見出し画像

チームTRITON南伊勢ー知事と県民との円卓対話 全文書き起こし

令和6年1月17日(水) 13:50~15:20 ふれあいセンターなんとう(三重県南伊勢町)

出席者:
一見 勝之(三重県知事)
上村 久仁(南伊勢町長)
長谷川 琢也(一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン)
坂井 心(株式会社ライトハウス) 
岡 真也(三重外湾漁業協同組合)
中村 直登(清洋水産株式会社)
舌古 勇樹(株式会社南勢水産)
岸本 和真(有限会社丸久水産)
橋本 純(有限会社友栄水産)
司会:神田 和弘(三重県地域づくり推進課)


[司会]
ただいまから「知事と県民との円卓対話」を再開させていただきたいと思います。
司会をさせていただきます、三重県地域づくり推進課の神田といいます。よろしくお願いいたします。この対話は、知事が実際に現場の方でお邪魔をさせていただきまして、県民の皆様から直接お話を聞くことで、県政に生かしていくということを目的に開催をしております。
今日はチームTRITON南伊勢の関係者の皆さんにお集まりをいただきました。また、上村町長にも引き続きご参加をいただいております。
今回の対話につきましては、本来であれば8月に予定をしておったわけなんですけれども、台風が接近上陸したこともありまして、やむを得ず延期という形にさせていただきました。関係者の皆さんには大変ご迷惑をおかけしました。申し訳ございませんでした。
今日は、皆さんが普段取り組まれているような、担い手育成の取り組みでありますとか、水産業の今後についてといったことにつきまして、しっかりとお話を聞かせていただければというふうに思っております。それでは対話に先立ちまして、知事の方からご挨拶のほどよろしく、改めてお願いできればと思います。

[知事]
この対話はみなさんからお話をお伺いして、三重県庁に戻ったときに仕事に活かしていきたいと思ってます。我々も皆さんのために何か役に立てたらいいなということで、今日はお話をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

[司会]
上村町長からも少しご挨拶いただければと思います。

[町長]
先ほども水産業に対しまして議論をさせていただきました。今日ここへ参加していただいてる現場の生の声を聞いていただく方がいいのかなと思いますので、しっかりと議論していただきたいなというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

[司会]
今日はいろんな業種の方にご参加をいただいているということで、まず最初に皆さんどういった方かという自己紹介をお願いできればと思いますので、長谷川さんの方からよろしくお願いいたします。

[長谷川]
みなさんこんにちは、初めましての方が多いと思うんですけれども、一般社団法人フィッシャーマン・ジャパンという、宮城県石巻市で漁師を中心とした海のことを守ったり、盛り上げる団体をやっております長谷川と申します。今日はこの後、司会をバトンタッチしてやらせていただきますのでよろしくお願いします。

[坂井]
こんにちは、株式会社ライトハウスの坂井心と申します。私どもはITを通じて水産業に関わる皆さんのお仕事が効率化できるように活動しているベンチャー企業になります。フィッシャーマン・ジャパンさんとは協業という形で、担い手育成などの事業に携わらせていただいております。本日はよろしくお願いいたします。

[岡]
みなさんこんにちは。三重外湾漁業協同組合の岡と申します。出身は南伊勢町の迫間浦で、高校出てからずっと30歳ぐらいまで東京に行って、東京からUターンで地元に帰ってきて、漁業系統の仕事を30歳からする中で、縁あって7,8年前に三重外湾漁協に就業させてもらってます。今は三重外湾漁協の経営企画課というところで、主に担い手対策とか新規事業の部分に携わらさせてもらってます。本日はよろしくお願いします。

[中村]
奈屋浦の清洋水産の中村と申します。清洋水産では主にまき網漁業を中心に、定置網・マグロ養殖を行っております。私の業務は、まき網船との連絡を取ったりですね、船の管理をしてますので、そういったことを中心にお話できたらと思ってます。よろしくお願いします。

[舌古]
皆さんこんにちは。株式会社南勢水産の舌古と申します。南伊勢町迫間浦で、マダイの養殖・販売・活魚運搬を中心に行っております。今日は、僕ちょっとこの場にはふさわしくないようなキャラなんですけども、何とか頑張って皆さんに食らいついて、自分を発信していきたいなと思っております。よろしくお願いします。

[岸本]
皆さんこんにちは。丸久水産の課長をしてます岸本和真です。僕自身は志摩市安乗の出身で、クロマグロの養殖を始めて10年になります。現在、うちでは6名の従業員で「みえまぐろ」というブランドでクロマグロの養殖を行っていて、出荷先は主に東京・名古屋・大阪方面になります。最近の取り組みはフィッシャーマン・ジャパンを通して担い手の確保・育成に取り組んでおります。今日はよろしくお願いします。

[橋本]
皆さんこんにちは。阿曽浦の友栄水産という会社で社長をさせていただいてます、橋本純です。友栄水産としてはマダイの養殖が基本的にはメインなんですけども、その他に漁業体験という観光漁業みたいな形の取り組みとか、あとゲストハウス、古民家や空き家になっている建物を利用して宿泊してもらうような、古民家のゲストハウスをやってみたり、あと昨年の7月からオープンしたんですけども、阿曽浦にはちょっとふさわしくないようなカフェを営業してたりとか、その建物の1階部分で鯛を使った加工食品を製造したりとかっていう取り組みをやってます。
もう一つ、担い手育成っていう形なんですけども、インターン制度って言って、日本だけではなくて世界中からインターン生を募ってます。行政の予算を出してもらってるんですけども、年間大体30人ぐらい男女問わず国内だけではなく、外国の方も含めて、僕のところで漁業を少し学んでいただくような取り組みをさせいただいてます。本日はよろしくお願いします。

[司会]
ありがとうございました。そういった面々で今日はお届けさせていただきたいと思いますが、今回、チームTRITON南伊勢の皆さんにお集まりいただいたということなんですけれども、なかなか私も初めて聞かせていただいたチームTRITON南伊勢なんですけど、皆さんはもしかしたらご存知かもしれないんですけども、まずこのチームTRITON南伊勢というのがどういう取り組みなのかとかいうことと、皆さんがどういった関わりをされているかというところについて少しお聞かせいただければと思いますので、そこは長谷川さんの方から、少しご説明をいただければと思います。



[長谷川]
先ほど町長のお話の中で、漁業のお話をしていただいたと思うんですが、我々の取り組みをご説明したいと思います。
細かいところは後ほど漁協の岡さんからもお話いただきますが、水産就業人口がかなり減ってきている。1970年に5000人以上いたのが今、600人台、最新の情報を後ほどお話しいただけるということで、どんどん減っているという状況です。これ全国も同じ状況ではあるんですけれども、我々、宮城県石巻市で東北の震災を乗り越えるために漁業者を増やしたりとか、ブランド化とかやっていますが、その事例を南伊勢に持ってきたいということで、南伊勢の役場の皆さんが今、稼げる産業の担い手づくり事業というのをつくってくださっています。
大きくは三つありまして、一つ目がですね先ほど皆さんも少しずつお話いただきましたけど、漁師になりたい人と、漁師の担い手を募集したい人を繋ぐお手伝いをフィッシャーマン・ジャパン中心にやらせていただいております。その際にいろいろな漁業の状況とかですね漁業者のお困り事なんかも一緒に聞かせていただいてましてフィッシャーマン・ジャパンから月の半分こちらに島本という女性の今日、そこら辺にいますけど、皆さん覚えていただいて、もし困ったことあったら全部彼女に言っていただければなというのでよろしくお願いします。
2番目がですねそういった活動を外に広げるということをやらせていただいていて、メディアの皆さんを呼んできたりとか、ホームページで告知したり、SNSみたいなのを使って南伊勢の担い手育成の業務を外に伝えるということもやらせていただております。
三つ目の後継者育成支援事業に関してはですね、こういった事業で漁師担い手を受けてくださる方に、国もいろいろやってるんですけれども、これかなり素晴らしい事業で、南伊勢町が独自にお金をつけて、研修生の人件費をつけるというようなこともやっているという、この3本柱でやらせていただいています。

