弾丸トラベラーの夏季休暇旅 ―にわかリゾーターから日本代表ガチサポへの華麗なる転身ー
サポーターってお金もらって遠征行っているんでしょう?
そんなバカな!とツッコんだあなた。私と同じ意見です。
ホームの試合はもちろん、アウェーの試合に、全国を飛び回るのがサポーター。
北へ南へと毎週末忙しそうです。
私自身は、どこのチームのサポーターでもないので、基本的には住んでいる関東圏内の試合を中心に、手当たり次第に観に行きます。
そういった意味では、時間やお金の面で大変でもなく、旅の醍醐味を味わえるわけでもありせん。
でも、日本代表の試合は結構観に行っています。
今年は、アジア杯でUAEへ(2回も!)、U-20のW杯でポーランドへ行きました。
コパ・アメリカや女子W杯に行けなかったのが、心残り。
そういった意味では、割とガチな日本代表サポーターと言えるのかもしれません。
Jリーグの各チームであれ、日本代表のサポーターであれ、有給休暇をやりくりしながら、節約生活を送りながら、時間とお金を捻出しています。
ただ、お金はともかく、時間。有給休暇は自分のさじ加減だけではどうにもならない事があります。
「この打合せだけは、自分が出なくてはならない」
「プレゼンの日時が、どうしてもずらすことができない」
そうすると、どうしても弾丸遠征やエクストリーム出社をせざるを得なくなります。
そういう風に、いつもは仕事のスケジュールと格闘しつつ、週末を中心に弾丸で旅に出ているのですが、今回は珍しく4泊できました。
なぜなら、夏季休暇を取ったからです。
そのため、試合が行われる都市だけでなく、別の都市にも行くこともできました。
夏休み最高!
私の所属している会社では、6月から9月の間に好きなタイミングで3日連続(推奨は5日連続)の休暇を取ることができます。
昨年は、ロシアW杯に行くために取得しました。
ほぼサッカーを観るために使っている夏季休暇。
今回は、2022年W杯アジア2次予選。ミャンマーのアウェーで使うことにしたのです。
試合が開催されるミャンマーと、もう1カ所、タイに行ってきました。
なぜタイに行ったのでしょうか?
今回はリゾーターの友人と一緒の旅だったからです。
※リゾーターとは?
リゾート地を満喫する旅人のこと。紫外線をもろともせず、ビーチアクティビティを中心に楽しむ人々。明確な定義はないので、私なりに定義しています。
私は、旅が大好きですが、リゾート地にはあまり行きません。
リゾート地ではあまりサッカーを観ることができないし、とても日焼けしやすい体質なので、長時間紫外線を浴びることにもかなり抵抗があります。
妙齢の女性にとって、紫外線はお肌の敵です。
でも、せっかくの夏休み。
普段やらないことをやってみるのもいいかな、と思いました。
思い返せば、前回リゾートに行ったのも、サッカー絡みでした。
2015年にオーストラリアで開催されたアジア杯。
当時、会社を辞めていたので、約2週間。グループリーグの最終戦から、決勝まで。かなり余裕のある日程で旅に出ていました。
ここでまさかのハプニング!!!
日本代表が決勝トーナメント1回戦、準々決勝でUAEにPK戦で負けたのです。
前回大会は優勝したのに……。
想定外だったものの、サッカーでできた心の傷を、リゾートとお買い物が癒してくれました。
グレートバリアリーフの青い海。人間を怖がらずに近寄ってくる色とりどりの魚たち。
日本で買うと超絶高い、UGGのムートンブーツを激安でゲット!(ちょうど日本代表の選手たちが同じタイミングで買い物に来ていて遭遇しました。ラッキー!)
リゾートには、サッカーがないから興味がないと数行前で書いたはずなのに……。
全力で楽しんでました!
