FIFTYS PROJECT FES. 2024 〜開催報告〜


FIFTYS PROJECT FES.2024を開催しました👏

2023年4月の統一地方選挙から早くも1年が経過しました!
 
1周年を記念して私たちは、武蔵野プレイス(東京)にて、講演やトークイベント、ワークショップ、交流会を主軸としたイベントを開催しました。
 
当日は、上野千鶴子さん(社会学者・東京大学名誉教授・認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長)を講師としてお招きし、「地方政治とフェミニズムについて」というテーマでご講演をいただきました。
 
トークショーでは、以下のみなさまを登壇者としてお招きし、「地方議会からジェンダー平等を進めるためにできること」というテーマのもと、お話をいただきました。
 
・おのみずきさん(世田谷区議会議員)
・清藤千秋さん(おのみサポーター、議会ハラスメントなくそう陳情アクション)
・小林ゆうきさん(旭川市議会議員)
・冨永華衣さん(首都圏青年ユニオン)
・西山朗さん(LGBT法連合会)
 
さらには、イベント会場では、フェミニズムや人権・環境活動をされている団体や個人のみなさまにブース出展をしていただきました🙌💞 

◉上野千鶴子さんのご講演

FIFTYS PROJECT1周年記念のイベントでは、はじめに上野千鶴子さんよりご講演をいただきました!
 
ご講演では、一貫して、議会制度改革の重要性について強調されていました。議会における質問時間の制限や質問順の規定、ドレスコード等、法的根拠のない議会特有の不文律の慣行に対して指摘をされていました。
 
「議員になること」と「政治をすること」は、全く別個の事象であり、飽くまでも議員になることは、解決したい社会課題に取り組むための<手段>に過ぎないとのお話もありました。
 
そして、「フェミニズム」という言葉に関して、上野さんは「弱者が弱者のままでいられる」ためのものと表現されていました。そして、非暴力にかかる議論では、「ケア」の概念を紹介され、学びによって非暴力は実践できると主張された上で、「ケア」を「非暴力を学ぶ実践」として力説されていました。
 
ご講演の最後には、日常の中でジェンダー不平等に関する出来事に直面した時、「飲み込んで被害者であり続けることで同じ歴史を繰り返す」ことになると主張した上で、「笑いは共犯、沈黙は同意。傍観者にならない」と会場にいる参加者らに力強いメッセージをくださいました。
 
「『#わきまえない女』たちがノイズを起こす」 

写真:ご講演中の上野さん

終始、パワフルな言葉の連続で、その場にいた筆者もとてもエンパワーメントされました!
 
ご講演の中で紹介された著書・調査報告書
·       上野千鶴子.(2024). こんな世の中に誰がした?ごめんなさいと言わなくてもすむ社会を手渡すために.光文社.
·       社会調査支援機構.(2022).「女性政治家」「女性候補者」が増えることの社会的影響に関する調査報告. チキラボ.
·       寺町みどり&寺町知正.(2014).市民派議員になるための本〜あなたが動けば社会が変わる〜. WAVE出版.

◉トークショー

写真:トークショーの様子。左から能條桃子(司会)、小林ゆうきさん、おのみずきさん、清藤千秋さん、西山朗さん

トークショーでは、登壇者のみなさまから、それぞれがご活躍されている現場での経験をベースとして「地方議会からジェンダー平等を進めるためにできること」についてご意見をいただきました。
 
トークショーの中で、政治分野におけるジェンダー課題に関して、小林ゆうきさん(旭川市市議会議員)、おのみずきさん(世田谷区議会議員)、清藤千秋さん(おのみずきサポーター)から以下のようなお話がありました。
 
小林ゆうきさんからは、移動の問題や活動家の少なさから連帯が困難であるという、地方特有の課題についての言及がありました。都市圏のみならず、地方を巻き込んだ広域な活動を展開していく必要性を訴えていました。そして、議会傍聴や投稿への「いいね」などが、議員にとっては励みにとなると主張されていました。
 
おのみずきさんは、議員になってから構造的な性差別の問題がないことにされていることに驚きを覚えたといいます。まずは、その構造に目を向けることから、ジェンダー主流化を実践していく必要があると訴えていました。一人ではとても手が足りないため、議会内に加えて、各地でも仲間が必要である旨を強調されていました。
 
