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女性役員の小島に聞くFiNCのWell-beingとDE&I

小島かおり
1985年日本IBM入社。銀行の第3次オンラインシステム開発を経験後、冬季長野オリンピックや夏季シドニーオリンピックでシステム開発・運用をリードしシステム稼働を成功に導く。2007年IMSジャパン入社。取締役バイスプレジデントとして、社内システムの開発、ITシステム運営、データプロダクションなどに従事。2016年FiNC参画。


チャンスが巡ってきたら、迷わず掴みに行く

ーこれまでのご経験を教えてください。
両親ともに外資系企業で働いていた影響もあり外資系を中心に就職活動をしました。2社受けたのですが、男女雇用機会均等法が施行される直前で、当時女性の職種は限られていたこともあり、1社は管理部門での内定でしたが、入社したIBMからは専門職での内定をいただき、これからの時代はコンピュータだ!とIBMへ入社を決意。みっちり入社研修を受け、SEとして働き始めその後、開発、PMなど様々な業務を経験しました。

現在、91歳になる母は60歳まで会社勤めをしていて、当時は相当珍しかったんです。勤めていた外資系企業での会議において女性出席者は、母1人であったため、社長が「A Lady  and Gentlemen,」と母に敬意をこめてスピーチをしてくれたという話を彼女から聞いて、働いている女性って格好いいな、と感じたことを今でも覚えています。そんな母を見ていて、女性も男性と変わらず働いていくことが私にとっては当たり前のこととなりました。今考えると私にとっては母がロールモデルだったんですね。

人生一度きり、せっかくのチャンスには自ら手をあげて挑戦する!が私のモットー。
元々スキー部に所属していて、社会人になってからもスキーを継続、平日は筋力トレーニング、週末はレースのために各地を転戦するような生活をしていたのですが、所属していたIBMが長野オリンピックのシステム開発・運用のプロジェクトの社内公募をはじめたんです。それまではずっと銀行のシステムを担当していましたが、これはぜひやってみたい!とすぐに応募しました。結果アルペンスキー競技リザルトシステムリーダーに抜擢、もちろん大変なプロジェクトでしたが、冬季五輪のプロジェクトに関わっているという高揚感が勝っていたように感じます。自分のやりたいことと仕事がマッチし、モチベーションも高く仕事を続けられる幸せを感じながら楽しく業務に邁進していました。

2007年にまた挑戦のチャンスが巡ってきます。知人からIMSジャパンでのグローバルなポジションを紹介され、入社が決まりました。経営メンバーとしてのチャレンジの始まりです。当時、娘たちはまだ小学生と未就学児と幼かったのですが、家族の協力を得て挑戦させてもらいました。オペレーション部門の日本のトップとして、中核組織であるイギリスとアメリカへレポートを行い、10年間勤務しました。
ただ、大きな組織の日本法人で働く中で、意思決定のスピードに課題を持ち、よりスピード感を持って働ける場を求めていることに気が付きました。そしてエージェントから紹介を受け、FiNCの経営陣と会い、すぐに意気投合。入社を決めました。

ーFiNCに入社されてからはどのような業務を担当されていますか。
FiNCに入社してからは、セキュリティ・マネジメントシステムの導入、ISOとPマークの取得からインシデント対応まで業務は多岐にわたりました。システムとしても脆弱性があったので、CISOとしてメンバーとともに対応を続けていました。
直近では、事業部も統括するようになり、現在は健康経営の法人向けサービスと、マーケティングソリューション事業についても担当しております。
また、今年の6月にCFOを務めていた小泉が代表となり、新たにCWO(Chief  Well-being Officer)を拝命しました。
 

自らがWell-beingを体現する存在でありたい。

ーCWOとしての役割はどのようなものになるのでしょうか?
CWOとして、社内のWell-being文化を作っていくために、従前から行っているウェルネスサーベイの実施や社内のウォーキングイベントの開催はもちろんですが、自らがWell-beingを体現する存在でありたいと思っています。

現在も体力維持のためウォーキング(犬の散歩)やゴルフ、ジムで積極的に身体を動かしていますし、仕事もまだまだ現役です。特にこれから意識したいのは外に出て人脈を広げること。どんな事でも相談できる仲間を意識的に増やしていきたいと思っています。逆に私自身が社会に提供できることも沢山あるのでは?と最近考えることが多いです。私の住んでいるエリアには様々なコミュニティができていて、SNS等での情報発信も増えてきたためかいろいろな方の活動を目にする機会が多いんです。私自身の母としての経験やグローバルな環境で仕事をしてきた経験などを活かして、お子さんを持つママのサポートや外国籍の方の支援、私よりももっと年上のシニアの方へ向けた支援等、活かせる場があるのかもしれない!とワクワクしています。これまでは娘たちをサポートしていくのが私の役目だったのですが、彼女たちももうすぐ独立していくでしょう。残りの人生をいきいきと歩んでいくためにも、新たな挑戦をしていきたいな、と計画しはじめたところです。我ながら挑戦続きの人生ですね。笑