話が4年前に飛びましたが、気を取直して本題へ。
今回の旅の振り返りを3つのキーワードで振り返ってみましょう。
【にわかリゾーター】
普段は仕事が終わってすぐに飛行機に飛び乗るのですが、今回は時間があるので、日中の時間を贅沢に使って移動しました。
9月7日。試合の3日前。
成田空港で、ミャンマーに取材に出かける写真家・ノンフィクションライターでありOWL magazineでも連載している宇都宮徹壱さんに遭遇!
事前取材もあるので、早めの出発なのでしょう。
私たちは、バンコクからサムイ島に向かったのですが、宇都宮さんはバンコクから決戦の地、ミャンマーに向かっていきました。
日本代表が前日に移動していたのと同じ時間、同じルート。
私たちは、サポーターになる前に、まずはリゾーターに変身です。
結構筋金入りのサポーターですが、リゾーターとしては完全ににわか。
夜サムイ島に着いて、ホテルにチェックイン。
オーシャンビューの部屋を取っていたので、窓の外はすぐビーチ。
部屋にいても、潮騒が聞こえます。
普段、あまり海に親近感を持っていなくてもかなりよい気分です。
テンションが上がります。
非日常。
夏休みを取っているんだな、と実感します。
移動疲れの身体を休めて、翌朝はショートトリップに出発です。
ツアーに参加して、タオ島とナンユアン島という2つの島へ行きました。
サムイ島も綺麗な海が広がるリゾートですが、タオ島は、世界の旅行者が選ぶアジアのベストアイランドで何度も1位になっている島です。
日本人の旅行者だけでなく、中国、欧米からの旅行者もいていろんな言葉が飛び交っています。グローバル。サムイ島からフェリーで約2時間で、美しい海に着きます。便利なところも、ランキング上位になる理由なのでしょう。
まずはタオ島でシュノーケリングを楽しみます。
マリンシューズを履いているリゾーターの友人は軽やかにシュノーケリングしていましたが、私はストラップつきのビーチサンダル。何度も脱げそうになりながら必死に潜りました。
そして、慣れていないがために、時折口や耳に入ってくる海水。五感で楽しまなくてもいいのに、容赦なく初心者リゾーターを襲います。しょっぱい、とにかくしょっぱいです。
それでも、綺麗な海や生き物たちが癒して、楽しませてくれます。
にわかだからって追い出したりしない、リゾーターの世界。
ナンユアン島では、綺麗な景色を見るために小高い山にも登りました。
登って、写真を撮って、降りて約45分。
軽く汗ばんだ身体で、海に潜ると海の温度が心地よく身体に染み渡りました。
ここでも、軽くシュノーケリングを楽しんで、サムイ島へ帰還。
近くにあったマッサージに立ち寄ると、これが大正解。
60分、300バーツと格安のタイマッサージだったのに、力加減が絶妙で、平日溜まった疲れが一気に吹き飛びました。
さすが、タイ。微笑みの国。
綺麗な海でメンタルを癒し、マッサージでフィジカルを癒します。
心身ともにニンマリ。最高の夏休みです。
【台風】
リゾートをめいっぱい楽しんでいるところに、日本から不穏な情報が届きました。台風の上陸です。
洗濯物を一部、干しっぱなしにしてきたことを思い出しました。帰ったらなくなっているかもしれません。
干しっぱなしになっていたのは、タオルと靴下。
屋下えまさんの記事のようです。
(帰国直後にベランダをチェックしたら、ちゃんとありました、タオルと靴下。旅に出る時は干しっぱなしNGですね。)
翌日に移動するサポーター仲間たちの悲惨な情報が、が次々と入ってきます。
成田空港にたどり着かずにヒッチハイク、クルーがたどり着かず便が欠航になった、成田空港で夜を明かす結果になった、などなど。
今回は夏休みを取っていたので余裕のある日程でしたが、いつもは最小限の休みで、決戦の地へ向かいます。
台風で足止めされたサポーター仲間たちのことが、とても他人事とは思えません。
結局サポーター仲間たちは、経由便から直行便に振り替えてもらったり、羽田空港発の経由便に乗ったりと交渉を重ねたうえで自分たちの移動手段を確保。
なんとかしてミャンマーへたどり着いていました。
台風の影響を受けた友人たちの中で、一番遅くても、キックオフ少し後の到着。さすが歴戦をくぐり抜けてきた勇者たちです。
私たちもリゾートを経て、ミャンマーへ。
サムイ島からバンコク経由で到着しました。
【サポーター】
空港へ降り立つと、ロンジーという丈の長い巻きスカートのような民族衣装を着た人々がたくさんいました。
初めてのミャンマー・ヤンゴン。
民族衣装の話は聞いたことがあるものの、こんなにたくさんの人が身につけているとは思いませんでした。新鮮。
せっかくならロンジーが欲しい、ロンジーを着て応援しよう!!
