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[阪神]プロスペクトランキング2024

はじめに

NPBプロスペクトランキングを正月に掲載しました。
そしてシーズンが進み続々とルーキーが一軍デビューし、プロスペの線引きが難しくなってきました。(NPB新人王資格で考えると続々と失効するため)
なので今回は阪神タイガースにだけ絞ってランキングを作ってみたいと思います。

岡田監督以下、現体制の阪神タイガースは、秋季、春季のキャンプで一軍レベルの実力が無いと判断していた選手に関しては、シーズン中に実力の向上が見られた場合でもコールアップしないと感じている。
言い換えれば見極めた一軍戦力を大事にしているわけで、メジャーの40人枠に近い運用をしているのかもしれない。
2023年度だと野口恭佑のようにファームで結果を出していても、支配下契約が秋にずれ込むケースがあった。
これを踏まえると、現状保有するプロスペクトのデビューは2025年度以降になる可能性が高い
際限なく入れ替えが出来るNPBにおいて、シーズン中にも関わらずプロスペクトランキングを作成できると判断した理由はここにある。

球団も二軍の新球場建設に着手するなど、プロスぺクトに対する認識がしっかりしていると感じている。
この記事10000字あります。

開幕一軍や四月デビューのプロスペクト達は大事なので全球団分別に書いています。よければ読んでください。


2024年正月に作成したランキング

まずは2023年のパフォーマンスを元に、新人を除外したランキングを当時作成している。まずはこれを記したい。
正月はNPBでTOP100を出したので全体順位も記す。
No.1門別(9),No.2中川(17),No.3野口(35)
No.4遠藤(38),No.5岡留(50),No.6前川(57)
No.7富田(63),No.8井上(64),No.9榮枝(79),No.10高寺(90)
No.11井坪(93),No.12森木(96)No.13鈴木(98)

厳密な選考基準は設けておらず、例えば前川右京は2023年に107打席消化しているがランキングに入れていた。(NPB新人王資格は60打席で失効)
今回は基準として、24歳以下という条件を設ける。
一軍で消化している打席数や投球回数、サービスタイムは厳密に考慮することはせず、筆者が一軍デビュー済みと判断した選手に関してはランキングに含めない事とする。

2024年春プロスペクトランキング

プロスペクトを卒業とみなした選手

投手なら100イニング、打者なら300打席というのが巷で主な基準とされている数字だが、該当の有無に関係なくプロスペクトを卒業したと筆者が見なした選手を以下に記したい。
岡留 英貴/右投手/25歳/21年5位
今シーズン勝利の方程式入りを果たしている変則右腕。プロ入りから2年間は8試合7回の登板に留まるも、コマンドの改善によって開幕一軍入りし大事な場面で投入されている。
・及川 雅貴/左投手/23歳/19年3位
2021年に一軍デビュー
。39試合に登板し39回38奪三振。2022年は1試合のみだったが、優勝した2023シーズンは33試合36.1回40奪三振で防御率2.23
21年と23年の違いはコントロールが改善したところ。
チーム状況のせいで起用法がはっきりしておらず、難しい。オープン戦でクイックの課題が指摘されたが先発として起用したい。
・小幡 竜平/内野手/24歳/18年2位
2023年まで通算で297打席。まだ基準上はプロスペクトだが、この打席数に留まっているのが残念でならない。走力を活かした広い守備範囲と、またそれを発揮できる強肩が魅力
昨年は状態を落とした結果、木浪にレギュラーを奪われたとみられているが決して状態は落ちておらず、78打席ながら22安打を放っている。アプローチ面は若干粗削りだが身長は184cmありパワーも持つ。
・前川 右京/外野手/21歳/21年4位
23年/33試合.255(94-24)0本7点0盗 .346/.330/.676
WAR/0.2  wRC+/118 UZR/0.7(RF) UBR/-1.0
阪神の野手No.1プロスペクト開幕スタメンだったのでランキングから外した。選球眼がよく広角に飛ばせる打撃センスが持ち味。試合では角度を出すのに苦労している印象はあるがハードヒットも多く高卒三年目では非常に満足。
柔らかいバットコントロールから流してのゴロヒットも可能だが、オープン戦で見せていた、高めをしばいて、左中間へ持っていくヒットが本来の打撃スタイル。昨年同様150㌔オーバーにも対応出来ており、絶対今期中に卒業の基準とされている300打席の条件を超えて欲しい

