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髪って、切ったら痛い?

我が家の3歳娘は今まで髪を切ったことがなかった。

娘は生まれたときほとんど髪が生えていなかった。
「まあ、赤ちゃんってこんなもんだろ。すぐ伸びるはず。」と思っていたが…
伸びるスピードは想像以上にゆっくりだった。

生まれてから3年半かけて、ようやくショートカットになった。地肌も見えなくなった。ああ、感慨深い。

しかし、生まれてから一度もカットしていないので、伸び方がバラバラだった。ここらで一回カットした方がいいと判断した私は、娘に提案してみた。

私「娘ちゃん、髪の毛きれいにしようよ。髪の毛切ってくれるお店にいっしょに行かへん?」

娘「え?切るの?」

私「うん。今長いところと短いところがあるから、切ったらもっとかわいくなるで〜」

娘「…行く!」

娘はちょっと迷いつつも「かわいくなる」というワードに惹かれたのか、提案を受け入れてくれた。

数日後、私がいつもお世話になっている美容院に娘を連れて行った。

娘は初めての場所では緊張のあまり地蔵になる。案の定、美容院に着くや否や地蔵になってしまった。

受付を済ませ、案内されるまでソファで待つ。

娘の顔を覗き込むと、かなり顔がこわばっている。見かねた私は娘をトイレに連れて行った。

トイレを済ませた後、娘を抱きしめた。

「お店の人はみんな優しいから大丈夫よ。切ってもらってる間はママが隣にいるよ。」

私はそう言いながら娘の背中をさすった。

娘は安心したのか、さっきより少しだけ表情が柔らかくなった。


トイレから戻ると、スタッフさんが我々を席に案内してくださった。

「今までカットをしたことがなくてバラバラに伸びているので揃えてほしい」と担当の方にオーダーし、私は少し離れたところで見守った。

カットの時間は10分ちょっとで済んだ。
カット中は娘が退屈しないようにスタッフさんがYouTubeを見せてくださった。とてもありがたい。

ただ、娘は緊張でYouTubeどころではなかったようで、終始鏡をじっと見て固まっていた。

何はともあれ、無事に初めてのヘアカットは終わった。バラバラだった毛先はキレイに整えられた。娘も満足そうだった。

美容院の帰り道、娘は唐突に私に聞いた。

娘「ねえ、ママ。髪って、切ったら痛いの?」

私「え?痛くないよ。だってさっき切ってもらったとき痛くなかったやろ?」

娘「うん…でも、もっといっぱい切ったら痛いの?」

私「いっぱい切っても髪は痛くないよ。爪といっしょよ。」

娘「そうなんや..」

私「…もしかして、髪切ると痛いと思って怖がってたん?」

娘「うん、怖かった」


なるほど。娘がいつにも増して顔をこわばらせていたのは、髪を切ると痛いと思っていたからか。

身体の一部を「切る」だもんな。そりゃ痛いと思うか。
おまけに、顔の近くにハサミを持ってこられるのだ。怖くても無理はない。

しかし、娘本人は髪を切ったことがなかったが、私や夫は髪を切っている。
そのことも娘は知っているはずだ。痛みをこらえて切っていると思っていたのだろうか…?

まあ、いいか。こうやって自分で経験して一つ一つ知識を増やしていってほしい。

改めて、小さい子の考えることって面白い。
娘の純粋で面白い着眼点、忘れないように記録しておきたい。娘が大人になったとき、振り返ってほっこりしたいな。


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