ホテルにたどり着いて一息つくと、ロンジーを探しに出かけました。
思い思いのロンジーを選んで購入。
値段は800円くらい。
安い!!
ロンジー探しで散策した街並みは、古き良き東南アジア。
急激に変化を遂げている他の東南アジアの街ではもう見られなくなった風景が、ヤンゴンには残っていました。
きっとalways三丁目の夕日で見たような世界、かつての日本もこんな風景だったんだろうな、と思います。
飛行機に乗って旅に出ただけなのに、まるでタイムマシンに乗ったかのようです。
ヤンゴンいいな。
帰りの空港に向かう途中のタクシーの車窓から市場の風景も見たのですが、買い物カゴを持ってさまざまな生鮮食品を手に取るお母さんの姿がありました。
ロンジーを着て、ご飯を食べていると、ギリギリもっていた空から大量の雨が降り始めました。
先にヤンゴン入りしていたサポーターから、ものすごい雨が連日降っているという話を聞いていました。
タイのサムイ島では、スコールレベルの短時間の雨は降ったものの、ここまでの雨は降らなかったです。
スタジアムの中の通路も完全に冠水していました。
試合への一抹の不安。
「雨の中、ずぶ濡れになって試合を観なければならないのか?」
その心配は杞憂に終わり、屋根の下で観ることができました。よかったです。
カンボジア在住で滅多に会えなくなった友人とも一緒に試合を観ることができました。
試合も乱入者がいたものの、ラフプレーによるけが人も出ず、失点もせず、完勝(ちょっとベルマーレサポとして知られる河野防衛大臣を意識)。
欲を言えば、もっと点数が欲しかったところですが、入り方が難しい初戦にしては上出来だったと思います。
試合後は、翌朝ヤンゴンを出てしまうので、観光をしました。
向かった先は、シュエダゴン・パゴダ。
サポーターで混雑したスタジアムの周りを急ぎ足で抜けてなんとかタクシーを捕まえて、滑り込みました。
夜のパゴダは幻想的。
たまに、スーパー玉出みたいな、地方のパチンコ屋さんみたいなネオンを背負っている仏像があるのもご愛嬌。
生まれた曜日によって異なるミャンマーの「八曜日」に合わせた神様が、各方角に祀られているので、自分の生まれた曜日をチェックしていくのはマストです(水曜日生まれの人は午前か、午後も調べる必要あり)。
ちなみに、私は月曜日生まれ。
ほぼ24時間滞在の間に、ロンジーを着て、ミャンマー料理を食べて、試合を見て、ヤンゴンのマスト観光スポットも楽しんで、大満喫しました。
今回の旅は、リゾーターからサポーターへ。華麗なる転身。
次は、どこに行って何をしましょう。
2022年W杯に向けての日本代表の戦い。できる限り現地で見届けたいと思っています。
以上が本編です。
ミャンマー滞在24時間以内でしたが、料理もしっかり堪能してきました。
ミャンマー料理ってどんなもの?おまけでは、ミャンマーグルメについて書きます。
世界のグルメを食べ歩く、FJまりこが書く、グルメ記事。
気になりませんか?気になってきましたよね?ぜひ、気になって欲しいです!!
ぜひご購読をよろしくお願い致します。
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サポーターはあくまでも応援者であり、言ってしまえばサッカー界の脇役といえます。しかしながら、スポーツツーリズムという文脈においては、サポー…
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