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夜明け1


春の嵐がモクレンの名残の花々を連れ去り
柔らかな緑の葉が日ごとに庭の木々を覆っていく
そんな季節の推移に呼応するように
二女が里帰りし
臨月を迎えた
「いま、足でぼんぼん蹴ってるよ」
お腹の手が波打っている
娘の深い笑み
小柄な娘の尖ったようにせり出したお腹に
生命が2つ宿っている

眠る娘は透明な膜のような光に囲まれている
妻が娘を身籠もっているときもそうだった
その色を何と言えばいいのだろう
体の深奥と静かに共鳴する
夜明け前に東の空に現れる色
生命を育む神秘の時間を染める色




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