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1月30日(火):書籍「メンタル脳」①

先般は出版されたばかりの書籍「メンタル脳」を手に取ってみたので、本日はこれに関する話を少しばかり。

著者のアンデシュ・ハンセン氏は「スマホ脳」や「運動脳」を著書に持つ精神科医で、これらを手に取ったことのある方も少なくないでしょう。

今回の「メンタル脳」は以前に同氏が出版していた「ストレス脳」をティーンエイジャーの中高生向けに書き上げたものです。

原本になっている「ストレス脳」は「これほど快適な暮らしができるようになったのに、なぜ精神状態を悪くしている人が多いのだろう」という精神科医としての問いから、脳や心のメカニズム、人間の心身がどのように機能するのか、それらを丹念に調べて書かれた内容になっています。

これを改めてティーンエイジャー向けに出版することになった背景として、前書きでは「世界的にも今、10代のメンタルは『かつてないほど悪い』と言われて」いる旨が記されていました。

著者の母国であるスウェーデンは教育水準も高く、福祉も充実し、幸福度も相対的に高いため不安が少ないようなイメージを抱いていましたが、それでも「スウェーデンではここ20年、不眠で受診する10代の若者が10倍に増えています」と現状への危機感が示されています。

そこには身体を動かす機会が減ってきたことや食事の変化といったライフスタイルの変遷、さらにはスマホやSNSの存在も色濃く関係しているようですね。

よくいうように10代は多感な時期であって、ただでさえ自分の外見や内面、そしていろいろな葛藤があって様々な感情を抱く時期でもあります。

だから感情がどのようにして生まれるのか、感情はどのような働きをしているのか、その時に脳はどのように作用しているのか、身体と心との結びつきはどうなっているのか、といったことを知っておく意義は大きいでしょう。

同書の目次は以下のようになっています。

・第1章:なぜ私たちは生きているのか

・第2章:なぜ感情があるのか

・第3章:なぜ不安を感じるのか

・第4章:なぜ記憶に苦しめられるのか

・第5章:なぜ引きこもりたくなるのか

・第6章:なぜ運動でメンタルが強化できるのか

・第7章:なぜ孤独とSNSがメンタルを下げるのか

・第8章:なぜ「遺伝子がすべて」ではないのか

・第9章:なぜ「幸せ」を追い求めてはいけないのか

ティーンエイジャー向けの書籍なので、これらの「なぜ」について平易な言葉で説明がなされているので、その年代の子どもを持つ親御さんは、これを手渡してあげるのも良いかもしれません。

また、そこまで掘り下げた専門的なワードが並ぶわけでもないので、大人の方でも先のテーマに興味があったり、「ストレス脳」を未読でその内容をざっと把握したい方にも最適です。

明日も関連の話をつづけます。

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