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サンガスタジアム by KYOCERAのこけら落とし試合を観て、関西サッカー界の20年を思う

私はかつて関西に住んでいました。2000年代初頭です。
その頃は、関東に比べると関西のサッカー熱は弱く、関西と言えば野球、特に阪神タイガースというような感じでした。あくまで印象ですけど。


風向きが変わったな、と思うのはガンバ大阪が優勝した2005年頃からでしょうか。2002年日韓W杯で一瞬サッカー人気が沸騰したものの、翌年になると少しトーンダウン。

サッカー熱が冷めかけたところで、ガンバ大阪がリーグ優勝しました。
セレッソ大阪も優勝争いをし、カップ戦を制するなど活躍。

ここ最近は、ヴィッセル神戸が勢いに乗っています。VIPと呼ばれたビジャ選手、イニエスタ選手、ポドルスキ選手だけでなく、他の選手補強も豪華です。今年に入って、新国立競技場で行われた天皇杯を制し、初優勝しました。ゼロックススーパーカップも激闘を制しました。

関西のクラブは、各々個性を持ちつつ、サッカー界を盛り上げています。

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あれ?もう1クラブ、Jリーグで戦っているクラブが関西にはありますよね?


京都サンガF.C.です。三浦知良選手や朴智星選手、松井大輔選手が所属し、天皇杯を制したこともあるクラブ。ここ最近はJ2生活が長くなってしまいました。

しかし、今年最もホットなクラブになるのは、京都サンガF.C.になるかもしれません。

新スタジアムができたからです。その名も「サンガスタジアム by KYOCERA」。

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先日こけら落としとしてプレシーズンマッチが行われました。
相手はセレッソ大阪。しばらくリーグ戦では観られていない対決です。


前評判としては、立地もよく、専用スタジアムとしてコンパクトながらかなり見やすいというかなりの好評価。期待しかありません。


FJまりこが見た、サンガスタジアムbyKYOCERAでのこけら落とし。
4つのポイントから見ていきます。

まずはアクセス。

①アクセスは、まさかのポイントダウン?

亀岡駅は京都駅からJRで20分。駅からスタジアムまでは徒歩3分
今までホームとして使用していた、西京極総合運動公園陸上競技場は、京都の繁華街、河原町から阪急電鉄でわずか7分。駅からも10分以内で着く便利さでした。

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新スタジアム、まさかのアクセスは減点?ですが、京都駅からアクセスできるという点では、アウェーサポーターにとってはありがたいかもしれません。


新幹線で来た場合、JRから他社線に乗り換えずに目指せます。

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しかも、亀岡へ向かう嵯峨野線のカラーは紫色なので、なんとなく京都サンガF.C.の公式電車感があってよいです。サッカークラスタとして、見逃せないポイント。

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窓から見える保津川もテンションが上がります。京都駅から約20分足らずで、大自然。

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帰り道、アウェー側に座っていたので、電車に乗るまで少し時間がかかりましたが、列がずっと止まったままではなく、じりじりとは進んでいたのでまだマシでした。

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別の席で見ていたホーム側の友人たちはスムーズに出られたらしいです。座る席によって、スタジアム脱出のストレス指数は違いそう。

臨時電車も出ていたので、駅に着いたらスムーズに亀岡を脱出することができました。


欲を言えば、西京極のあの立地にこのスタジアムができていたら完璧だったのに。


が、文句は言ってはいけません。それを補って余りある素晴らしいスタジアムだったのです!

②スタジアムは天気も含めて、まるでプレミアリーグ


天気はたまたまでしたが、晴れ間と、雪と曇りが入れかわり立ちかわり、目まぐるしく空が変わる様子はまるでプレミアリーグのようでした。

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コンパクトさで言うならば、プレミアリーグというよりチャンピオンシップかな。