プロスぺクトランキング

No.1 門別 啓人

データ及び評価

誕生日:2004/7/10 身長:183cm 体重:86kg 左投左打
投球:145~151の直球+スライダー+ツーシーム
フロア評価:先発ローテ3~5番手
シーリング評価:日本代表左腕

寸評

首脳陣とファンの期待を一身に背負うエース候補。
年齢を考えれば完成度が非常に高いプロスぺクトで、既に一軍の戦力入りは果たしている。フォームに再現性があり、コースを間違えることが少ない
同チームの及川雅貴のような回転は無いが、無駄のないフォームからのクロスファイアは威力を持ちそう。

キャンプ中から実践を多く積んできたが、登板のたびに反省点を口にしておりその向上心もこれからに活きていくだろう。
一軍デビューは2023年9月15日の広島戦で、その実力を見せつけた。
2024年は一軍ローテに入る事は最低限で、先発として50イニング消化する事が最初の目標になるだろう。

No.2 中川勇斗

データ及び評価

誕生日:2004/1/27 身長:172cm 体重:75kg 右投右打
打撃:小柄だが思い切りの良い打撃が持ち味
フロア評価:2番手捕手
シーリング評価:wRC+が120を超えるチームの正捕手

寸評

野手プロスペクトトップ評価。正月に考えたランキング同様球団内二位となった。中川の持ち味はなんといっても打撃。
プロ入り一年目二軍で、.380/.455/.835と打ちまくり強烈なインパクト。それもこれは一過性のものではなく、二年目となった2023シーズンは.319/.424/.744と十分計算の出来る数字を残した。
2022年に24.3%あったK%は2023年に20.1%と良化しており、積極的なアプローチは変わらずも年々上達の跡が見られる。
2022年に29試合だった捕手での出場も2023年は50試合に伸びており、和田豊二軍監督の起用法にも注目したい。
2024年は二軍において藤田や榮枝、はたまた片山にスタメンマスクを譲る機会もあるが、体調に留意しながら完走してもらいたい。

No.3 井坪陽生

データ及び評価

誕生日:2005/3/17 身長:177cm 体重:88kg 右投右打
打撃:バットを上段で寝かせる特徴的なフォームから広角に。
フロア評価:対左投手要員のLF
シーリング評価:CFを平均程度守れるリードオフ

寸評

卓越したバットコントロールで2023年二軍でセンセーショナルな活躍をしたプロスペクト。通年だと93試合に出場し打率.248だったが、夏場までは.300を超える打率を残しており、技術の高さを伺わせた
ただ四球11個三振43個のアプローチ面には課題が残っていた。
外国人選手のように腰が入ったフォームから強振し、安打を放つ姿は新鮮で魅力的である。スイングはレベル気味だがそのおかげか高めを苦にせず、広角に持っていくことが出来ている。

守備においてはセンターを任される事も多く、ずっしりとした体形ながらも動けている印象。
年が変わって2024年、やはりスタートダッシュに成功しているが17.8%あった三振率もサンプル数の違いはあるが12.0%前後に落ち着いており、改善の見込みがありそうだ。
4月後半に入ると上位打線での起用も増え、後ほど紹介する高寺と共に楽しみな存在となっている。