2022年度に立ち上げて、2年目ですね、継続で2024年度もやらせていただく予定になっております。イメージとしてはこのような形(資料参考)で、就業希望者をインターネットとか、あと実際に就業フェアみたいなのをやって、そこでいろんなご要望を聞いて、それを三重県の漁協の皆さん、町の皆さん、漁師の皆さんと協力して体制を作って、みんなで受け入れていこうねということで、受け入れの対応をとらせていただいているという感じです。緑のところで漁師塾って書いてありますけど、これは県の方でも、南伊勢だけではなくいろんなところで漁師の育成のためのイベントをやってらっしゃいますがその名前を南伊勢でもお借りして、年に2~3回、短期間で外の人に来てもらって体験をしてもらうというようなこともやっているというような形になっております。

[司会]
長谷川さんありがとうございました。そういうことでチームTRITONプロジェクト、漁業の担い手育成を取り組んでいくというプロジェクトでございましたが、先ほどの町長との円卓対話の中でも話題に出たところでございましたが、まず前半ですねその担い手育成の取り組みについてということに絞りまして、意見交換の方していただけるんだと思っております。
ここからの意見交換の部分については、長谷川さんの方に進行いただけるというふうに聞いておりますので、これからマイクの方は長谷川さんの方にお渡ししたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

[長谷川]
引き続き長谷川がお話させていただきます。まずですね、先ほどのお話にもありましたが、この漁業者の推移などについて、岡さんから少しお話をいただければと思います。

[岡]
この表の通りなんです。もう20年で大体4割ぐらい。2000年で1708人が2020年で650人という中で、4割ぐらいになってしまっているという状況で、今後どれぐらい減るかなという思いを持って、うちの正組合員の年齢構成とかも見てみたんですけれども、正組合員の平均年齢が大体68歳。70代以上の方で約半分、60代20%、50代20%ということで、50代以上で90%以上という年齢構成でした。参考までに水揚げを見てみたんですけど、平成28年度は、外湾漁協全体で150億ぐらい水揚げあったが、昨年度は99億というところで水揚げもかなり減少しているなというところを感じました。

[長谷川]
後ほどそれぞれの皆さんからお話しますけど、稼げなくなってきてやっぱり就業者もなかなか低くなったりするというような状態でもあるということですよね。ちなみに漁協の皆さんもなり手がなかなか苦労されているような話もありましたけど、やっぱり漁業の売り上げと関連するお仕事につく人数の割合も比例している?

[岡]
まさにうち外湾漁業は市場を開設をして、その市場で上がった水揚げから何%か歩金をいただいて、運営しているところ。これが事業収入の柱でもあるんですけれども、当然その水揚げが下がればうちの事業収入の柱、水揚げ歩金が下がるというところで経営的には他の何かもやっていかなあかんなっていう状況にはあります。

[長谷川]
全国色々見させていただいてるんですけど、やっぱり盛り上がってるところだと、例えばわかりやすく北海道とかだと、未だにやっぱり稼げるので、漁師も盛り上がるので、後継者育成事業みたいのやらなくてもですね、お子さんがちゃんと継いでくれて、そこが盛り上がってるので漁協職員の方もたくさん就職してくれるということで好循環が生まれてるなと思いますけど、それがやっぱり南伊勢だと少し負の循環になりつつあるということですよね。
今日は担い手育成の話と、後半で水産業の今後についてお話していきますが、フィッシャーマン・ジャパンとか南伊勢町の皆さんと、漁業の販売販路確保とか、そういうところにも、外から若い人を連れてきて活性化していこうというようなことをやらせていただいてます。これからもぜひよろしくお願いします。
ではちょっと次に岸本さんにお話を伺いたいなと思うんですけど、ちなみにこれが一昨年ですかね、この事業を立ち上げたときのメディアを通していただいて新聞とかテレビに出させていただいた集合写真です(資料参考)。
漁師塾というのは先ほどご説明しましたが、県がやられている漁師塾の南伊勢版みたいなものもこの2年ぐらいでやらせていただいてますけども、丸久さんにも受け入れていただきました。そのときのお話をですね、いただければなと思うんですが、よろしいですか。

[岸本]
この写真はですね、実際漁師塾をやっていたときの写真なんですけど、これを機に1人が大阪から20歳の方が、無事に就職して、もう1年ぐらい経ってくるかな。この子ですね。野口くんですね。一生懸命、この子はちょっとやる気もあるというかもう前のめっている状態の子だったので、もう終了する前から、潜水士の免許を、自分で取ってっていう形で、よりちょっと前向きな子を集めるっていう意味でも、漁師塾を開催して良かったという。

[長谷川]
しかも新卒ですもんね。学生のときに漁師塾に来てくれて、卒業してそのまま就職。

[岸本]
やっぱフィッシャーマン・ジャパンさんは丁寧にステップを踏んで、漁師塾の後も1週間体験で働くというような、順序を踏んで、いきなり働かすのではなく、ステップを踏んでいったことによってまたより良かったのかなと。

[長谷川]
そこがまさに全国でもやっぱり漁師になりたいといった人を漁村に入れるとですね、まず言葉がね、方言とかの問題、なかなかちょっとつらいとか後は同世代がいないとかですね。あと本当に生活ですよね、どこでゴミ捨て、どうしたらいいんだろうかとかどこで買い物したらいいんだろうかっていうのはわからなくて辞めちゃうっていうのはデータでも出てきたので、我々はそれをなるべくケアするということも一緒にやらせていただいております。多分徐々に1年やられたと思うんですけど、何となく他の全国の例を見てもだんだん最初はやる気があって頑張るんですけど、ちょっと一瞬仲間割れしたりとか、将来のことをどうしようかなと考えたりする時期があるのですが...

[岸本]
もう入ったときと変わらず、仕事も順調に覚えて、僕ら従業員自体も新鮮だったというか、他県からやる気のある若者が入ってくれたっていうので、教えがいもあるし、一生懸命取り組んでいこうと思います。

[長谷川]
ありがとうございます。ぜひもし今日来てくださった皆さんもですね、この野口くんを町で見かけたら、もう皆さん全体的に来てくれてよかったみたいな気持ちでいていただけるとずっとそのまま定着してくれるという例も、いろいろ出てますので、ぜひスーパーとかで見かけたらですね、ぜひ声をかけてあげていただければと思います。
後ほどまたマグロのお話をお聞きしますので。続いて舌古さん先ほど、あまり訴えるような人じゃないと。漁師塾もやっていただいてますが

[舌古]
漁師塾ね、フィッシャーマン・ジャパンさんが企画してくれたやつ。すごく良かったです僕的には。僕の勉強にもなったし、ただちょっと就職という形にはならなかったんですけども、今後ももし機会があればぜひぜひご協力したいなと思ってます。
そのタイミングで、僕甥っ子が戻ってきて、この後継者育成支援制度を活用させていただいて、すごく助かってます。

[長谷川]
もちろんその商売を回していかなきゃいけないと思うんですけど、やっぱ給料というのは少しハードルになるのかなと思うんでそういう補助があると、だいぶ違う?

