤からDIE-SUCKが参入していき、サイケアウツG印のアーメン・ブレイクが叩き込まれるドラムンベース~ジャングルへと突入。デスボイス~グロウル~スクリームを使い分けながらサイケアウツGのトラックに食らいついていくスリリングな展開にリスナーはきっと興奮するだろう。ジャングル/ドラムンベースとグラインドコアの融合、といえば分かりやすいかもしれないが、もっと深いところで両者が持つ音楽的ルーツが共鳴した結果、新たなエクストリーム・ミュージックが誕生している。
そして、ラストは剥き出しのインダストリアル・ノイズとボーカルだけになり、一歩も動けなくなるような張り詰めた緊張感が広がるインプロビゼーションになだれ込む。

サイケアウツGになってもボーカルとかダンサーとか無くなっただけで、基本やってはることは全く変わってはらへんゆうか、ぶれる余地ないなあと思ってます。サイケアウツでボーカルやってたんはむちゃくちゃやり易かったですよ。なんせ、あれだけちゃんとしたリズム、曲が既にあるとこっちはその上に声乗っけて自由に遊ぶだけなんですから。

“GHz Interview39” DIE-SUCK

CDのジャケットには前作『Do what thou wilt shall be the whole of the dharma』に続いて、Mountain Graphicsが大橋アキラ氏からのコンセプトをもとに描き下ろしたイラストを使用。CD/TシャツのデザインはサイケアウツGを深く理解してくれているKetchupartsが担当してくれた。さらに、当日ライブを体験してくれた持田保氏によるライナーノーツも収録しており、素晴らしい文章を今作に贈ってくれている。

このライブアルバムはCDのみでデジタル販売は行われない。是非CDを手に取って体感して欲しい。
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