本の虫のはなし


私は、本が好きだ。
子どもの頃から本が好きで、本があれば一日中過ごせた。
図書館に住みたい、と何度も思った。
暇さえあれば本を読んでいたので、本の虫、と言われていた。
家族に隠れて、本をかかえて、隅の方へ。

一般的には、本を読むのはいいこと、とされてはいたが、本を読みすぎる事は、よくないのかな、とも思っていた。現実的に地に足をつけた発想が出来なくなったり、頭でっかち、知ってはいるものの体験や経験が足りない、と思ったりしていた。

本を読みすぎる私に、家族は、色々と邪魔をしてきたし、揶揄するように、注意したりしていたから、読書にたいして世間一般ほど良いイメージを持っていなかったように思う。

そんな私が母親になって、子ども達を育てることになった。
分からないので、育児本を読み漁った。

母親もいない、父親もおちゃらけた人で、まともな大人が少ない環境で育ったので、何か知りたい、分からないという事があると、頼れるのは本しかなかったのだ。
困った時は本をひらく、すると本が色々と教えてくれる。

初めての育児に困っていた私は、本を読み漁った。
大体の場合一つの本を熟読するのではなく、一つのテーマについて複数読み、それでやっと物事の全体像を掴める、という不器用さなのだ。

本を読んで、どこにも書いてあった事は、
「絵本を読みきかせるべし」ということ。

これを、悪いと書いている本はなかった。
これなら出来そうだ、と思ったのだ。
絵本、小さな頃から読みまくっていたし、心から大好きな世界が沢山あったので、これだけは子に伝えたい、と思った。

生活習慣も大事、食事も大事、とは学んだが、絵本だけは、生活に必要なものではなくても、教えてやりたいな、と思った。

長くなったが、要は、本好きな親が、絵本育児を楽しんだ、という事だ。

具体的な絵本歴は、また後でまとめたいな、と思う。子ども達との共通の思い出が沢山あるのだ。

絵本、0歳から手元にあって、読み聞かせていた。

保育園に入ると、寝る前に3冊読むのが日課になった。読みたい本を2冊、ママが読みたい本を1冊。

それ以外も時間が空くと、膝に座らせて、ちょこちょこ読んでいた。暇があったら、テレビより本を読んで過ごし、読み疲れたらTVに切り替えた。

1日3冊、週末には時間があれば、夫も一緒に10冊以上読んでいた。 
1日3冊×365日。1年間に1000冊。
週末10冊×52週。1年間に520冊。
保育園でも読んでもらっていたから、
小学校に上がるまで、少なくとも6000冊は読んだ。

同じ本を何度も読むから、実際の冊数は違うだろうが、少なくとも6000回。
数えてみると、なかなか。

でも、公文式に入ったら、3歳までに10000冊、と言ってたから、それに比べたら多くない。
けど、ともかくも毎日の生活に必須だった。

そんな環境で育ったので、子ども達は本好きに育っている。
家には常に本があるし、図書館にはせっせと通った。
(なんなら、私は本好きなので、一人暮らしの時から、近くに図書館とBOOKOFFがある場所を選んで、住む場所を決めてきた。今の家も、近くに図書館があるし、BOOKOFFもある!)

字を、自分で読めるようになってからも、読み聞かせはしていた。
今はたまに読んでやるくらいだけど、喜んでくれる。

娘、本好き故に、まだ国語で困った事はない。
模試を受けても、問題文を読むのが面白い、と長文を喜ぶ。
ことわざとか四字熟語、回文や駄洒落といった言葉遊びも好きだ。

読み聞かせ、国語だけに良かったわけではない。

AD HDの息子は、外出先には必ず本を持っていく。
本さえあれば、ジッとしていられるのだ。
ただし、読んでる間だけだけど。
読み終わらないように、活字の多いものや図鑑などを持ち歩く。
本さえ与えておけば、静かにしていられる。

もちろん、本を読み聞かせ始めたのは、AD HDが発覚する前だけど、本当に助かったなぁ、と思う。

病院の待合室、電車の中、姉の習い事の待ち時間、などなど、静かに待たねばならない時は、どうしてもある。
先日は、姉のピアノの発表会があったのだが、息子は興味がないばかりか聴覚過敏ぎみ。
どうする?と聞いたら、お姉ちゃん以外の時に、本が読めるなら行く、という。

いいよ、といったら、長い時間かかる事を理解していたのか、学習漫画を6冊持たされた。

約2時間。途中休憩やお友達とおしゃべりもしたが、今年は、席を立たず、座っていられた!
去年は、夫が連れ出したのに。
本のおかげで、成長したなぁ、と思った。

ともかくも、我が家に本は欠かせない。
2週に1回の図書館通いは、当分やめられそうにない。

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