No.4 高寺 望夢

データ及び評価

誕生日:2002/10/17 身長:178cm 体重:76kg 右投左打
打撃:強くライト方向に引っ張れるタイプ
守備:2B、3Bだけでなく、ショートも守れるとの評価
フロア評価:対右投手要員の2B・内野全体のバックアップ
シーリング評価:正遊撃手兼OPS.700超えのリードオフ

寸評

球団では10代野手として初めてCSにスタメン出場したプロスペクト
現在一軍で二塁手をつとめている中野拓夢と同タイプの選手。
守備に関しては、なかなか同僚がショートに残れない中で、ショートに残る事が出来そう。チーム状況でセカンドやサードでの出場も多いが、首脳陣もまずはショートで考えていそうだ。
ただ走力と強い肩力で広い守備範囲を持つも、22年11個23年12個の失策数に目を瞑るわけにもいかないか。

打撃に関しては広角に打てる上に、引っ張れるところが魅力でファーム通算7本塁打も二塁打25本三塁打8本の長打力はチームに貢献する所が大きい。
ライト線や右中間を抜く打撃を極めていけば一軍のチャンスは大きく広がりそうだ。元ソフトバンクの川崎宗則が理想像だろう。

No.5 富田 蓮

データ及び評価

誕生日:2001/9/6 身長:174 体重:76 左投左打
投球:テンポよくMax140中盤の直球と変化球を投げ込む
フロア評価:中継ぎとしてハイレバレッジシチュエーションにも。
シーリング評価:先発4~5番手

寸評

ルーキーイヤーに開幕一軍を勝ち取っている有望株。昨シーズン既に初勝利もあげている。身体が大きくないので出力は小さく、4シームの球速は140前後が多い。そのため、2023年エスコンで投げた時のように投球の形が崩れると苦しく打ち込まれる事も。
球種はカットボール、チェンジアップ、スライダーなどで、これを織り交ぜ投球術で打ち取るスタイル
二軍戦では先発起用が続くが、体力面に若干の課題があり長いイニングをきっちり投げ切る前に捕まっている印象。
ただ、ショートイニングならそれなりに抑えているので中継ぎでのコールアップが現実的
スケールは大きくないがすぐにでも一軍で使えるという点で5位とした。

No.6 山田 脩也

データ及び評価

誕生日:2005/8/20 身長:177 体重:71kg 右投右打
打撃:身体のバネを活かし広角に打ち分ける
守備:軽い。動きが本当に軽い。
フロア評価:チームの正二塁手or併用ショート
シーリング評価:オールスター選出レベルのショートストップ

寸評

仙台育英で1年秋からレギュラーをはっていた、スター候補生。
打撃はヘッドを入れるフォームから全身を使って打球を飛ばしているので、これが一軍レベルの球速に対応できるかが課題となる。
守備面は極めて優秀。キャンプ中でも難なく打球を捌いていたのに加え、タグプレーの上手さが筆者の頭に残っている。名門で揉まれた守備の上手さが出ていると感じた。
2024シーズンがはじまると高卒一年目ながら早速起用されている。チームの試合数で80%程の出場機会を貰い、徐々に安打も出てきた。
チームの正ショートは小幡竜平に期待がかかるが、その次の世代としては一番手となる。

No.7 井上 広大

データ及び評価

誕生日:2001/8/12 身長:188cm 体重100kg 右投右打
打撃:22,23年にファームで11本放つパワーが持ち味
フロア評価:一軍代打・対左投手要員のLF
シーリング評価:中軸を打てるLF

寸評

20年にデビューし23年までの4シーズン、ファームで通算40本放っている長距離砲。致命的な欠点はその三振の多さ。全カテゴリー通算で、34.7%→34.5%→32.2%→30.5%と推移している。ゾーンの出し入れと言った教科書通りの攻めに弱く、なかなか改善されてこなかった。

