竹信俊彦

カメラ・写真・歴史・やきもの・読書 好き 仕事は大学教員 専門は口腔外科学

竹信俊彦

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最近の記事

ライカと出会って30年 -私のライカ遍歴-

趣味や好みは人それぞれ。車の運転が好きな人、遠出をするのが好きな人もあれば、車そのものを愛でる人もいる。写真の世界でも然り。 写真を撮ることが好きな人、撮るのも好きだがプロや有名人の撮った写真を見るのが好きな人、そしてカメラそのものが好きな人が厳然と存在する。読書だってそうだろう。紙や印刷の匂いのする本そのものが好きな人、見事な書棚に並んだ様を愛でる人もいるのであるから。 動画サイトを見ていると多くのライカ好きの動画がアップされている。中にそれを批判する動画もある。多くの

    • ステレオの思い出

      昨年夏に亡くなった父は若い頃からいろいろ趣味を持っていた様である。私が中学に上がり、吹奏楽部に入ってトロンボーンを吹き始めた後に、父から自分も吹奏楽部でユーフォニュームを吹いていたことを聞かされた。二十歳を過ぎて自動二輪の免許を取った時にも、父から昔オートバイが大好きだったと聞かされた。息子というものは不思議と父親と同じ様な趣味を持つものだと、はっきり思う様になった。 私が生まれた家は、二軒続きの長屋であった。風呂が無く、この家を12歳で出ていくまで、近所の祖父母の家に毎晩

      • 飛行機から見た古墳群

        週末に一泊で那覇市に行ってきた。ANAのSFC修行の一貫である。ただ行って帰るだけでは虚しいので、10年ほど前に時々訪問したビストロにお邪魔した。週末の沖縄は雨予報、現地の人によるとそろそろ梅雨入りと思っていたのに、予想外に晴れた。 翌日曜日は昼前の飛行機で大阪伊丹空港に帰る。真昼間で快晴だから地図を見る様に地上の様子が窺える。高知から徳島を抜けて、左手に淡路島を見ていると、すぐに和歌山市上空に差し掛かる。これまた一昨日まで行っていたところなので、和歌山城から泊まったホテ

        • 近接撮影とライカ

          長い間、リコーのGRシリーズを使っていて最も良いことは軽いこととマクロ撮影が出来ることが挙げられる。例えば不意に入った喫茶店などで、カップを撮ったり、バーでグラスや酒瓶を撮るのが好きだから。 しかしライカのズミクロンにしても最短撮影距離は70cmだから、手元のグラスを撮ろうとしても随分と後ずさりしながらでないと撮れない。 そこで昨年は出たばかりのズミルックス50mm を購入したのだが、これが大きくて重い。もちろん申し分無い画像であるが、もっと小さくてもっと寄れないかな

        ライカと出会って30年 -私のライカ遍歴-

          神戸の街とライカM11monochrome

          1998年に転勤で神戸に住み始めた。それまでは81年の神戸ポートピア博覧会など数えるほどしか神戸とは縁が無かった。 住んでみると夜景は綺麗だし、大好きな中華料理店は山ほどあるし、海と山がすぐ近くでオシャレなお店も沢山あって、永住することになった。職場の先輩に毎晩神戸大橋から見る夜景が綺麗だというと、どうせそんなのはすぐに飽きるよと言われたが、いまだに飽きることはない。 40代後半にフィルムライカを手にして以来、デジタルライカに進化しても神戸の街歩きは飽きることがない。

          神戸の街とライカM11monochrome

          Leica M11 銀座〜日本橋をゆく

          池波正太郎の「銀座日記」を読んで銀座を歩く。吾妻通りの新富寿司やアップルの裏手の煉瓦亭、そして銀座ライオンなども全て池波正太郎のエッセイで知った。もう20年以上になる。新富寿司は残念ながら閉店となるも、お弟子さんの店が新たに出来て同じ味を受け継いでいる。 銀座はしっかりと空が見える。空間が広いのも良い。35mmくらいが丁度いいように思う。 M11でのモノクロ撮影とカラーの使い分けは極めて簡便にできる。けれどそれほど一撮影では変えないことが多い。これってやっぱり

          Leica M11 銀座〜日本橋をゆく

          ライカM2と歩いたウィーン

          10年少し前にウィーン大学医学部で講習を受けに行った。日本人は私1人であった。この時は日中は朝から夜まで講習を受けていたので、到着日と講習中の夜、そして終わった日にM2を持って街中を歩き回った。 ドンケのカメラバックにM2とカラーおよびモノクロフィルムを沢山詰め込んで準備した。 そして小さなメモ帳にauroraの万年筆、LAMY2000シリーズの万年筆、4色ボールペンとシャープペンシルも一緒に。 それからレンズは、Summicron50mmと35mm、さらに始めて

          ライカM2と歩いたウィーン

          ライカモノクローム専用カメラの衝撃

          調べてみるとM型ライカモノクローム専用機は2012年に発売されたらしい。私はそれを発熱で伏せっているベッドの中で記事を読んだような気がする。その頃私は中古のライカM2とM6、それにRICOH GR Digital IIIあるいはIVと併用していた頃だった。新品のデジタルライカを遠い存在として見ていたので、さらに高価なMモノクロームにかなりの衝撃を受けたのだった。 すでにデジタルカメラ全盛で、M型ライカでさえ2008年にはデジカメに変貌している。それがカラー写真が撮れないモ

          ライカモノクローム専用カメラの衝撃

          RICHO GRIIIのモノ撮り

          RICOH GRを20年は乗り継いでいる。ズボンの尻ポケットに収まるサイズと軽さ。単焦点レンズという潔さ。プロの写真家がこれだけで写真集を出す程のその画質の良さ。フィルム時代から改良される続けるロングモデル。 どれをとっても写真好きカメラ好きの所有欲と満足度を約束してくれる稀有なコンパクトデジタルカメラであろう。 僕が取り分け気に入っているのは、マクロ撮影機能だ。現在保有しているGRIIIは、以前保有していたGRDigital III, IVに比べれば最小撮影距

          RICHO GRIIIのモノ撮り

          ライカと歩く

          一昨年の年末にM11を買った。合わせたレンズはライカ最小のElmarit28mm。 これで撮り歩いた神戸の街は外国になった。 なんと言うか、自分の目で見えている以上に昇華された映像になるのだ。ライカはもっと以前にパリの中古カメラ店で買ったM4-Pから始まり、バルナックやM2. M6と使い続けてきたけれど、デジタルの便利さと美しさは格別である。 還暦手前になって初めて現行ライカを定価で買うことは勇気がいったが、一旦買ってしまうと次々と購買欲が出て、M11monoch

          ライカと歩く