マガジンのカバー画像

native | FIELD assistant

139
NPO法人フィールドアシスタントがお届けする、世界各地の人たちに暮らしの知恵を求めて話を聞くポッドキャスト「ラジオネイティブ(radio native)」を公開中。このマガジンは… もっと読む
運営しているクリエイター

2022年12月の記事一覧

「アート×地域資源」で始まる新しい1ページ

森から町へ「降りていく」今井 今回も北海道で文化芸術プロジェクトづくりに関わる木野哲也さんにお話を伺います。これまでのお話の中で、飛生には本当にいろんな人たちがいろんな地域から集まってくるという話を伺ったんですけれども、飛生アートコミュニティーの活動が地元にはどう広がっているんでしょうか? 木野 きっと「飛生の活動をものすごく知ってます」っていう方はそんなに多い気はしてないです。でもこれまでにやってきたことが、メディアに載ったり、ずいぶん飛生に人が行ってるなとかという印象は

ここで積み重ねてきた時間そのものが作品

物事をつくるプロセスを知る今井 北海道で文化芸術プロジェクトづくりに関わる木野哲也さんにお話を伺っています。前回は北海道白老町の飛生にある芸術家のための共同アトリエの横で、森づくりをされているお話を伺ったんですけれども、木野さん自身はこの森に関わるようになって何か変化って感じていますか。 木野 そうですね。僕自身、これが変わったかなって思うのは、一つあげるとしたら飛生に出会うまでも、いわゆる文化芸術に関わったり立ち上げたり、仕掛けたりすることを札幌市内とか北海道でやってきた

アート拠点で森づくりをする意味

放置された学校森に人を呼んだ今井 北海道で文化芸術プロジェクトづくりに関わる木野哲也さんをにお話を伺います。実は前回まで出ていただいた国松希根太さんとは飛生で一緒に活動されてると伺っています。 村上 実は前回出ていただいた国松さんと、今回出ていただく木野さんとは飛生アートコミュニティーで実際にお会いして、お話をさせてもらって、お酒もたくさん飲ませていただきました。アートコミュニティーっていういろんな人が集う場所が飛生を拠点にあって、代表は前回出ていただいた国松さんですけど、

出会った景色から広がる心の風景

写真のように写し取ることはしない今井 国松さんは今、どんな作品を制作中、あるいは展示中でしょうか? 国松 制作拠点にしている場所から見える風景みたいなもの、それが作品のヒントになっているというのがあって、主には水平線とか地平線ですとか、山でいうと稜線みたいな、ちょっと境界線になるような場所に引かれる部分があり、水平線や地平線を題材にしたHORIZONという平面作品のシリーズが一つあります。  あと立体彫刻だと、GLACIER MOUNTAINっていう、氷河の山っていうような

人や風景に出会い、変化していった制作プロセス

子どものころのように夢中に 今井 今回も北海道白老町で彫刻家として活動される国松希根太さんにお話を伺いたいと思います。これまで白老町の話をいろいろ伺ってきたんですけれども、国松さんの作品が生まれるまでにはどういうプロセスを経るのでしょうか。 国松 僕は主に彫刻ですとか、木の板を題材にしてそこに描く平面作品を作っています。プロセスというと、素材があったり、イメージがあると思うんですけど、それを形づくっていって、最後完成する流れなんですけども、昔はちゃんとスケッチをし、模型を作