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【ランニングエコノミーをあげるために必要なこと】文献レビュー

FIRST TRACKでは、身体の専門家がアスリートのトレーニングサポートしている知識や経験を活かして、市民ランナーの走りの診断所みたいな機能ももたせたいという思いから、治療やトレーニングサポートもしております。

そこで、今回はよくランニングエコノミーを向上させるためにはテクニックが必要なのか?ということについて深堀している海外の文献(レビュー論文)を紹介します。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4887549/

pdfはこちらhttps://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4887549/pdf/40279_2016_Article_474.pdf

長距離のパフォーマンスを構成する3因子として3つあげられます
・VO2 MAX (最大酸素摂取量)
・LT値 (乳酸性作業閾値) 
・ランニングエコノミー (走の経済性)

この3つについては、以前このNoteで説明しているのでご覧ください。
この論文でいわれているのは、同じ値のVO2Maxをもつランナーでも30%ものランニングエコノミーの違いがある場合があります。30%という数字は小さく感じるかもしれないのですが、大きな差となり現れます。

ランニングエコノミーは、競技のレベル、性別によっても異なるが、ランニングエコノミーに影響する因子としては、以下があげられるとされています。
・トレーニング
・環境
・生理学的要因 (速筋繊維と遅筋繊維の比率など)
・ランニングバイオメカニクス

etc…

これらの要因の中でも自分でコントロールできることに焦点を当てていきます。

トレーニング
プライオメトリクス-ストレングス/レジスタンストレーニング-インターバル-持久トレーニングなどの短い期間の介入によって2~8%のランニングエコノミーの向上が示唆されています。また、長い期間の生理学的なトレーニングの介入により15%ものエコノミーの向上も報告されています。筋肉と腱を単一のユニットとして考えてそれらを効率的に力発揮をさせるためのプライオメトリクストレーニング、効率的なフォームを習得する上で土台となるフィジカルの強さ。これらを自重の体幹トレーニングや、重さを扱うレジスタンストレーニングを行うことによって向上させていきます。

ランニングバイオメカニクス
いわゆる走り方(ランニングフォーム)もランニングエコノミーに関わってきます。何が良いフォームで何が悪いかというのは、もちろん客観的に美しい走り方かどうかということも1つの指標であります。なぜアスリートはかっこよく走れているのでしょうか。それは、無意識にランニングエコノミーが良い走り方を選択した結果、姿勢が良く、上半身と下半身が連動し、最小限の重心の上下動で、腕振りも効率良い走り方で走れているが故に美しいフォームになるのです。速いから美しいのではない、美しいから速いのである。速さは結果であり、良いフォームを正しい努力で習得すれば、自ずと速さはついてくるのである。

これらの因子は、適切な方法でトレーニングをすれば向上できる。
要するに努力次第でランニングエコノミーは向上することができるということである。

では、ランニングエコノミーを向上させるために必要な、フィジカルトレーニングでは、どういったトレーニングが効果的かまた理想のランニングフォームを習得するために何が必要か、また次回の記事で説明していきます。

和田 俊明

ランニングフォームについては、オンラインセミナーで【良いランニングフォーム】と【悪いランニングフォーム】を比較して説明しています。
セミナーのアーカイブをご覧になりたい方は、有料記事に動画のリンクを貼っていますのでいつでもご覧になれます。

https://peatix.com/event/3932882/view


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