[舌古]
いやもうだいぶ違いますよね。僕本当にね、やりがいという部分で、甥っ子が来てくれたのはすごく嬉しいことで、父親が創業1989年とかで、2代目がうちの兄貴が継いでて、僕は右腕として活動してるんですけど、なんか未来が描けないというか、震災後やっぱりちょっと、未来に向かって走りきれないというか、何か漠然とあったんですけど、この甥っ子が一緒に働くことによって、こいつが働きやすいように、こいつのためにみたいなところが多分僕も兄貴もそんな恥ずかしいこと言わへんけど、どっかにあって後継者っていうのはね、めちゃめちゃでかいなって実感してます。だから、フィッシャーマン・ジャパンが後継者がいないところを、僕らは甥っ子やったから目に見えない繋がりがもう既にあったはずなんですね。なのでそこを何かフィッシャーマン・ジャパンさんが目を向けていただいて、ヒットさせていただけたら多分助かる事業者さんがいっぱいいるんちゃうかなって思ってます。

[長谷川]
ありがとうございます。まず、今言っていただいた通りで、後継者がつくと、その子がかわいいんだと思って、気合が入るんだと

[舌古]
でもめっちゃ言われるんすよ。僕の立場だとさ、お前難しいだろうって。だって僕、(3兄弟の末っ子なので)トップにはなれないですから。それでもすごいやりがいがあって、こいつ(甥っ子)のためにも永遠に神輿担いだろうぐらいの、なんか感じはします。できる子なんすよ、かわいいやつです。

[長谷川]
これ宮城県石巻市でも、こういう会議何回かやってるとみんなそのうち担い手自慢をしだして、これがでも実はいいスタートが切れてるなと。ですので、すごくいい事例を作っていただいてるなと。若い子たちが大先輩に言いにくいことを横の繋がりで言い合えるようになるといいなと思ってますので、先ほどの野口くんとか舌古さんの甥っ子さんとかがこう繋がって仲良くなると、未来の新しいチームができるかなと思ってるんです。
実は舌古さん、見た通りスケーターでですね、廃校を活用してスケボーを教えたりするコミュニティ作りもやっているという。
そして中村さん、清洋さんでもちょっとまだ就業者はいらっしゃらないですが、いろいろ取り組みに関してちょっとどういうことをやられてるかとか、ご感想とかお聞かせいただけると。

[中村]
以前はですね贅沢な悩みなんですが、まき網船に乗りたいっていう人がたくさんいてですね、定員もありますので順番を待っていただいてるっていう、状態だったんですが、今は本当に人手不足で、乗組員の確保にすごく苦労してます。今まで就業フェアとか、インターネットの広告とか、出さなくても人が来てくれてたんですが、今はやっぱりそういった就業フェアとか広告を掲載したりとか、そういったことを前向きにやってます。

[長谷川]
本当に皆さん口を揃えて、まき網は稼げるから、漁師の息子さんもお父さんを継がずにまき網に乗りに行くぐらいの話をよく聞いてたんですけど、それはここ数年ですか?厳しいのは。

[中村]
ここ2年3年ぐらいはもう三重県沖の漁場形成、黒潮の蛇行とかの影響なのか、やっぱり漁獲数量がもう10分の1、5分の1、っていう状況です。

[長谷川]
後ほど、まき網の水揚げのお話に関しては伺いますが、まさにそういうこれまでね、潤沢だった漁業の、儲かったところには担い手がついたのが、厳しくなってきたというのもあるので、多分担い手育成に関してもこれから何か違う手を、お金じゃないものでというように確保する、それやらなきゃいけないのかなと思っています。その辺もいろいろ一緒にやらせていただければと思ってますが、あれですよねインドネシアの方の受け入れとかされている?

[中村]
インドネシアの方に技能実習生で、定置網の方なんですけど、2名、去年の1月から丸1年ですか、乗ってもらって、そういったこともやりながら、あとはやっぱりその現場がなかなかわからない。漁師の仕事ってどんなことしてるのっていう声もありますんで、実際に定置網に乗って実際に操業してもらって、漁業の体験をしてもらったりとか、そういった活動とか受け入れもしています。

[長谷川]
素晴らしいですね。皆さんもご存知かもしれませんが、たまにニュースでその海外の実習生のお話がですね、ネガティブに報道されるときがあって、世界から見るとちょっと日本がやっている海外実習制度は、ちょっと過酷というか、ひどいこと言う人だと現代の奴隷制度ぐらい悪く言う方もいるんですけど、すごく丁寧にやられてるところは逆に満足度が高くて、そのまま例えばコロナみたいなことがあったとしても国に帰らずに残ってくれた事例とかもあったりしますので、ぜひその辺もですね、県とか町とか、漁協さんとかと連携しながら、海外の方も気持ちよく働けるような環境作りみたいな作っていければなと思ってます。
あと先ほどおっしゃってましたけどSNSの活用とかも結構、最近ね、

[中村]
今までしてこなかったんですけど、やっぱりどういうことをしてるのかっていうことを知ってもらうのがまず一番かなと。それからこの職場で働きたいなとか、船乗りたいなとか、そういった声が聞こえてくるんじゃないかなと思って、まずはやってみようってことで

[長谷川]
どうですか大変さとか反応とか

[中村]
大変さはないですけど、身近に感じていただけたらいいなと思ってやってます。

[長谷川]
ちなみに何を一番やってますか

[中村]
インスタグラムですね。ぜひ見てください。

[長谷川]
インスタグラムは南伊勢町のインスタが結構素晴らしいという評価があがってますね。いろいろ動画とかでよくやられていて、皆さんインスタ使ってらっしゃるっていうふうな方がひょっとしたら少ないかもしれないけど、すごいフォロワー増えていらっしゃるし、身近にいい事例がありますのでよかったら。
ちなみに宮城県で言うと、我々が住んでいる石巻市の隣の隣、気仙沼市ってとこでマグロ漁師の募集をですね、TikTokとか使って、すごい頑張られてる方がいて、結構話題になって、やっぱりみんなTikTokとか見て漁師になるらしくて、そういう新しい取り組みもやれたらいいなと。
純さんお待たせしました。純さんはもう本当にいろいろやってらっしゃいますが、独自でやられてることも含めて、後継者育成等についてぜひちょっとお話を伺えたら。