ピッチの近さからくる臨場感、音の抜け方、見やすさをしっかり担保する傾斜。何をとっても完璧です。

吹田スタジアムもいい感じでそれに似ていますが、コンコースの混雑があまりなかった点は吹田を上回っていたかもしれません。

お手洗いも混雑をできるだけ防ぐ設計になっていたのでしょうか?あまり混まずに入ることができました。

メインスタンドだったからか、開門30分後くらいの到着となりましたが、入る時も全く列なくスムーズに入ることができました。

バックスタンドの自由席は、入場まで少し時間がかかっていたようですが、そのあたりのオペレーションは、試合を重ねるごとに改善していくものでしょう。

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また一つ、日本に素晴らしいスタジアムが誕生しました。

(完全に余談ですが、ビジョンも美しかったです。これまた欲を言えば、京都サンガF.C.伝統のドット絵ビジョンがあれば完璧でした)。

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③スタジアムグルメ+α


スタジアムグルメは途中で寄り道をしたのと、ライブを見たのと、あまりの寒さで地ビールを変えなかったので楽しめませんでした。

でも、フルーツサンドは買いました。イケメン店員さんが接客してくれたので買わないわけにはいきません。イケメンは正義。


さすが、八百屋さんだけあってフルーツが本当においしい!店舗にも行ってみたいと思える満足度でした。

ダイワのフルーツサンド。私が買ったのは感謝。名前も素敵です。

今後も出店してほしいです。リーグ戦の時はどんなスタグルのラインナップになるのでしょうか。気になります。

他にも寒さを防げる屋内のフードコートがあったり、ボルダリングの施設があったり、大河ドラマ「麒麟がくる」の記念館があったり、とスタジアムの外も大充実。

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かなり早く着いても楽しめるのでは?と思いました。

大河ドラマの記念館はおそらく、放送が終わるとなくなると思うので、その後は何ができるのかも気になるところです。

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大河ドラマ見ていたら、きっともっとテンションが上がったんだろうな。残念。

④番外編:夜の本気ダンスはSHISHAMO化するのか?


京都出身のバンドということで、夜の本気ダンスがこけら落としライブを行いました。愛称は夜ダン

名前が似ている昨年大ブレイクしたOfficial髭男dism略して、髭ダンに比べると一般知名度は低いかもしれませんが、フェス界隈では大人気。私もとあるフェスでチラ見したことがあり、一度しっかり観てみたいと思っていたところでした。


こけら落としのイベントとして、夜の本気ダンスのライブ。
メインスタンドで2500円。試合も観れて、ライブも観れてお買い得
私たちの数列前にいた女性3人組は、夜の本気ダンスのタオルを持っており、明らかに彼らのファンでした。


彼女たちにとっても、格安でこんなに近くで20分程度とはいえ、ライブを観れるというのはお得だったんじゃないでしょうか?


試合が終わる少し前に席を立っていたので、混雑に巻き込まれることなく帰れたはずです。サッカーもいいものだと思ってくれて、あわよくばJリーグにも足を運んでくれるといいな、と思いました。

音楽×Jリーグといえば、SHISHAMOと川崎フロンターレがまず頭に浮かびます。

彼女らは元々川崎サポな感じですが、夜の本気ダンスも京都サンガF.C.とコラボしていき、お互いのファンが行き来するような関係性になれば面白いです。

日韓W杯の前は、ガンバ大阪、セレッソ大阪、ヴィッセル神戸、京都サンガF.C、関西の主要クラブ全てが陸上トラックのある、少しがっかりなスタジアムをホームスタジアムとしていました。


しかし、日韓W杯の前、2001年に神戸ウイングスタジアム(現ノエビアスタジアム)が改築。国内でも有数の観辛さだった(私調べ)ガンバ大阪のホームスタジアム、万博記念競技場は、2016年にサッカー専用の吹田スタジアムへと変貌。

長居スタジアムは専用ではないものの、隣接の長居球技場は専用スタジアム。若干収容人数が少ないディスアドバンテージはあるものの、改修を繰り返し、来年の3月には2万5千人規模のサッカー専用スタジアムに生まれ変わります。


関西のサッカー熱と比例するように、サッカーを観る環境もよくなっています。

もはや関東のクラブよりも、スタジアムに関しては、関西の方が一歩リードしているかもしれません。

関西に住んでいた頃の私に、今の関西のスタジアムの状況、サッカー界の盛り上がりを伝えても絶対に信じないと思います。


約20年というのは、劇的に環境を変えるのに十分な年月なんだな、というのを改めて実感した、プレシーズンマッチでした。


今年は関西エリアが、日本のサッカーを面白くするかもしれません!!

本編は以上です。

おまけは、東京からサンガスタジアム by KYOCERAへ行くときのモデルプランとしてスタジアムに行くまで、行ったあとを紹介します!

おすすめの京都グルメのお店も2軒書いています。リーグ戦はもちろん、3月にはU-23の日本代表戦もあるので、ぜひ参考にしてください。

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