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11月16日(木):究極のユーザー視点による民主的なプライシング

「ドン・キホーテ」を運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスで新たに始まるレビューサービスが非常に面白いので、本日はそれに関することを少しばかり。

この新サービスは「マジボイス」と呼ばれるもので、電子マネー「majica(マジカ)」アプリに評価サービスを組み込み、約1,300万人のマジカ会員が評価をします。

評価の対象となるのは「ド」でお馴染み「情熱価格」のPB商品やメーカー製品の5万品目と総合スーパーを含めた店舗で、毎月の高評価と低評価の上位100品目をランキング形式で公表する仕組みになっています。

とりわけユニークだと思うのは高評価の中から20~30品目を選んで「マジ価格」と称して1割以上を値引きする点です。

ユーザーの支持が厚くなればなるほど、その商品がユーザーにとって買いやすい価格になるというのは、究極のユーザー視点のプライシングでしょう。

昨今はダイナミックプライシングも少しずつ広がってきましたが、その大半は供給量に制限があるモノやサービスが需要に応じて価格を上げ下げするものです。

具体的にはホテルの客室、航空サービス、スタジアムの座席、テーマパークの入場券など、これまでもレベニューマネジメントで価格の調整がなされていた類でしょう。

これらにおける価格の変動はマーケットの需要に応じた上下ではあっても、それがユーザーの意志と合致しているかといえばそうではなく、提供者側が利益を最大化するための観点で行う価格の変動です。

それに対して今回の「マジボイス」&「マジ価格」は、ユーザーの評価と支持にもとづく価格の変動(割引)だから、ユーザー視点による民主的なダイナミックプライシングと捉えることもできますね。

ユーザーによって生成・決定されるプライスとの観点でいえばコンシューマー・ジェネレイテッド・プライス(CGP)と表現することもできるのかもしれません。

これまでも購買者のデータを分析して価格に反映することは小売りをはじめとした様々な企業で行われてきたことですが、ユーザーの支持をオープンな形で可視化をしながら制度的に価格変動を行ってきた企業はなかったと思うので、その点が新しさであり画期的だと感じます。

マジボイスが稼働するのは11月下旬からということなので、どんな商品が支持を受けて、それがどういった形で価格に反映されていくのかをウォッチしていきたいと思います。

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