2024シーズンはキャンプからノンステップ打法に取り組み、二軍成績では三振率を24.3%まで下げる事は出来ている。
ノンステップにしたことで上半身の無駄な動きが消え、トップも決まりやすくなった印象を受ける。
当然打球方向にもバリエーションが増え、ライト方向に強い打球を飛ばすことも可能となったか。
長距離砲はロースターの中では貴重な存在。野口恭介らと共に粗さを許容し育てていきたい。レギュラーが固まっている一軍においてレフトは唯一と言ってよい穴。ノイジーの契約はやはり流動的で、最もチャンスのあるポジションだ。

No.8 遠藤 成

データ及び評価

誕生日:2001/9/19 身長:178cm 体重85kg 右投左打
打撃:逆方向への長打◎
フロア評価:3Bの2番手or対右投手要員のCF,RF
シーリング評価:正三塁手兼2番手二塁手

寸評

筆者が一番推している野手。それはさておき。
センター方向にもスタンドイン出来るパワーを備えた内野手。一軍デビュー済みの前川右京のようながっしりとした下半身から、綺麗な回転でパワーを生み出すメカニクス
2023年はファームで優秀選手賞に選ばれるなど結果が出たシーズン。OPS.691は4シーズンの中で一番良い数字でスラッシュラインそれぞれが、毎年上昇していることにファンとして喜びを感じている。
初年度34.8%あった三振率も20.5%にまで良化し、打撃での安定感は日に日に増している。和田二軍監督からの評価も高く、ファームではレギュラー格として起用されている。
一方で、セーフティバントといった小技を見せる場面もあるのだが、彼本来の姿は広角に強いライナーを打ち分けることにあり、スイングしてアピールをしていきたい。もちろんサインプレーの場合もあるが小技に頼って欲しくない。この点は今成亮太氏が解説で言及しており、膝を打ったものである。

遠藤の場合課題は守備となる。UZRに代表される守備指標では大きくプラスなのだが、簡単な送球ミスをする事もあり、前の打球に若干の脆さを感じる場面も。SSに残れなかった理由でもあるが、守備面の確実性を上げることが一軍への道と言ってよさそう
無論守備範囲の広さと肩の強さによる貢献度は高く、この辺は失わないでもらいたいところ。

No.9 茨木 秀俊

データ及び評価

誕生日:2004/6/8 身長:182cm 体重:87kg 右投右打
投球:Max147㌔の直球+種類の違うスライダー+チェンジアップ
フロア評価:勝利の方程式
シーリング評価:ローテーション1~3番手

寸評

門別と共にキャンプで一軍に帯同したプロスペクト。
北海道に凱旋したオープン戦では門別と同じ3月2日に登板。2イニングを無失点で切り抜けた。
ただ、門別と比べた時にコマンド面での差を感じたと共に、4シームの出来はやはりまだ発展途上。
捕手によって結果が変わったといったコメントも首脳陣から出ていたが、気合が空回りしていたというのが本人談。それでも無失点で帰ってくるところがプロスペクトたる所以で、修正力を見せつけた

打たれてる映像を出すなよ。
Maxは150に届くレベルまで来ており次のグレードに上がるためには球速ではなく質の問題となる。そもそもまだ身体は出来上がっていないはずで、門別の完成度の高さに焦ってはいけない
変化球も含めバリューを上げていき2025年度の開幕一軍を目指したい。

No.10 戸井 零士

データ及び評価

誕生日:2005/1/18 身長:181cm 体重:78kg 右投右打
打撃:トップの位置から振り出す様が綺麗。体感の強さを感じる。
フロア評価:対左投手要員の3B
シーリング評価:オールスター選出レベルの3BorLF

