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絵のない俳画「代田」俳句+

谷の水たたえて光る代田かな

 代々受け継いだ田に今年も水が入り、田植えの用意が整った。やれやれ、と年老いた農夫は腰を伸ばした。
 息子は後を継いでくれない。この先いつまでこの田を守って行けるだろう。
 それでも昔と変わらず水をたたえ光る田んぼを眺めると、気持ちも明るくなるようだった。
 まあ、やれるところまでやってみるか。

 家路をたどる足はこころもち軽くなったようだ。

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