[橋本]
インターンシップはかなりしてて、ただ前例があって、僕の父が、僕が小・中学校の時代にインターンシップではなくて研修生っていう感じで、夏休みに都市部の大学生たちがうちに住み込みで、その当時のまき網と養殖をサポートするようなものを僕が小中時代に経験してたので、そういう取り組みができたらなっていうのは大人になるにつれてちょっと思ってたところにインターン制度っていうような新しいワードで始まったので、その地域おこし協力隊も含めていろんなワードができたときに、もう既に立ち上げてたと。おかげさまでインターンシップを使って就職してくれた人が、役場の制度を使ってインターンシップで入ってくれた人がもう既に5人就職しています。
けれども3人はもう離脱しました。離脱というか卒業というか辞めて違うところに行ってるんですけど、3人とも一応関係性はあって、年末には鯛を買ってくれるっていう流れですけど、その辞めた理由の3人のうちの2人が、彼女問題です。彼女はここに住みたくないという理由で結婚とかを理由じゃないですけども結婚をするために考えるんであれば次の人生を、次の場所を探した方がいいっていうので2人辞めて、もう1人の子は元々来た理由がちょっと理由だったので、ちょっと説明すると長くなるのでここでは言いませんけれども、ただ水産業界ではないですけど飲食業界の方で自分は頑張るということで今名古屋の市場でちょっと修行をしながら、次のステップに向かって進んでいます。
今インターネットを使ってきてるのはフランス人が去年の7月から、コロナ前に1年ほどワーキングホリデーで来てて、そのうちの1ヶ月ぐらいを行政のインターンシップ制度を使わせてもらって滞在しながら、その後ワーホリでちょっと働いて、コロナがあけたので戻ってきました。二、三日の短期でインターンシップを使って来てくれたシンガポール人も今就職して、一緒に働いてます。
そういうふうな流れで今僕のところスタッフ11人ぐらいなんですけど、そのうちの2人が海外で、あと3人が町外です。基本的にはこの南伊勢町じゃない、という流れで受け入れてます。
一つ先ほど清洋さんの話が出て、儲かってるところには人が集まるっていう理由がこのコロナぐらいからちょっとずれ始めて、求めてるものがちょっと変わってきてるなっていうのは肌に感じるので僕ところは昨年度から完全週休2日制で有給制度ももちろんしっかりとるような形で、年間休日120日っていう目標値で動いてて大体1年目にして、大体平均118日ぐらいですね。なので、求めるものがお金だけではなくて休みも含めて自由時間も含めてっていう流れになってくるのでそういう取り組みっていうのが、今のキーワードとしては一つあるのかな。
もちろんそれに対して稼げるっていう部分はもちろんついてくるというか会社自体が稼げないと、人件費も含めて回していけないし休みも含めてまわしていけない。でも最初にやった取り組みとして休みを作るとやっぱり人の数が必要なんですよ、漁業界っていうのは。なので、どんだけ機械化されようがIT化されようが、最終的には急所と言われる部分には人の数がいったりするので、その部分の人数を確保するためにやっぱり売り上げを上げていかなければいけないっていうところがやっぱり企業側の努力、会社側の努力になってくるので、その辺は今、手探り状態で一生懸命やってはいるんですけども、やっぱりそういうところにいろんな人材が必要になってくるし、ちょっと前までは力があって船が運転できていろんなノウハウを持ってるような地元の方を求めてた部分ですけど、やっぱり売ることになってくると、今度はマーケティングとか経済的なことですね、そうなってくると外部の力が必要である。フィッシャーマン・ジャパンしかり、ECサイト、そういうのを運営するような。僕らは、南伊勢町のふるさと納税のポケットマルシェさんとか、そういうところも含めていろんな人材をやっぱりやる必要であるってなってくると、それこそTikTokも含めてSNSの発信、いろんなものがもう本当に複雑化、もっと複雑化してきてるんですけど、ただ肌身で感じてる部分で思うことは、女性問題は別として、漁師とかそういうところの現場仕事をやりたいなって思ってる若者の数は相当増えてきたっていうのは感じてます。

[長谷川]
本当に純さんいろいろやられていて、外の力もすごく上手に使われていますし、あと先ほどのお話の中では出なかったですけど、シェアハウスというか、体験した子がちゃんと泊まれる場所であったり、就業した子が泊まれる場所もきちんと確保してらっしゃるっていうのも、工夫というか特色ですね。

[橋本]
ゲストハウスもそうですね。フィッシャーマン・ジャパンとの関わりとすると、どちらかというと僕のところは泊めさせて話をするみたいな関わり、現場に来るとかっていうよりはそっちの方がメインでしてます。あとその交流の場所っていうのはやっぱり南勢水産の舌古さんの甥っ子とか、若者が集えるコミュニティがもうちょっと南伊勢にあると、僕ら世代のコミュニティじゃなくて、次の担い手もしくは新人の子たちも含めてのコミュニティを作れるような場所があればもっと人は馴染めるのかなと。

[長谷川]
さっきの彼女問題も結構いろいろなところの担い手事業でよく出てくるんですが、それこそ南伊勢町でかなり子育て世代とかの受け入れの制度を整えてらっしゃるので、そういう漁業の制度と一緒に来た彼女なり奥さんなりが子育てしやすい環境というのは同時にもっとPRしていくと、定着がまた上がっていくのかなという思いはしますね。

[町長]
言われるように、それが狙いでいろんな政策を打つわけですけど、こうやって話を聞かせていただいてるとですね、今やっていること、フィッシャーマン・ジャパンの力借りていろんなことやってるんですけども、いつも自分は言わせていただくんですけど、やっぱり内の力と外の力を結集してですね、この町を動かしていきたいという思いがあります。そしてそれが今本当にできつつあるかなというふうに感じております。橋本さん言われたように、集う場所作りっていうのは本当に非常に、これ若者に対してどうやって集う場所作るんか、そしてまた高齢者に対してどうやって作っていくかっていうのもあってですね、それをマッチしたことをやっていくべきかなというふうに感じております。

[長谷川]
そんな形でですね、担い手育成事業をやらせていただいております。

[司会]
ありがとうございました。では知事からもですね、もし質問したいこととか含めてコメント等ありましたら、ぜひお願いできればと思います。

[知事]
この間、タイに行きまして、三重県の食材がものすごいっていう話を聞いてきたんです。特に魚介類が美味しいと。魚介類がですね高い値段で売れるんですよ。そこで先ほど橋本さんおっしゃいましたけど、値付けによって稼げるということで、そこで循環にしてかないかんなと。東京に私は40年住んでましたけど、三重県出身ですっていうと、魚美味しいですねって言われます。私は結婚して初めて南伊勢の魚を食べて、美味しいなと思いました。それをどうやって伝えるか。
今日お話を伺ってて、県も人口減少対策の方針を去年の8月ですけど、47都道府県で初めて作ったんです。何をやるかとか、これみんなやっぱりやらなあかんことは考えとんすけど、それを一つの形にまとめたのは三重県が最初なんです。で、移住促進って当然その中にあるんですけど、来年度の予算では、移住を促進するために何をせないかんか。今日話を伺って既に皆さん、いろんなことに着手されてるというのがよくわかりました。
我々は来年はとにかく仕事があるの前提で、仕事も紹介せなあかんですけど、南伊勢は仕事はある、それ以外に何を提供するか、来年は家だなと思って、こっちへ来る人が何を求めてるかっちゅうのを教えてもらいたいな。
今、橋本さんからは、若い人のコミュニティそうすると、どんなことを考えてるのか、どんなものをやるのかとかできたら教えてもらいたいんですけど、その上で、そこに例えば行政が支援できるものがあるのか、家なのか出会いの場を作った方がとかいろいろあると思うんですけど今思いつくところで結構ですので、教えていただければと思います。

[橋本]
その話で言うと、南伊勢は空き家問題、空き家があって、僕らからすれば、一軒家貸したらいいやと一軒家を貸すんですけど、今の世代の人たち基本的にマンション育ちで、都市部の小さなスペースで結構生活をしてるので、一軒家を与えると怖がるんです。音が変なところで鳴るとか何かそういうのが怖いとか。やっぱりコンパクトなものがっていうところ田舎にはちょっとないんです。ワンルームやマンションとか。そうなってくると、もしできるのであれば、そういう世代の人たちが住めるようなコンパクトな建物で防犯・防災もしっかりしたようなところの下にしっかりした、コミュニティスペースがあるワンルームマンションみたいなのがあるだけでも、もしかすると、各業者に働きに行く子たちがそこに寝泊まりをしながら下で自分たちのコミュニティを作り上げて、何か新しいものを作ってくれてるかもしれない。
今僕らが与えられるものを与えてもやっぱり、それでは満足しないし、なんならそういう新しいものっていうのは一つというふうに思います。そういうところを作って、それもワンルームでもいいんですよ。大きいものを求めているわけではない。住み心地がいい、一番手元にあってコンパクトに済むようなっていうのがあって、もしその下にカフェスペースだったりとか事務スペースをお願いするだけで、そこに住んでる人たちがコミュニティ取れるんじゃないかなというふうにはちょっと思いました。そして、そういうのをちょっと考えようかな、しようかな、古い家を利用しながらそういうのしようかなとかちょっと思ったり。現実にそこまで資金的にはですけど