清藤千秋さんは、選挙で候補者を選んで、彼女ら彼らを議会に送り出すだけでは不十分であると主張していました。特定の候補者に投票をして、願いを託して終わりではなく、議会傍聴などを通して、市民が送り出した議員をきちんと見ている必要があるということです。議員を孤立させない、議会に送り出した後も並走することが大事であると主張されていました。

そして、労働運動からジェンダー平等を実現する方法に関して、冨永華衣さん(首都圏青年ユニオン)からお話をいただきました。
 
冨永さんは、フルタイムで働きながら社会運動に参画することは難しいとした上で、だからこそ産業民主主義の重要性を訴えていく必要があると話されていました。人間関係上、職場での抵抗が難しい人もいるかもしれないので、まずは迷惑をかける練習(経営トップなど権力がある人に抵抗して「迷惑をかける」練習)をすることから始めるとよいというご提案がありました。
 
さらには、LGBT理解増進法に関して、西山朗さん(LGBT法連合会)からお話を伺いました。
 
西山さんからは、LGBT理解増進法が施行されてから、トランスジェンダーの方々へのバッシングやヘイトなど、全国津々浦々で差別的な発言や意見が散見されるようになったことについて言及がありました。LGBT法連合会では、差別的発言が確認された際への対応として、データや返答例などを掲載した地方自治体向けの手引きを作成しているといいます。知識・データに基づいた対応ができるように活動を展開されているそうです。
 
志を同じくする仲間たちがそれぞれの持ち場で得た経験に基づいて議論を展開されていて、非常に深みのある立体的なお話でした!
未来へと繋がる大変貴重なお話とインスピレーションをありがとうございました! 

◉ワークショップの様子

トークショー後のワークショップでは、参加者同士で「地方議会からジェンダー平等を進めるためにできること」について議論をしていただきました!
 
ワークショップ後、参加者のみなさまから以下のようなアクション宣言がありました!
(写真参照)


◉ブース出展の紹介と様子レポート

写真:ブース出展の様子①

ブース出展では、以下の団体や個人の方々がご協力くださいました。
各ブースでは、団体のグッズ販売等が行われました。
ブース出展の際に、団体の垣根を超えた交流なども見受けられました✨✨

(五十音順)
・VildBlomma Tokyo
・super-KIKI
・NEW ERA Ladies
・#みんなの生理
・Feminism for All
・平山みなみ
・UT RISE
・立候補年齢を引き下げるためのプロジェクト

写真:ブース出展の様子②

また、ブース出展のセクションでは、フェミニズムや人権・環境活動をされている団体や個人のZINE等の販売も実施しました📚✨

写真:各団体のパンフレットの写真

また、ブース出展のセクションでは、フェミニズムや人権・環境活動をされている団体や個人のZINE等の販売も実施しました📚✨ 

昨年4月の統一地方選挙から1年が経過し、それを記念してFIFTYS PROJECTでは、今後も政治に挑戦する人や一緒に政治に参加していく人たちを増やし、サポートする輪を広げていくために、武蔵野プレイス(東京)にて、イベントを開催しました!
 
講師である上野千鶴子さんをはじめとし、トークショーにご登壇いただいた5名のみなさまや、ブース出展にご協力いただいた活動家のみなさま、そして今回のFIFTYS PROJECTのイベントにご参加くださったお一人おひとりより、たくさんのエネルギーとパワーをもらえる1日となりました!ありがとうございました😊❤️ 

◉FIFTYS PROJECTについて

FIFTYS PROJECTは2022年8月に立ち上がった、政治分野のジェンダー不平等解消を目指すムーブメントです。ジェンダー平等実現を望む20代・30代の女性、Xジェンダー、ノンバイナリーの地方議員を増やすことを目的に活動しています。2023年4月の統一地方選挙では、FIFTYS PROJECTに参加する29名が立候補し、24名が議員になりました👏

ジェンダー平等の加速を目指し、政治分野にコミットする立候補者の輪、支援の輪を広げていくために、これからも活動を展開してまいります!


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