寸評

強打が売りの内野プロスペクト。細身ながらツボに来た時にスタンドイン出来るパワーも持っている。
ファーム打率.144と苦しんだルーキーイヤーだった。守備面でもSSで14失策と苦労し、SSには残れなさそう
2024シーズンからは3Bに本格的に挑戦しており、ここでは堅守を披露。豊富な内野プロスペクトの中でも3Bを任せられるくらいには打てており、これからに期待が持てそうな2年目。
変わったのはバッティングフォーム。1年目は肩で寝かしていたが、トップを作って始めるフォームに改良。タイミングの取り方がうまくなり、無駄を省いた事でパワーもスムーズに伝えられるようになった。
足元はベイスターズ宮崎敏郎と似ており、これも特徴の一つ。

映像を見ればわかる通り、フォームを微調整してきた。フォームの差異はあるが天性の角度は変わらず、魅力ある打球を放つ
ホットコーナーを守り毎年15本程度打てる可能性を秘めており、大切に育てていきたい。

No.11 ホセ・ベタンセス

データ及び評価

誕生日:1999/10/17 身長:183cm 体重:102kg 右投右打
投球:150中盤の直球を軸に奪三振能力に優れたリリーフ
フロア評価:平均的リリーバー
シーリング評価:リーグのトップクローザー

寸評

球団が初めてドミニカ共和国で開催したトライアウトで、見つけた原石。
経歴はマイナーでの登板のみ。マイナーでは投球回数と同程度の四球を出しており、whipが1.60を割った年が無い。一方で奪三振率12.00を超えるシーズンもあって典型的なハードボーラーと言えよう。
ゴロ率でみるとカテゴリーの違いはあるが岩貞(51.6%)や加治屋(66.4%)が2023年に出した数値と似通っているシーズンも(50%を割ったシーズン及びカテゴリーが無い)。球威で圧せるピッチングスタイルなのがわかるし、打球管理が出来そうなところはポイント。
来日後ファームで試合に臨んでいるが、前評判と違って大崩れしないところがサプライズ。ゾーン内に収まるボールが多くそれでいて多少の荒れ球。
直球は常時150㌔を超え、スライダー系のコマンドも十分。ファームで打たれる感じは無い。既に連投テストもクリアしており早い段階での支配下も視野に入る。
状態が落ちた際にリリースポイントがブレるのでその点が心配。

No.12 野口 恭佑

データ及び評価

誕生日:2000/7/17 身長:180cm 体重:86kg 右投右打
打撃:強いリストでスタンドに放り込むアーチスト
フロア評価:一軍代打・対左投手要員のLForRF
シーリング評価:二桁本塁打が計算できるRF

寸評

2023年秋に支配下契約を勝ち取った大砲。ファームで打率.306、OPS.785と結果を出して一軍戦力としてのチャンスを得た。
ただ、シーリング評価が少しトーンダウンしてしまったプロスペクト。
理由は一軍クラスのボールに対応できなかった事。打撃練習ではチームで一番と言って良いほど飛ばし、実戦でもバットを折られながら外野に持っていくなどパワーの片鱗は見せつけるも、脆さが印象に残ってしまった

ファームではボールを引き付け強振出来ていたが、【早いボールに差し込まれる→始動を早める→変化球に対応できない】とバッティングが完全に崩れてしまった。
三振率はファーム一年目15%台だったのだが、一軍の壁に当たった格好だ。
井上広大同様、貴重な長距離砲候補。外野だけでなくサードでの練習も行っており出場機会を広げながら研鑽を積んでいく。

No.13 藤田 健斗

データ及び評価

誕生日:2001/10/18 身長:173cm 体重:80kg 右投右打
守備:2023年は46試合でマスク。安定感が出てきた
フロア評価:三番手捕手
シーリング評価:投手による併用捕手

寸評

インサイドワークを評価される若手捕手。中川とタイプの違う捕手として期待される。和田二軍監督の起用にも表れており、2024シーズンは藤田がスタートからマスクを被る機会が多い。
一軍キャンプに呼ばれた今年、中川と揃って怪我で離脱したのが無念でならないが一軍のプレーを確認できたことはプラス。
2023年打率.212、OPS.531に終わった打撃面を改善することが第一か。本人も勝負の2024シーズンに向けてバッティングを意識しているようで、その成果が表れるか。片山や榮枝に打席を奪われている場合ではない。

