ペンギン_昭和基地_2_

賑やかな訪問者

#10年前の南極越冬記  2009/11/2

ちょうど10年前になる。当時、僕は越冬隊員として南極にいて、こんなことを書いていた。

◇◇◇

昭和基地にペンギンがやってきた。六羽もいっぺんに。

やってきたのはアデリーペンギンという体長40cmくらいの小型のペンギン。もうすぐ生まれてくる雛たちを安心して孵すことのできるルッカリー(営巣地)の候補地を探しに来たんだろう。

両手を広げて上手にバランスを取りながら、一生懸命にペタペタと前を行く仲間の後を追いかける姿は本当に可愛い。立って歩くこともあれば、腹ばいになってツル〜っと滑って移動することも。

中にはシャッターを切る僕らに気を取られ、よそ見をしている間に仲間から遅れをとってしまい、「しまった!」とばかりにまた必死に追いかけるペンギンもいたり。まるで幼稚園児の行進みたいで、僕らの顔も自然と緩んでしまう。

南極に賑やかな季節がやってきた。

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