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15歳、閉鎖病棟で書いた詩『少女哀歌』

世紀末の魔術師が
摩訶不思議な魔術(マジック)を
綺羅星如くにその杖で 
硝子の靴が燦然と
南瓜の馬車には何もなく 
あるのは私の瞳のみ
クルクル紺青ガウンが回ります 
二人だけの舞踏会
怪しき月から垣間見る
恋心のルナティック
月と硝子の小夜曲を聞きましょう
月長石、胸の鼓動
鐘が鳴ります、影は消え 
私は一人ぼっちのシンデレラ


世紀末の魔術師が
摩訶不思議な魔術(マジック)を
流星如くにその杖で
天空と蒼海の淡き夢
海辺の町に孤帆あり 
あるのは私の瞳のみ
チクチク海原の魔女が願います 
二人だけの逢引き
真紅の夕日から垣間見る
恋心のセンチメンタル
夕映えと嗚咽の協奏曲を聞きましょう
紅燈石、失われた唄
夜が明けます、雫落ち 
私は一人ぼっちのマーメイド

世紀末の魔術師が
摩訶不思議な魔術(マジック)を
彗星如くにその杖で
心の迷宮より果てぬ旅
魔物より追われて赤き糸 
あるのは私の瞳のみ
タカタカ迷子と化してしまう 
二人だけのかくれんぼ
啜り声から垣間見る
恋心のノスタルジア
糸と声の奏鳴曲を聞きましょう 
青金石 見えぬ道
糸が切れます、闇の僕(しもべ) 
私は一人ぼっちのアリアドネ

さあさあ、笑い、迷え、狂いなさい
夢の中の醒めぬ夢 
我をなくして地平線
私とともに踊りましょう 
煌く涙の川の上
久遠の知らせを刻み出す 
運命、機微の気まぐれに
私は漂う波の上 
私にひとつくださいな 
時を操る真実を

 15歳で書いた詩なので拙い部分も多いですがあの頃はリアルに閉鎖病棟に入退院を繰り返し、どん底でした。ランボーの詩が好きで影響は確かにあります。
 15歳だからランボーが詩作に耽っていた頃の年齢と同じ。10代の頃は詩を書くのだけが生きがいで50編くらい創作しました。詩のほうでは日の目を見なかったですが、短歌のほうで雑誌掲載(オール読物短歌の部屋、角川短歌特選、歌壇特選)されたこともあります。
 名探偵コナンの『世紀末の魔術師』が好きでデガダンスをイメージして15歳なりに創作。もう、今の私には遠い存在、15歳。
 令和の時代を生きる10代は私が10代だった頃よりも自傷やメンタルヘルスの問題が山積みで胸が痛いです。
 南条あやさんじゃないけど17歳の誕生日を閉鎖病棟で過ごしました。17歳が甘酸っぱいなんて嘘。現実には仄かに暗い17歳だっている。
 若さだけ持て余して絶望に縋るしか生きられない17歳が。

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