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native | FIELD assistant

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NPO法人フィールドアシスタントがお届けする、世界各地の人たちに暮らしの知恵を求めて話を聞くポッドキャスト「ラジオネイティブ(radio native)」を公開中。このマガジンは… もっと読む
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#キャンプ

nativeとは

厳しい環境の中にこそ、美しい暮らしがある これは極地建築家・村上祐資の信念だ。地球上で「極地」と呼ばれる場所は、牙をむいた自然が目の前に迫り、人を容易には寄せつけない。だが、そんなところでも人は暮らしを続けている。日本の南極観測隊はもう60年以上、雪と氷の地で暮らしをつなぎ続けてきた。富士山の山頂で観測を続ける人、あるいはヒマラヤのベースキャンプで登山家を見守る人たちもいる。村上はそんな場所に出かけては、もう1000日以上、暮らしてきた。建築家としての関心は、極地の暮らしのな

目標を失って見つけた山という世界

これが私の次の仕事かもしれないサティスさん、2回目だったと思うんですけれども、サティスさんご自身はネワール族という民族で、おもにネワール族は商売をする民族だとうかがいました。ネパールでは各民族ごとに決まった職業があるのでしょうか? サティス いろんな族があって、その族の仕事があるんですよ。例えば、ネワール族は商売。グルン族だったら農業とグルカ兵っていう、昔のイギリスの傭兵の仕事をする人がいます。そういうように、いろんな民族に、自分の仕事があるんですよ。 その中でうちは首都カ

「ゼロを1にする」それが箱作りの醍醐味

できない理由を並べるよりは、どうしたらできるんだろうって考える 今井 前回から話を伺っているダンダンドームですが、段ボールの「建築」だと思うのですが、これまでの「包装」との違いや認識のズレみたいなことはあったでしょうか。 一丸 そうですね。村上さんがイメージされてる完成形があって、そこからパーツを切り出されたと思うんですけども、やはり段ボールという素材は、柔軟でありながら、一方で細かな折り返しであったり、継ぎ合わせといったところは、現実的に出来ない部分があったんですが、そこ

ゲストには見せないガイドの舞台裏

自然が好き、だけでは続かない今井 これまでたくさんのガイドががってんさんの門をたたいて、そこを巣立っていったと思いますが、長くガイドとして継続していくために必要なことはどういうことだと思いますか。 がってん ガイドってサービス業なんだけどちょっとだけハードです。天候に合わせて動くとか、そういうことが多い業種です。ガイドになろうって思って門を叩いてきた時に、もし無理だと思ったら、すぐにやめたほうがいいと思うことがあります。 自分が遊んだり自然が好きだったり、自分がチャレンジし

ガイド業は表現者 区切りのない自然の中で何を伝えるか

がってんの門をたたいた辻さん今井 愛媛県今治市のしまなみ野外学校で野外教育活動をされている木名瀬裕さん(がってんさん)と、北海道の天塩川でカヌーガイドをされている辻亮多さんにお越しいただいただきました。前回、辻さんから、ガイドの領域では自分は冒険はせずにゲストのために動く、つまり人のために必ず動くということを大切にしていて、そこから出ないというお話をいただきました。一方で、休みの日などに自分の冒険も大切にされてると伺いました。この話、がってんさんはどう受け止めましたか。 が

より自分らしい時間を過ごせるか、それがガイド業で大切なこと

伝えたこと、受け継いだこと今井 今回はゲストを二人お呼びしています。25回目にお越しいただいた愛媛県今治市でしまなみ野外学校で野外教育活動されている木名瀬裕さん、がってんさんとお呼びしていました。それと37回目からご登場いただいた北海道天塩川でカヌーガイドをされている辻亮多さんです。 がってんさんは、辻さんの師匠にあたるんですよね? がってん 師匠と言えば師匠です。どうなんですかねぇ・・・ 辻 師匠ですよ! 今井 まずはがってんさんにお聞きしたいんですけど、辻さんの回を