そんな自分の体験を従業員にカジュアルな場で伝え、私の母がそうであったように、若い社員のロールモデルになれたらいいななんて思っています。

人との繋がりもWell-beingに大切なことの1つ。フルリモートでの勤務を継続している当社ですが、定期的なオフラインでのコミュニケーションも求める声が挙がっています。2023年に入ってからは半期に一度オフラインでのコミュニケーションの機会を作っています。やはりたまには顔を合わせてつながりを感じながら議論することも大切ですよね。

外資出身の女性役員とできること、やるべきこと。

ー経営体制が変わったことにより、感じている変化はありますか?
社員の行動指針に、DE&Iが追加されています。まだなにか具体的に制度が確立されたわけではないのですが、今後に向けて女性役員として、女性の活躍の場を増やしていきたい気持ちが高まりました。

 現時点で直接雇用者における男女比は半々程度、女性に対して差別を行っているわけではないのに、ラインマネージャーの数を見るとどうしても男性が多くなる。これはどうして?CxOの中にもっと女性がいてもよいのではないか?と感じます。
これはもしかしたら女性側の意識に起因するのかも?と思ったりもしています。。もちろんマネジメント側が部下に対して「バリバリ働きたいわけではないのかも」というアンコンシャスバイアスを持ってしまうこともそうですが、当事者である女性社員側の意識にも目を向ける必要があると思います。まだまだフルタイムで働く人が大多数の男性に対して、女性は働き方がより多様化しており、専業主婦、パート勤務、フリーランス、時短勤務、フルタイム、管理職等様々な働き方がありますが、様々な情報に触れる中で「本当にこの働き方が私に合っているんだっけ。」と自省する機会も多いでしょう。
これも多様性の一つなので、すべての女性に管理職を目指してほしい、フルタイムで働いてほしい!と強制したいのではありません。より活躍したいと思いつつも一歩踏み出す勇気が出ない人や、結婚・出産など様々なライフプランを思い描く中で、チャレンジするのを思いとどまっている人も多いはず。活躍したいと思っている女性には、チャンスを与えられるようにきちんと話を聞く、背中を押すという働きかけができると、本当の意味での女性活躍推進ができるのではないかと考えています。
彼女たちの深層にあるやる気や不安に気づき、声掛けを行っていくことがマネジメント層へ求められていることであると理解しています。

子供を持つ持たないも個人の自由ではありますが仮に子供を授かったときに、働きやすい環境でありたいという想いはずっとありますね。今でいうマタニティハラスメントは当然ながら昔からあって、私の時代は、妊娠した時点で出世コースから外されるというのが世の常でした。幸い外資に所属していたこともあり、トップが「子育てをする時に罪の意識は持つな」と全社に向けて発信してくれていましたが、それでも同僚からの冷たい目はありました。でもそれを気にしていたら苦しくなるだけだし、時間的制約があることを意識的に「気にしないようにする」ことが大切です。困ったときは周りに助けを求める。を実行するようになってからだいぶ楽になりました。

私は子育てしている側と、子育てしている社員をサポートする側両方の経験がありますが、お互い必要以上に「気にしない」関係性を築くことが一番だと思っています。もしかすると、子育てしていない側に負荷がかかることもあるかもしれない。「なんで私ばっかり」「負担がどんどん増えてしんどい」と感じてしまうこともあるかもしれません。それを自分一人で悩むのではなく、周りに相談できる風土を作って会社全体でサポートしていく雰囲気を作ることが大切です。様々なライフステージの社員をサポートするのは特定の社員の仕事ではありませんからね。組織としてサポートする。これが一番の安心につながるのではないでしょうか。弊社では従業員はもちろん執行役員の育休取得実績もありますし、権利をきちんと使って安心して働ける風土を作っていかなければと思います。

ダイバーシティー観点でお話しすると外国籍社員雇用や障がい者雇用については、当社では積極的に雇用しています。私自身、アメリカ・オーストラリア、インド等海外のメンバーをマネジメントしてきた経験から感じることは、カルチャー、習慣の違いを理解することはとても大切ですが、善意・正しさの部分は世界共通。変に意識しすぎないことも大切です。英語などで話しかけられることに驚いて黙ってしてしまうと、外国人スタッフは逆に話しかけづらくなってしまいます。「言いたいことを言えない」というのは相当なストレスになります。英語に自信がなくても今はツールを駆使してコミュニケーションをとるという方法もある。受け入れ側もきちんと話を聴く、理解しようとする、積極的に関わっていく姿勢がとても大切です。

ダイバーシティを推進する上で、上記のような心構えや姿勢の少しの変化が大きな変化をもたらすと思うんです。みんなの日頃の少しの意識改革が結果として大きな成果を生み出す。小さな努力を積み重ねることでポジティブな方向に動かすことができたら、これ以上にWell-beingなことってないですよね。そんな組織にしていきたいと思っています。


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