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遠征ひと段落

#10年前の南極越冬記  2009/10/10

ちょうど10年前になる。当時、僕は越冬隊員として南極にいて、こんなことを書いていた。

◇◇◇

昨日9日ぶりに昭和基地に帰って来た。リュッツ・ホルム湾の奥にあるスカーレンという沿岸露岩帯での観測旅行の帰りに悪天でラングホブデで足止めを食い、昨日も地吹雪の中で行きの雪上車のトレースを辿りながらの帰還となった。

今回のスカーレン旅行をもって、この一ヶ月半続いた連続野外生活もようやく一段落。野外での気の抜けない生活、数日間基地に戻って基地観測の維持と次の旅行の準備やメンバーとの打ち合わせ、旅行の報告書や計画書もその都度まとめ、休む間もなくすぐに出発する。結局、野外生活計23日間、走行距離800キロの旅になった。

悪天候での停滞や引き返し、車両や無線のトラブルなど、この23日の間に沢山のことが起こった。リーダーとして判断に迷うことは沢山あったし、自分の力不足を痛感させられることもあった。それでも皆が無事に基地に戻ることができ、全てのミッションを終えて帰還できたことを素直に誇りたい。

ひとまず身体を休めて、次に備えよう。久しぶりの風呂はやっぱりいいなあ。

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