海外旅行慣れしていないふたりが、新婚旅行でニュージーランドに行った話#8
特盛2点目 ハラハラ
レンタカーを無事に返し終え、ホテルに戻る。
しかし一息つく間もなく、特盛2点目がきた。
ー 部屋のトイレに入り、流すボタンを押した瞬間
「ジリリリリリリリ‼︎ ほにゃららwarning‼︎ほにゃららwarning‼︎」
!!???なに!?
急いでトイレを出ると、旦那も目を丸くして立っていた。
「え?なに?なんかやっちゃった?トイレ流す押した瞬間なんだけど」ジリリリリリ‼︎
「俺も冷蔵庫の電源押した瞬間なんだけど」ジリリリリ‼︎
…なんなんだよめっちゃジリリリリリリ‼︎鳴ってるし
…ほにゃららwarning!!warning‼︎言ってるし
いやいやほんと何事?と思い部屋のドアを開けると、
他の部屋からゾロゾロと人が出てきていた。
「ちょ、とりあえず出ようか」
アナウンスは全く聞き取れなかったが、おそらくホテルの火災報知器が作動している。と分かり、他の人達について行くように非常階段をかけ降りていく。
外に出るとお客さんやスタッフが集まっていた。
お風呂に入っていたのだろうか、バスローブ的なのを羽織ってスリッパのまま出てきている人も。
ホテルの前を走る車は皆、なにがあったんだ?とこちらを見て通り過ぎる。
すると消防隊員がゾロゾロとやって来て、ホテルに入って行った。
…なにが起きたんだろう。
しかしこの時点では煙はあがっていない。
そして手ぶらで来てしまった事にここで気がつく。
財布も携帯も部屋に置きっぱなしで来てしまったのだ。
…うわぁまじか。と、自分の危機管理能力の低さに呆れた。(旦那はしっかり持ってきていた)
待っても待っても様子は一向に変わらなかった。
初めは不安気な表情をしていた人が多かったが、なんとなく「誤報」という雰囲気が漂っていく。
そして解除されたのは、
火災報知器が鳴ってから約1時間後。予想通り、誤報だった。
(私たちのトイレの流すと冷蔵庫も関係なかった)
調べるとニュージーランドの火災報知器はかなり誤報が多く、消防救急局のホームページには「どうすれば火災報知器の誤報を減らせるか」というページがあるくらいらしい。笑
思っていたよりも待たされたが、何はともあれ火事ではなくて良かったと。胸を撫で下ろし部屋に戻る。
夜ご飯は外に食べに行こうと思っていたのだが、なんか外行くのめんどくさいね。荷物軽くしたいね。となり、お昼の残りと日本から持ってきた棒ラーメン、わかめご飯で済ますことに。
実はこの9日間、レストランのようなかっちりしたお店に一度も行けなかった(行かなかった)。
ニュージーランドは元々イギリス領だったこともあり、郷土料理らしいものがあまりないのは事実。
それでも美味しい食材はたくさんあるし、現地のご飯をその場所の雰囲気の中で食べるのもまた違うのに、今思うと本当にもったいないことしたなぁと後悔している…。
日が暮れない
部屋に戻れたのが17時半頃。
そこからご飯を食べ、写真を整理したりしながら過ごしていた。
結構時間経ったなぁと、ふと窓の外を見る。
…まだ明るいな。今何時?
11月下旬のニュージーランドは初夏にあたるため、日本と同様、夏季は日照時間が長くなる。
またニュージーランドでは9月末〜4月頭までサマータイムを適用しているので、通常よりも1時間早く時計が進み、余計に日が長いと感じてしまうのだ。
この違和感はニュージーランド初日に既に感じていて、
(他に書くことが多過ぎて、このタイミングに)
「え!まだ20時?!明るッ(嬉)!まだ遊べるドン!」
こんなテンションで毎日ついつい夜更かししがちになり、毎朝起きるのが辛かった。
特盛3点目、アセアセ
翌日はミルフォード・サウンドのクルーズツアーのため、早起きの予定。そのため早々にお風呂に入った。
そして、最後の特盛。1番デカいやつがここでやってきたのだ。
髪も身体も洗い終え、足元を洗い流す。そしてシャワーを上に上げた瞬間。
「カシャンッッッ!!!!」
…は?
一瞬なんの音か分からず足元を見ると、プラスチックのトレーが落ちていた。
…あー。外れちゃったんか。どこだ?ここか…ん?割れてる。
一呼吸をする。
…いやいや待てよ。もともと外れやすくてうまい具合に固定されていたのかも?
とカチャカチャはめてみるものの、はまらない。ずれる。落ちる。よく見ると破片が足りてない。
…いやいや待てよ。下に落ちてるかも?
