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人生が想像どおりにいくほど、人の想像力は豊かではない


2024年5月2日(木)朝の6:00になりました。

知識には限界があるが、想像力は世界を包み込む。

どうも、高倉大希です。




人生の8割は、予想外のできごとで構成される。

この考え方には「Planned Happenstance」という名前がついています。


日本語で言うところの、計画的偶発性理論です。

1999年に、スタンフォード大学のクランボルツ教授によって提唱されました。


子どものころに思い描いていたとおりになった大人なんてほとんどいない。

言い換えるならば、そういうことです。


およそイノベーション(革新)は、異質なヒト、情報、偶然を取り込むところに始まる。官僚制とは、あらゆる異端・偶然の要素を徹底的に排除した組織構造である。

戸部良一(1991)「失敗の本質」中央公論新社


思いどおりにならない。

そう聞くと、なんだかネガティブな印象を受けます。


しかし、冷静に考えてみればそりゃあそうです。

子どものころの想像力なんて、たかが知れています。


徒歩圏内が、この世界のすべてだったわけです。

そんな当時の想像どおりに未来が展開される方が、随分とおかしな話です。


ここで言いたいのは、人間は無知である、ということではない。人間は自分が思っているよりも無知である、ということだ。私たちはみな多かれ少なかれ、「知識の錯覚」、実際にはわずかな理解しか持ち合わせていないのに物事の仕組みを理解しているという錯覚を抱く。

スティーブン・スローマン、フィリップ・ファーンバック(2021)「知ってるつもり」早川書房


じゃあ大人になればあらゆるものごとが、想像どおりに進むようになるのか。

もちろん、そんなことはありません。


子どものころと比べれば、できることは増えているはずです。

未来に先まわりする計画力も、身についているかもしれません。


しかし言ってしまえば、ただそれだけの話です。

ひとりの人間が想像できることなんて、そもそも大したものではないのです。


長生きすればするだけ、自分が新しいゾーンに入っていくからね。知らないゾーンに入ったときは、いつも初心者になれます。そんな簡単に「初心に戻れ」ったって戻れないですよ。

横尾忠則(2021)「YOKOO LIFE」ほぼ日


人生が想像どおりにいくほど、人の想像力は豊かではない。

いま考えていることなんて、未来にはどうせ変わります。


べつに、投げやりになっているわけではありません。

想像できないからこそおもしろいだなんてことを、言いたいわけでもありません。


これは、ただの事実です。

ネガティブなわけでも、ポジティブなわけでもありません。






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