[知事]
新しく建てるのは難しい、お金もだいぶかかると。おっしゃったように古い家を改造して、そのワンルームっぽいものを作って、みんなが集まるスペースが、シェアハウスに似たような感じのそんなんどうですか。

[橋本]
いけるような気がするし、ただそこまでいいものが今この南伊勢に残ってるかというと、すごい過渡期。時代背景があってやっぱりバブル期に建てられてちょうど年数的に30年近く経ってくる。30年たってくるというと老朽化の問題、いろんな問題があって、それなら立て直すと。いろんな問題があるので、これ喋り出したら止まらないので、

[知事]
結婚した後はどうです。

[橋本]
先ほどちょっと僕付け加えてなかったですけど、結婚した夫婦だった場合、シンガポール人は日本人と結婚してるんですけど、やっぱり奥さんはちょっと伊勢方面を求めたりする。南伊勢に住んでないんです。度会町(わたらいちょう)あたりに住みながら通いで。もしかするとこっちに移住するかもしれないですけど。だから結婚している方たちに関しては、南伊勢のこの制度(子育て支援制度)を知るきっかけになる。子供ができてきたら。すごくいいんですけど、これからっていう人たちの場合はやっぱりそこの風土が全くわからない。お試しで来てもらってそういうのができれば一番理想かなと。

[長谷川]
ありがとうございます。町長何かありますか。

[町長]
今いろいろやり取りしとんですけれども、これ一つ、何回も言うんですけども、水産業だけ捉えるんじゃなくてですね、生活をどうやってやっていくんや、あるいは集う場所の話も出たんですけども、うちの町というのは漁業・水産業に携わりながらですね、町を元気づけたりとか、そういう話ができて、少し前にスケートパークの話が出たんですけども、ここって廃校を利用して立ち上げていただいたんですけども、これ本当素晴らしい取り組みやなというふうに思ってます。先日もスケートパークのとこでイベント的なことをしていただいたんですけども、あの廃校のところに1000人を超えるぐらいの人を集めてやっていただいたんですが。これは本当に意味あるじゃないかなというふうに思ってます。これもやはり水産業の仲間の集まりとか、いろんな集まりがあってですね、いろんな繋がりがあってそういうことができるんですよね。
だからいつも言わさしてもらうんですけれども、本当に一つ一つを捉えるんじゃなくて、町全体を水産業をどんにしてやっていくんや、それに加えて集う場所をどうやっていくんや、人口減少対策をどんにして、子育て支援をどうやってやっていくかということを考えながらですね、私は進めていかなあかんのかなというふうに思ってますので、その面一緒になってですね、こういう若い世代の漁業に携わる、今までこんなことってなかったと思うんです。こういう議論できる場もなかったんじゃないかなというふうに思いますので、今住まいの話も出たんですけども、うちの町で何ができるんやっていうことをやっていかなあかんなとは思ってますので、そういう助言いただいてですね。みんなで先ほども言わさしてもらったように、みんなの力を借りてですね、南伊勢町を発展させたいなという思いがありますので、知事どうですか。今までの対話で一番いいんじゃないかなと。

[舌古]
すいません、いいですか。スケートボーダーの舌古勇樹です。ちゃいます、南勢水産の舌古勇樹ですけども、本当にね、町のバックアップもあってスケートボードパークを穂原小学校のグラウンドに作ったんですよね。僕はスケートボードを10代の頃からずっと続けてて、僕としてはスケートボードが一番好きだったのでスケートボードでコミュニティ作りになればいいなと思ってて。でもスケートボード場というよりは、あそこは本当にいろんな人が集う場所になればいい。本当に僕は自分のこととか水産業のこととかあんまり深く考えてないんですけど、何て言うんですかねちょっと閉鎖的なんすよねきっと田舎の人たちって、輪があっても入りづらいとか、そういうのを何とか、全然ウェルカムみたいな、そういう場所が僕はできればいいなって思ってます。なので移住者の方にも何か感じていただけたらなって思ってますね。

[長谷川]
本当に、もし今日ね、穂原小学校まだ見たことない方ですねぜひぜひ。昔は多分スケートボードやってる人ってちょっと悪い子かなっていうイメージがあったと思うんですけど、もう今や日本人がオリンピックで金メダルとるような、本当に爽やか、オープンなスポーツですけど、スケートボードやってる人たちみんな何ていうか、気さくめっちゃフランクですね。小学校でスケートをみんなやりながら、出店でご飯食べたり、銀杏をなんていうか、お花見なんかしてるんですよね。

[舌古]
本当にみんなが集える場所になればいいなって思ってます。ぜひ一度ご来場ください。

[長谷川]
皆さん盛り上がりすぎて、ちょっと次のお題に。今度、将来の漁業がどうかということで、お魚が今本当に黒潮の大蛇行もありますし、すごく減ってきたりとかするので、海の資源管理をどうしてこうかという話とかでしたね。
先ほど人手のお話もありましたけど人が減った分はやっぱりね、ITとかロボットとか使えたらなと思ってます。今後どうしたらいいかっていう話をちょっとしたいなと思うんですけど。中村さんに最近のまき網船の水揚げの推移などについてと、それに向けて取り組まれているマグロのお話とかいただければなと思います。

[中村]
近年のまき網の水揚げについてなんですが、これは多分町内全体の水揚げだと思うんですけど、2021年で3万7000tかな。これが今7000tですと。4月から12月まで9か月ですね。それで5年ぐらい前にサバが三重県ですごくたくさんあがって、1月ぐらいから4月ぐらいまで、大体1日1000tとか、そういう日も、それがもう3ヶ月ぐらい続いたっていうときがあったんですよ。その他にも周年、ウルメイワシとか、そういったものが取れてたんですけど、もう今全然本当に大蛇行の影響なのか、今自分とこの三重県で周年操業してる船団でも、1200tぐらいかな。1日で1000tという日もあったんで、もうだいぶ減ってます。

[長谷川]
なるほど、何が原因かなみたいなのって何か調べられたりとか。

[中村]
いやあ、大蛇行がすごく影響してるのかなと水温も高いですし。
あと秋口から冬場にかけてキハダマグロってとれてたんですけど、それがすごく脂がのってて評価が高くて、3,4年ぐらい前にそれがあってですね、キハダマグロっていうと名古屋とか関西に出荷される魚なんですけど、そのときに豊洲、東京ですごく評価が高くて、東京の引き合いがすごく高くて、何かできないかなということで、自分とこの船の名前をつけて、南伊勢ブランドに申請してですね、ブランド化をさせてもらってます。脂があってええ魚だったんで、こういった取り組みもやりました。

[長谷川]
清洋水産さんは全国にもいろいろな事業をやられていて、いわゆる経営の多角化というか、いろんなことをやることで、会社全体の売上確保というか安定するようにされてますけど、まさにこのキハダも普通にこれまでの魚がいっぱいとれてたら、そんなにやらないけどという感じですよね。これ地元でもちゃんと食べられるような感じですか?

[中村]
いや、今とれてないんで、全然水揚げがないんですよ。

[長谷川]
もしとれたらどこで食べれるんですか?

