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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論331」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第3号(2002.11.25発行)「温泉・温浴」5~※名称等は当時、一部文章省略

温泉・温浴施設の種類

2.準天然温泉

準天然温泉とは、天然温泉地で採取される石を浴槽に貼り付けたり、そうした石の要素が溶け出す特別な循環機械を用いて人工的に天然温泉と同様の泉質を再現するものを指す。

トロン温泉、ヘルストン温泉、トゴール温泉、ラジウム温泉、ラドン温泉など「温泉」という名称が付けられている場合も多いが、正確には準天然温泉に分類される。

それぞれの泉質の再現に使われる石や薬品などが厚生省で認可を得ていれば、「準天然温泉」としてその効能をうたうことができることになる。

例えば、トロン温泉は世界一の名湯と言われるバーデンバーデンの泉質をトロン浴素と呼ばれるもので再現したものであり、トゴール温泉は新潟県栃尾又温泉郷一体で採取されるトゴール石を使って再現したものであり、効能もそれぞれの源泉と同様の内容でうたうことができる。

余談ではあるが、前述の温泉法では「温泉」としての定義は定められているものの、「温泉」という名称の利用に関する規定がなく、準天然温泉でもお風呂や施設の名称に「温泉」が使われている場合が多くなっているようである。

クラブで準天然温泉を利用している例としては、セントラルフィットネスクラブ六甲道の「トゴール温泉」、フィットネスクラブエイブル広島の「ヘルストン温泉」、NASルネサンスリバーシティ21の北海道二股温泉の湯の華結晶を溶解抽出する「炭酸カルシウム温泉」などがある。

~ここまで~

準天然温泉については、天然温泉に比べて導入のハードルが低かったため、この20年で大型総合クラブが積極的に設置し、それなりに増えていったと言えます。

また、記事にある通り、当時は天然温泉と準天然温泉を表記上、明確に区別する必要がなかったことで、単純に「温泉があるフィットネスクラブ」として売り出し、イメージアップを図れたことも大きかったと思われます。

現在は、公正取引委員会の注意喚起などによりチラシ等でも「準天然温泉」と表記することになっておりますので、「天然温泉」と比較すると若干、本物感が損なわれる印象はぬぐえません。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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