見出し画像

下心のない学び

 昨年末の12/8(木)、長岡ゼミのオープンゼミがDNPプラザにて行われた。この日は長岡先生の著書である『みんなのアンラーニング論』の読書会ワークショップ。ファシリテーターはワークショップデザイナーの元木一喜さんであった。

 このオープンゼミでは3年生の4人がプロジェクトチームとなった。会場であるDNPプラザにラジオを流し、ブックセッションコーナーを設け、ホットコーヒーを提供したのは全て4人の持ち込み企画である。

会場の設営時間は慌ただしく過ぎていき、息つく間もなく参加者はやってきた。プロジェクトチームである1人のゼミ生は“カオスな空間にしたい“と言っていた。会場は正にはちゃめちゃな状態で、収まりきらないくらいに目白押しな企画に、当人はゲストを招いてのラジオDJに忙しそうであった。そしてワークショップは本番を迎えた。

 ワークショップで頭もしぼり切って、おまけに会場設営で体もヘトヘトだったけど、このツイートをした帰り道には確かな充実感があった。楽しい雰囲気の中、真剣に学ぶ。あの空間で体感したことは正にゼミで学んだ“Serious Fun”だと思えた。

ゼミで学んできた事が、この日起きたことに当てはめられた。自分で作った企画を自分で楽しむ“自作自演”に、あの所狭しと並べられて企画群は学びの場を“脱予定調和”の空間にしていた。

この日味わったのは、自分が今まで学んできたものがすんと腑に落ちたような感覚だった。ただ机上で学んだだけの概念と、それを実際に体感した概念では理解の度合いは異なるという。そして更にいうと、その概念を使って自分たちの手で企画を実現したプロジェクトチームとは更に格段の違いがあるのだろうなと思った。

 そんな“カオスな空間”を作ったDJの彼に、後日その感想を言う機会があった。

「ゼミや越境先で学んだ事をオープンゼミで活かしていて、すごいなと思った」

返答は自分が期待していたものとは違った。彼は、まずワークショップを成功させようとがむしゃらに動いてみて、後から振り返ったときに初めてこれまでの学びと繋がっていたことに気づいたのだという。

思わぬ答えだったけど、本当の学びはそうした下心のない純粋な思いから得られるものなのだろうな。そもそもそうでなければ、あんな空間つくれっこないか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?