[中村]
キハダは置いてないんですけど、うち養殖のマグロもしてますんで、伊勢志摩まぐろ食堂さんなんかでマグロは食べていただけます。

[長谷川]
ありがとうございます。ぜひちょっとトロキハダがとれたら教えてください。
では同じマグロのお話ですけど岸本さん、先ほどお話いただきましたが、養殖のマグロの状況はどうですか。養殖だから大丈夫って感じでもないというか

[岸本]
やはり稚魚の確保という意味では、この地元の漁師さんたちが1本釣りで釣ってきた魚を一からスタートして育てていくっていうのが基本ですから、まずヨコワの稚魚の確保にもやっぱり水揚げが、黒潮の影響とかも関係ありますし。稚魚の確保が容易でなかった年に関しては長崎のまき網で取ったヨコワなんですけど、中間魚を買い付けて育成するというやり方をしてるんですよね。
ここにきてやはりまき網船の不漁というので、マグロに対して与える餌の値段も年々高騰している状態で、非常に厳しい状態が続いてるんですが、その中でもこだわりを持ってやっていこうとなった場合に、やはり良い人間というかいい人材で、少ない人数でも仕事を円滑に回していっていいマグロを作っていくっていう流れを将来的に作っていけたらなという。少数制ではないですけど、そのためにはやっぱりはじめの話に戻るかもしれないですけど、育てがいのある、見込み伸びしろのある若い子を、育てていくっていう力を入れていった方が、結果将来的にいいマグロができていくのかなという話です。

[長谷川]
いい人を育てると、いいマグロができるという訳ですね。
皆さんのマグロはどこかで食べられますか?

[岸本]
KITTE名古屋っていうビルの中に入ってる「三重人」とこですね。

[長谷川]
「みえまぐろ」が食べられるという。こういうのをやっぱり新しく最近始めたということですか?

[岸本]
ここはですね、もう4〜5年前から始めている状態ですね。

[長谷川]
ありがとうございます。やっぱり指導育成の方にも、これまで以上にちょっと力を入れながらという?

[岸本]
そうですね。うちもまき網船・長久水産をやってるので、まき網の方も人材不足している状態で海外から人を雇うかっていうような流れに変わってきていますので、できたら、海外だけじゃなくて、日本人でもそういう海の仕事に興味があったり、将来有能な伸びしろのあるような子が県外から声をかけてくれたら、うちの会社も将来は安泰かなとは思います。

[長谷川]
ありがとうございます。長久さんはね、我々が連携している求人のサービスも使ってくれてるということで、何かそういうインターネットとかいろいろ取り組まれている?

[岸本]
そうですね、やはりいざ魚がとれるっていう状態で、効率の良いとり方っていうのは、やはり現在の最先端技術を取り入れてやっていった方が、それを上手に使いこなせる人間もいないといけないんですけど、自分たちもノウハウとして取り入れるという意味で取り組んでいる。

[長谷川]
ありがとうございます。そして舌古さんのスケボーじゃないお話を聞いた方がいいですね。漁師としての舌古さんとしては販売のところでいろいろされてる?

[舌古]
そうですね、販売がですね、三重・岐阜・愛知・大阪とか卸売が中心なので、鮮魚での販売ってのがすごく苦手だった部分なんですけど、コロナ禍のタイミングで、それこそ純さんもおっしゃってたECサイトだったりいろんな売り方をチャレンジしてました。今は卸売の方が活発になってきてしまったので、手を引いてしまってるんですけど、そのときに経験した思いとか、何か考えというのはすごく大きくて、大事な部分だなって感じてます。ふるさと納税なんかは特にそうやし、直接自分たちの自慢の魚を、意見をいただける。やっぱり無視できへんねんけどちょっと手が伸びんなっていう。だからやっぱり他県から来ていただいた方とかと連携して、そういうことも取り組んでいけたらなっていうのは、思うところですね。

[長谷川]
コロナ含めてピンチになると、ちょっと新しいことをやらなきゃいけないですね。

[舌古]
純さんはすごい早くそれをやってたんで、僕らはもうピンチになってから動くんでちょっと遅いんですけど。でもそのときに得たものは結構でかくて、今後も見ていきたいなとは思ってるんですけど。

[長谷川]
ありがとうございます。純さんもね、いろいろとやってらっしゃると思います。さっきお話いただいていましたが、ふるさと納税含めやられてる?


[橋本]
そうですね。いろんな形で僕は売る方とかも手がけてます。実際に今日もここに来る前には、体験の方のお客さんが入ってて、外国人のインバウンドのお客さんが入ってたので、その対応をやってたりとか、ここにきて面白いのは、こういう横の繋がりが結構できてきたっていうのを実感してて、それこそ長久さんとこのマグロなんかも僕ところに来てるインターン生を振るとか、そういう横の連携が結構あったりすることがちょくちょく増えてきて、それきっかけでもしかするとこの2人はアフリカで養殖し始めるかもしれないっていうようなですね。

[長谷川]
アフリカですか!?

[橋本]
はい、去年アルジェリアから養殖をしたいっていうアルジェリア人がうちところに来て、他の養殖を見たいっていうからマグロ養殖を見せたら、最初タイの養殖をしたいって言ってたのにマグロ養殖に変換して、この前、網の問い合わせがあったみたいな。もしかすると指導員として2人が行く可能性もあるようですね。
そういうふうな繋がりっていうか、今までは獲る漁業・養殖漁業というものの垣根があったんですけど、今はもう長久さんも清洋さんもそういうマグロ養殖という養殖分野をやってて、なんかわかり合える部分があったりとかですね。一緒の問題点というのはやっぱり生まれてくるので、漁獲高が下がってることによって、僕ら鯛育てる餌も少なくなってるっていうの も共通点であって、これから先の未来ってさっきテーマになってたんで、そういうところが組みながら、もちろん県も行政も国も含めて、まして三重県だけの問題ではないのも事実なので、やっぱり点ではなくて大きなマスの中でいろんな意見を交換し合いながらやっぱり乗り越える必要性が出てきたなっていうのはすごく思ってるところなので。

[長谷川]
豊かなときは、むしろ縦割りで専門性を発揮した方がきっと良かったんだと思うんですけど、今やっぱりいろいろ足りなくなってきた中では、縦割り、例えば町で言ったら何課と何課とか、そうでなく一緒にやった方がいいと

[橋本]
関係なく組むっていうのもやっぱり必要ですし、もう鯛に関しては野菜でも育てられるので、ベジタリアンが作れるんです。野菜だけのタンパク質でもう育てられるのも現実でもう実証されているので。そういう部分を考えると、農家と僕らも提携する。福井県の方では酒粕でサバが育っていったりするので、そうなると三重県なんて酒造メーカーいっぱいあるから、そういうところと組んでやるとかいろいろな可能性はすごいあるんですよ。それもやっぱりこうやって人が減ってきたりとか、いろんな問題を抱えるようになったから見れる分野があるので、儲けてるとき誰もそんなこと気にしない。ですけどやっぱり儲けられなくなるというか、儲けにくくなったりとか人材をどう確保するかっていう問題点が出たとき、きっと次のステップが生まれてくるので、今やっぱりこういう機会があるのはすごいありがたいな。

[長谷川]
純さん、そういう意味では加工場、ウクラ山ラボを作られたのも、どちらかというと生産量を増やすのではなく、売上利益を増やすにはロスを減らして循環を目指していくために作られたと。


[橋本]
鯛で説明すると、鯛の刺身を食べてる部分というのは鯛一匹に対して3割ぐらいしか取れないんですよ。残りの7割は内臓も含めてなんですけど、どちらかといえば廃棄部分に近い状態になると。そこを今度売り上げに変えることによって、生産量を半分に減らすことができる可能性がある。生産量を半分に減らすかどうかは別としても、人がいなければ減らさざるを得ない、ってなったときにその半分をどういうふうに人に提供できるかっていうなようなことを取り組むために加工品を作れる施設を作って今取り組んでいます。だから、ちょうど骨も全部食べれるような干物を作ったりとか、明日・明後日ですけど、北陸の方に、救援物資としてレトルトの鯛飯の素、火も使わずにそのまま食べれるような干物のレトルトを、救援物資としても持ち込むんですけど、これは今回特例ですけど、それを作りたいがためにやったことが、今回そういう現地で役に立つかもしれないっていうのがあるのでそういうふうな流れも含めて、マグロやってても実の部分は売れるけど他の部分が売れないものを魚粉化するとか、外湾さんの市場に上がってる端材と言われる売れない部分も、魚粉化したりとかして僕らみたいな養殖業者に回していくような、地域循環みたいなんが、これからきっとメジャーになってくるはずなのでできればそういう先駆けを南伊勢町行政も含めて三重県も含めて連携して、海が結構ある地域なので、そういうのをやれたらいいなとは思ってます。