No.14 下村 海翔

データ及び評価

誕生日:2002/3/27 身長:174cm 体重:73kg 右投右打
投球:Max155の直球+多彩な変化球
フロア評価:勝ちパターン
シーリング評価:ローテ2~4番手

寸評

青山学院大学時代、全日本大学野球選手権の優勝に貢献したエース候補。ドラフト一位で入団したが、早々にトミージョン手術を受けることに。
ピッチングスタイルとしては、カットボールやツーシームといった横変化を得意とし、2023年新人王村上頌樹に似たタイプ。球団としても村上の育成ノウハウを元に下村の育成を考えるつもりだろう。
メスを入れる事となったが、体格からしてまだ身体づくりの段階だったとポジティブに考えたい。投球動作まで時間はかかってしまうが、エースポテンシャルはあるだけにゆっくりと下地を作る時期となる。

No.15 石黒 佑弥

データ及び評価

誕生日:2001/6/20 身長:180 体重:83 右投右打
投球:140台後半のストレートと縦割れのカーブが持ち味
フロア評価:30~40試合に登板するリリーバー
シーリング評価:勝ちパターン

寸評

ドラフト五位ながら即戦力のリリーバー。オープン戦での結果が芳しくなかったので二軍スタートとなった。

ファームでも勝ちパターン及びクローザーの役回りを務めており、球団の姿勢はわかりやすい。
二段モーションからしなりを活かしたメカニクスで、150㌔に迫る直球には威力がある。石黒の場合はカーブが特徴的で変化量も大きくコントロールも崩れない。既にカウント球としては困らないレベルにあり、これが決め球としても使えるようになれば一軍が近づく。
現段階でも一軍のリリーフとして起用できそうだが、より上のフェーズに行くために、現巨人のカイル・ケラーがそうだったように、フォークの精度を上げることも一案だろうか。

16位以降のプロスペクト

なんでかロースターにトミージョン経験者が多く、川原もその一人。
川原、鈴木はコントロールさえなんとかなればという点でこの順位。
福島も一芸があるので17位に位置付けた。

森木大智が19位なのは寂しい。プロ一年目一軍登板も経験したプロスペクトだが、出力不足とコントロールに課題を残し、ビルドアップしなければならない項目が多い印象。まだプロ三年目なので判断するのは早計であるが、天井と戦力化のバランスを考えてNo.15までにはランクインさせない方針を取った

まとめ

1位から15位まで詳しくランク付けしてみた。
投打のバランスは、投6捕2内4外3
村上頌樹と桐敷拓馬の両投手プロスペクトがデビューした割には、投手プロスペクトが豊富。加えて西純矢、才木浩人あたりもまだ若く伸びしろある選手ばかり。
平均年齢が低いチームではあったがここまで投手陣が整備されているとは驚いた。

野手プロスペクトも豊富。SSに残れそうな高寺山田、2B,3Bには遠藤戸井が打力を磨きながらディフェンス面を鍛えている。
一軍でCFが出来そうな外野手は多くないが、井坪の打撃センスをもってすれば多少の粗は相殺出来るだろう。

現状ファームにおけるチーム成績は芳しくないのだが、プロスペクトは順調に来ており試合を見るのは楽しい。常勝タイガースを築くためには、ここ何年かの動きがカギとなる。

青柳晃洋、坂本誠志郎、大山悠輔、原口文仁、糸原健斗の5選手が順調ならばFA権を取得する今オフ。5選手皆チームに対する大きな貢献、実績、人気があり放出することは考えにくい。
慰留に全力となるだろうが、もし万が一に全員流出するようなことがあっても、2025年を私は戦えると思っている
それぐらい鳴尾浜に自信が持てるランキングだと思う。

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