と床を探してみるも破片がない。どこにもない。シャワーの水で排水溝INしちゃったっぽい。
真っ裸のまま数秒フリーズする。
確かにさっきまでこのトレーの上に、シャンプーやらコンディショナーを置いていたのに、こんな不安定にならんよな。
…よし認めよう。壊しました(涙)
いやいやなんだよこんなトレー全然大丈夫っしょ。
だなんて、言いたくても言わないでほしい。
なにせここは海外。
そして何度も言うが、わたしの英語力は全く話せない&聞けないほど壊滅的なのだ。
「どうしよおおおぉ。涙」
風呂に出るなり壊してしまったことを旦那に伝える。
「いやいやそんくらい大丈夫っしょ。大袈裟なんだって」
一番言われたくない言葉を、一番最初に言われた。(怒)
このまましれっと何も伝えなかったら、なんなんだ日本人は。という印象を受けてしまうのはとっっても嫌だ。
それにガラスを割ったとか壁に穴開けたとかのレベルではないにしろ、備品を壊してしまったのには変わりない。
やる事はひとつ。ちゃんと報告しよう。
時間は22時前。まだフロントが開いている時間だったので、髪の毛半乾きドスッピンのままフロントに向かった。相棒は旦那ではなく、もちろんDeepLだ(翻訳アプリ)
エレベーターに乗っている間、アプリで事前に打っておいたメッセージをひとりでブツブツと読み上げる。
フロントに着くと、若めの男性がいた
「Excuse me.」ここまで言ったところで、やっぱりダメだ。話せん。となり、「Sorry…. 」と言いながら、翻訳アプリの画面を見せた。
〈シャワー室の備品を壊してしまいました。申し訳ありません。〉
画面に記載されている文字を読むと、「Ah…」と少し眉間にシワを寄せたのを覚えている。
そして先ほどの写真を見せた。
「OK. What is your room number?」
部屋番号を答え、Sorry. (これしか言えない)と呟く。
「How ほにゃらら happen?」
…ん?happenって言った。なんで起きたかってことか。
説明しようにも英語が出てこないし話せない。アプリで文章を打つにもなんか待たせてしまうかな…。
そう思いとっさに出た言葉がこれだ。
「あー…。アンダーシャワー?あー…アップ!バンっっ!!!!Sorry. 」
ジェスチャーを交えながら。
するとうんうんと頷きながら「OK」と言われ、パソコンでぱちぱちと経緯を記録し始めた。
…え、伝わったわ。ジェスチャーこそ世界共通じゃん。
その後、ほにゃららペラペラペラペラペラペラ‼︎‼︎と何かを説明をしてくれたのだが、もう本当に聞き取れず。
1分ほど話してくれたのだが、聞き取れた単語は「50$」「I think」「tomorrow」「write phone number」「expensive」のわずか5単語だけ。壊滅的。
この聞き取れたわずかな単語だけで翻訳してしまうものだから「50$以上かかって高くなると僕は思うよ。あと今日は分からないから明日だね。電話番号書いて。」と勝手に解釈。
高いんか。海外保険でなんとかなるんかな。はぁどうしようと頭の中はぐるぐるだった。
でもお金に関わることだし、ここでモヤモヤして明日を迎えるのも嫌だなぁ。
そう思い、ほぼ聞き取れなかった説明をちゃんと理解しよう。と封印していたあの言葉を伝える。
「Sorry. I don’t speak much English. 」
そしてここに打ってほしいと、iPhoneを差し出した。
恥ずかし過ぎるし、説明してくれたのに言葉が理解できなかったのでここに打ってください。だなんて手間と迷惑でしかないな…と思ったが、もうこの時ばかりはこうするしかなかった。本当にSorry過ぎる。
日本人はすぐ謝るというけど、実際に何度も言ってしまったのでやはり日本人はすぐ謝るんだなと思われてしまったかもしれない。
iPhoneが返された。そしてそこにはこう書かれていた。
なんとinexpensive(安価)をexpensive(高価)と聞き取ってしまっていたようだ。
なんだ…安価なのか。良かった…。
「OK〜.Thank you so much〜. 」と言い、ホッとしたジェスチャーをすると
「Yeah Yeah. Never mind. Don’t worry. 」と笑ってくれた。
これで安心して寝れそう。お願いします、とおじぎをし部屋に戻る。
ホッとしたはずだったのに余程緊張していたのか、走りながらフロントを去った。
寝る前に
明日にならないとまだ分からないけど、なんとか大丈夫そうだ。
部屋に戻り、自分1人で解決できたぞ!ドヤ(翻訳アプリのおかげ)と旦那に楯突く。
そういえば、「write phone numer」って言ってたけどなんだろ?と思い出す。
明日はミルフォードサウンドに行くので、戻りが19時過ぎるが大丈夫ですか?と先ほどフロントの方に聞いたとき、問題ないよ!と言われたが、もしかしたら何か連絡があるかも。
と思い部屋にあったメモに
〈シャワールームの備品を壊してしまいました。ごめんなさい。今日は一日外出していますので、連絡が取れません。何かあれば、こちらにメールをください。〉
と電話番号とアドレス、名前を書いてシャワールームの横に置いておいた。
今思うと個人情報ダダ漏れ(笑)
ただ今現在までに迷惑メールも何もないので、良いハウスキーピングの方だったんだろう。
ベットに入る。
…今日は休暇日だったのに、なんか長い一日だったな。
そんな事を考えながら、すぐ眠りについた。
こうしてイライラ・ハラハラ・アセアセ3点特盛コースの1日が終わった。
Day6 Fin.
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