[長谷川]
まさにねSDGsとかカーボンニュートラルとかいろいろ言われてますけど、いかに今まではね遠くからわざわざエネルギーとかCO2を使って輸入したり輸出したりとかしていたのをまず、近くでやることによってフードロスの問題も含め、いろいろ効率化になるし、環境にも良くなるし、人が減っても作れるかもしれないという。
今日ちょっと変わったメンバーとして、ライトハウスの坂井を紹介したいんですけど、お待たせしました。ちょっと自己紹介がてら、まさに今日おっしゃったようなもの、効率化のお手伝いをしてらっしゃると思うので、どうぞ。


[坂井]
私どもライトハウスは「未知を拓く」という企業理念のもと、2017年9月に3人で創業した会社になります。主に事業者の皆さんの困りごとを聞いて、それに合ったサービスを作っていくというところで先ほど説明いただきましたが、人材募集のサービスだったりを作ってるんですが、メインはISANAというサービスでして、まき網など漁師さんに自分の仲間内で画像を共有するのを作ってます。海の上で携帯の電波で画像を飛ばしてタブレットで見てもらうというような形になります。人が少なくなってきたりとか、あとは後継者ですね、新しい船長が、舵を取る時とかにベテランの船長の方とかにタブレットを見てもらって指導を受けると。今までは無線だけでやってきたのを視覚的に見えるようにしたサービスになってます。今リリースから大体4〜5年が経ってまして、全国で1000隻以上利用いただいてまして、三重県では先ほど言ったようにまき網などで50隻。大体まき網の方が奈屋浦の長久さん清洋さんはじめ10隻ほど、答志島とか離島の方で40隻ほど利用いただいてるような。

[長谷川]
すごくみなさん営業っぽく聞いてると思うんですけど、営業もあるかもしれないけどこれ本当に良くてですね、東北でも実験的にやってるんですけど、ご家族の皆さんとか陸地にいらっしゃる引退された先輩とかが、船にアドバイスしたりとかもできたりするし今日はそこで頑張ってるみたいな見れたりとか効果もありますね

[坂井]
あと加工場の方が見て、船がいつ帰ってくるんだろうというところで、加工の準備をするという使い方もあります。

[長谷川]
そうですよね。これによって既に積んでらっしゃる無線とかのデータをまとめることができるということでね、すごく便利だし結果はこれでコストが減ったりするんですね。無駄な油を使ってウロウロしたりが減ったりとかする。いろいろね全国でやってらっしゃると思うんですけど、今日三重県の話が出ましたけど、どうですか全国の漁業もピンチなとこ多いんですかね?

[坂井]
そうですね、皆さんおっしゃるようにピンチなとこが多いなというところで、ただ一方でどっかが悪いとどっかが良いという話も聞くので、そういうところも循環してるのかなっていうところですね。

[長谷川]
どっかが悪くなっちゃうと、どっかが良くなるっていうこともあれば、そうじゃないところもあるんですよね。一緒に全国の事いろいろやってるんですけど、例えばわかりやすくブリとかがですね、昔は本当九州でね、もう九州の人みんな大好きで、ちょっといい過ぎかもしんないですけど、タイじゃなくてブリ食べるぐらいブリ食べるんですって。でもそれがもう今どんどん北上して、数年前北海道が日本一になっちゃったりとか、そんなことが起こってるので魚が変わるとやっぱりとり方とか、そういう施設とか売り方とか変わってくるので、そういうのにもこれからは対応していかなきゃいけないし、そのときにITを使ったりするとかね。効率的に違う仕事にチェンジできたりするかもねってことで、いろんなとこでやってますけどね。結構みんな楽じゃないっすね。
さっきも水温のお話ありましたけど自分、別の仕事で、そういう環境のことを記事にして、みんなに読んでもらう仕事をしてるんですけど、去年、特にあのスーパーエルニーニョ現象みたいなことが起きてですね、世界の海水がかつてないぐらい上がってしまったのでどこの海も、暑くなって大変なことになっているそうなんですけど、でも海水温が上がったら魚が取れなくなるかというと、日本より南の国もいろいろやってますのでそこは諦めることなく、違う魚をとったりとか、黒潮の蛇行も戻るか戻らないかみたいな話ありますけども、そういう環境のことにも目を向けながら漁業に向かっていくっていうのはこれから対策としてもいいんじゃないかなというふうに思います。
そんな感じですか。何か南伊勢のIT化とか皆さんに言いたいことがあればせっかくのチャンスですよ。

[坂井]
営業みたいな話で申し訳ないですが、機器の導入とかなかなか資金的にハードルが高いですよね。そういうところがあるので、導入に例えば補助金みたいなところがあると、導入しやすいのがあるのかなというところで

[長谷川]
そうですね、県とかもそうなんですけど国のいろんな事業もあるので、そういうのを一緒にアドバイスしながら、入れたりもして、決して自分が言うのもあれですけど、全然悪い子じゃないので、ぜひ皆さん町とかで見たらちょっと声かけてあげていただきたい。
岡さんにも、漁協もいろいろ新規事業とか、今日いろんな話ありましたけど、これからの漁業、どういうことをやっていこうとされてるかとか、今日の未来の漁業パートのトリをちょっとお願いしたいと思います。

[岡]
磯焼けや高水温やらがあって天然資源に頼る漁業を、もちろん磯焼け対策とかせなあかんのやけれども、天然資源に頼る漁業ってだんだんきつくなってきている中で、やっぱり養殖業をしっかり安定的に経営していくっていうのも一つだなと思ってて。なので町とか県の方にも今後お願いしていかなあかんのかなと、種苗の部分ですね。
先ほど種苗のこと言ってたんですけど、種苗の研究とか提供とかそういうところを県や町とかでも、協力しながらやっていただけると養殖する漁業者の方は安定していけるかなというふうに思ってます。今年、例えばあおさの種付けが悪かったと、もうかなり水揚げが少なくなる予定なんですけれども、今あおさでも天然種苗で100%やってるんだけれども、人工種苗でもうできるはずなんで、そういう種付けとかも知恵貸していただけるととてもええかなというふうに思うところがあります。
あと担い手のところで言うと、会社で雇用して担い手を作るっていうのは、皆さん企業努力で頑張っていただいておるんですけど、自営業って言うんですか、エビ網・刺し網したりとかそういうところって、誰かが何かせんともうそのまま終わっちゃうんですよ。なのでそこの部分では今後漁協が頑張らなあかんなと思ってまして、漁業権の問題もありますし、そういうところも含めて自営業の担い手対策っていうんですかね。そこの部分は漁協のところで頑張ってやっていきたいなというふうには思ってます。