「自然」と「ゲスト」のリズムの間にたって旅をする

雪にあこがれ、北へ今井 今回は辻さんが北海道・天塩川でアウトドアガイドになるまでのお話を伺いたいと思います。まず辻さんは子供のころ、どんな場所でどんな子供時代を過ごしたんでしょうか。 辻 今北の果てで住んでるんですけども、生まれ自体は徳島県なんです。温暖でこっちに比べると常夏のような場所で生まれ育ったんです。 村上 その辻少年が、どういった変遷を経て、北海道の道東を経て、どう北上してきたんですか。 本当に田舎で生まれ育って、夏休みの40日間ずっと海パンで過ごしてたよう

北海道美深町の暮らしと長い冬

川の魅力を子どもたちに伝えたい今井 今回は辻さんが普段、どんな人と一緒に暮らし、どんな人と仕事をされているのか、そんな話から伺えたらと思います。 辻 そうですね。僕のガイドの仕事に関しては一人で家族と行ってる小さなガイド屋なんです。前回までの話を聞いて、すごい北海道の大自然を思い浮かべているかもしれないんですけども、僕が住んでいる美深(びふか)町は4000人ぐらいの人口があって、町の人たちもとても魅力的なんです。 村上 美深の方々はどんな方々なんですか。 辻 そうですね

懐の深い道北の大河、天塩川を行く

このシリーズは、暮らしをつなぎ続けるためのヒントについて、「ネイティブ」を知る様々なゲストをお呼びしてお話を伺っています。北海道の天塩川でアウトドアガイドをされる辻亮多さんに、川とともに生きる暮らしについてお話を伺います。 あまりにでっかくて、得体が知れない今井 手塩川の生き物とか、風景が写真や動画のように伝わってくるお話をいただきました。 村上 僕なんか携帯の目覚まし音で目覚めが来るわけですけど、辻さんは魚の音だとか、空気の変化とか、そういったもので目覚める暮らし。羨ま

北海道・天塩川の1日を語る

このシリーズは、暮らしをつなぎ続けるためのヒントについて、「ネイティブ」を知る様々なゲストをお呼びしてお話を伺っています。北海道の天塩川でアウトドアガイドをされる辻亮多さんに、川とともに生きる暮らしについてお話を伺います。 目まぐるしく移ろう季節の中で村上 今回から北海道の美深町というところを流れる天塩川でアウトドアガイドをされている辻亮太さんをお招きします。早速、今日見てきた辻さんの風景を教えてもらえますか。 辻 はいこんにちは北海道美深町っていうところでガイドをしてま

【読むラジオ】#028 感じる経験をさりげなく しまなみ野外学校、がってんさんの伝え方

25年のカヌーガイド経験を生かして今井 FC今治の夢スポーツで野外教育に携わる木名瀬裕さん(がってんさん)とのお話も最終回です。がってんさん、そもそも野外教育の世界に入られたきっかけはなんだったんですか? がってん 今、52歳になるんですけども、もともと25年間ぐらい北海道でガイド業をやっていました。ガイドをやるきっかけがの一つが阪神淡路大震災だったんです。人と自然がもう少し近づけばいいなと思ってやっていたんですが、また東日本大震災があった時に、自分がどこまでそういうことを

【読むラジオ】#027 野外での経験が子どもたちにあたえるもの

自信を失う経験から、子どもたちの意外な関係が始まる今井 長年、野外教育に携わってこられて、がってんさんが子どもたちをファシリテートするときに、大切にされているエッセンスはどこにあるんでしょうか。 がってん 一番ですか・・・。僕は子どもたちにプログラムを伝えるのですが、時間が経つにつれ、そのプログラムが自分が思い描いていたプログラムと違うとか、思い通りではないことに気がついてきた時に、自信だけは失わないでいてほしいんですね。なので、ちょっとそうなったときには支えるように気をつ

【読むラジオ】#025 コミュニケーションは築くのではなく、気づくもの

しまなみの自然で自分に出会う村上 今回から、愛媛県今治市から、しまなみ野外学校で野外教育活動されている木名瀬裕さんにご登場いただきます。木名瀬さんは、今、野外という言葉が出てきましたけど英語でいうとアウトドア(ドアの外)ですけど、僕はドアの外の人じゃないと思っています。もう「野外が家」というか、野外がインドア?っていうんですかね。そこに来訪れる子供たちやそういった人たちに伝えたり、見せたり、そういったことをされてる方と思ってます。 木名瀬(がってん) 木名瀬といいますけど、