[長谷川]
ありがとうございます。今言っていただいた小規模の漁業者さんの支援は、先ほどご説明した町と漁協と我々の取り組みの中で、地域おこし協力隊を活用して1個の集落に対して1人を入れて、いろんな漁師さんにその人を育ててもらうというような取り組みもこれからやっていきたいなと思ってますので、ぜひ皆さんご協力いただけたら嬉しいなと思ってます。
あとさっき種苗センターの話でましたけど、今この町に種苗センターが二つあってですね。そこをこれから、全国豊かな海づくり大会の令和7年度の開催も決まったのでそれに向けて、これからの環境のことを意識したりとかですね、まさに担い手のお話とかを意識して、新しい産業のこと意識して種苗センターを継続していくような、種苗センター内での新しい取り組みみたいなところも、ちょっと我々も含めてお手伝いしてますし、ライトハウスさん同様ですね他の会社さん、海外であれ県外や町外のベンチャー企業の皆さんとかに来ていただいて、一緒に研究開発をして、地元の皆さんの将来の仕事に繋がるような実験も今年から始めていきたいなと思ってますので、そのようなこともやっているというのが南伊勢のこれからの漁業の傾向でした。ぜひ知事と町長からもご質問ご意見いただければと思いますんでよろしくお願いします。

[町長]
いろいろ本当に意見を聞かせていただいてですね、今からやってかんならんことはちょっと見えてきたなという感じはします。繋がりの話も出たんですけども、私も横の繋がりってのは非常に大事かなというふうに思ってますので、そういうのも我々どう提供していくかちょっと考えながら進めていきたいなというふうに思います。
また種苗の話も出たんですけども、いつも水産農林課とも話をするんですけれども、我々はやっぱり行政としてやりたいことは何かっていうのはあるんですけども、町民の方がですね、何をやってほしいかが大事だよということを話しておりますので、それがズレがないようにですね、頑張っていかなあかんかなというふうにも感じております。
また先ほど来言っていますけど、海水温の変化とか、黒潮などとかあるんですけれども、これ本当に漁業を取り巻く環境というのは非常に厳しいかなというふうに感じております。知事と話をさせてもらったんですけども、水産に対する国の支援というのは、私ちょっと少ないかなというふうに感じておりますので、その辺は県とともにですね、国へ訴えていきたいなというふうに思います。
我々いつも漁組さんともフィッシャーマンジャパンとも、皆さんといろいろな対話をさせていただくんですけれども、何をやらないかんっていうのは大体わかってきてます。しかし、それが本当に成果が出るか出やんかっていうのが問題でありますので、それが成果が出るように、我々行政として頑張ってまいりたいなというふうに思っておりますので、今日知事見えておりますけれども、しっかり県とタイアップしながら、国へも訴えていかなあかんし、地域のやっぱりニーズに応えていかなあかんということを踏まえて、しっかりと進めていきたいなというふうに思っております。以上でございます。ありがとうございます。

[知事]
今日すごい刺激をいただきました。これからどういうふうに水産業そうですけど、南伊勢にしていかないかんのかなって、今いろんな話を聞きながら、南伊勢っていうのは私どもの三重県の中で、一番大事な自治体の一つで、南伊勢って水産業だけではないとは思うんですけど、水産業が有名ですので、他の自治体では水産業と農業を外から移住してきた人が一緒にやってて、稼げるっていう人もおられるんです。まだ南伊勢はそういう人おらんのかもしれませんが、他のいい手を取り込んでいくのも大事かなと思います。
一つね、南伊勢ってこんなところですよってあんまり言っておられないかもしれないし、県もしっかりやってないかもしれない。亀山におると南伊勢に行くことってないんです。うちはたまたま来ましたけど、どうやってようけの人にわかってもらうか。
長崎の五島列島という島なんですけど、ちょっとずつ人が増えてます。珍しいです。なんでかなって。もちろん自然減もあるんですけど、社会増が進まないですね。宿泊施設があるんです。美味しい魚があって、自然に触れられるっていう長崎県の本土の人がくるんですけど、他から来て、これええとこやないかって言って、移住をするという。だから南伊勢にそれがあるかどうかってのはまたね、教えてもらいたいなとは思う。
今日はちょっと時間が難しいかもしれんけど、例えば宿泊施設で美味しい魚が食べれる、名古屋もそうかもしれん大阪もそうかもしれないけど、東京からそれを求めてくる人が仮におったとすると、ここに住んでみようかなっていうふうに思うかもしれない。そのときに何が必要か。おっしゃった宿泊、もしくは居住スペース、それは結構お金がかかる。行政だけではそれは無理、県も支援するけど、県と町だけでは無理やけど、そこに住んでもうた人は結果働くわけですので、漁協さんもいろんなことを考えるかもしれないし、水産会社の人も考えます。みんなでやったら、ひょっとしたらモデルができるかもしれないなっていうふうに思いましたね。宿泊・レストランもそうですけど、そういうのを作った方がいいのかもしれないし、一から作るのも大変やけど、なんか策があるのかなあとは。
さっきちょっとお話伺って、ご家庭は伊勢にあるけど南伊勢に働きに来てる人も多い、そういうのでもいいかもしれない。いやこれ町長はおっしゃるかもしれないけど、働いてくれるので悪いことではないです。小笠原のことをちょっと考えましてね、小笠原って若い人もすごいんですよ。高齢化率が低いんです。不思議ですよね。島やのに何でかっちゅうと、医療機関がない。年取ると皆さん東京に住むんですよ。小笠原は割とええのはね、若い時とかあまり病気にならないので、島に住んで、ある一定の年になると病気になりがちになるんで東京行くというのもあるかなと、話を聞いとって長崎の話と、それから東京・小笠原の話をしました。
もう一つは、海の仕事をしてましたんで、平成2年は日本は外洋採取漁業っていうのは世界一だったんですね。ところが、今、世界で8位。外洋採取漁業っていうのはなかなか難しい。その代わり、今伸びてきたのは養殖漁業です。これ安定してるっていうのがあって、水産庁もそこに力を入れているわけです。そうすっとある程度安定したものがあって、それにまき網がのっかってくる。そういうやり方を考えていかなあかんなという気がします。養殖をどこまで活かしていくか。それには種苗センターっていうのはすごく大事だと思います。
いろんなこと、取り留めないようなお話をしましたけど、すごく勉強させていただきました。またこれからもお話を聞かせていただきたい。ありがとうございます。

[長谷川]
ありがとうございます。
これ言っていただけるのかもしれないけど、会場の皆さんよろしければお手元にアンケートがあるそうですので、そこにぜひ地元を代表して喋らせていただいてる漁師の皆さんへのご意見でも、町長・知事への意見でもいいので、アンケートにご意見いただけると、知事読んでくださると思います。お願いします。 

[知事]
途中でも言いましたけど、県では県全体に移住者をどうやって増やしていくかって考えてますけど、南伊勢町も考えてる。我々はどこに支援をさせていただいたらいいのかっていうのはぜひ皆さんから教えていただきたい。

[長谷川]
みなさん言いたいこと言えましたか?はい、漁業チーム以上でした。ありがとうございました。

[司会]
まだまだ話したい内容があるかもわからないんですけども、この辺で終わりにさせていただきたいと思います。長谷川さん、司会の方どうもありがとうございました。最後知事の方から

[知事]
さっきも言いましたけど皆さん、今日お話を伺って、住むところで、単なる空き家ではない。それから人が集まるスペースがいる。そういうのもし作られるなら我々もご支援するようなこと考えてかなならん。あとは出会いをどうやって作っていくか。今日はしませんでしたけど、それはお話されてるとこの裏側にあるんかなと。それと若い方々が住まいされるときに、もっと賑わいをどうやって作っていくのか。それはコミュニティの話もあるのかもしれないし、介護の話も。いろんな話を聞かせていただきました。
これから南伊勢が発展をしていって、子供や孫の世代に美味しい魚をですね、残していけるというように我々はしていきたいと思ってますんで、また皆さんぜひお知恵をお貸しいただけると。どうもありがとうございました。

[司会]
これをもちまして、知事と県民との円卓対話を終了させていただきます。皆さんご参加いただきまして本当にありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?