マガジンのカバー画像

native | FIELD assistant

139
NPO法人フィールドアシスタントがお届けする、世界各地の人たちに暮らしの知恵を求めて話を聞くポッドキャスト「ラジオネイティブ(radio native)」を公開中。このマガジンは… もっと読む
運営しているクリエイター

2022年11月の記事一覧

人は習慣なしでは生きられない━━極地建築家・村上祐資が「火星」で見つけた、暮らしに本当に必要なもの

極地建築家・村上祐資は「暮らすとはどういうことか?」という問いを解きたい人である。南極観測隊やエベレスト登山隊、あるいは模擬火星生活実験の国際プロジェクトなどに参加し、いわゆる極地と呼ばれる環境で暮らしてみることを通じて、ぼくらの暮らしに「本当に必要なもの」を探し続けている。 村上の極地生活が始まったのは2008年。第50次日本南極地域観測隊に帯同し、約15カ月にわたってミッションスペシャリストとして地球物理観測に従事した。 極地の暮らしは、あらゆる無駄が削ぎ落とされた極

時間をかけて近づいていった飛生という地域

この土地との出会い 今井 北海道白老町で彫刻家として活動される国松希根太さんにお話を伺っています。 今活動されている白老の飛生という地区に、最初出合われたのはどういうきっかけだったんですか。 国松 元々「飛生小学校」という学校だった場所が1986年3月に閉校することになったんですけど、その時に跡地利用について白老町の方でどういう活用方法があるかっていうところで、数名の芸術家に開放して共同アトリエとして使ってはどうかっていう話があって、その時に僕の父も彫刻家なんですけども、僕

北海道の森に残る小学校をアトリエに

四季を感じながら制作する時間今井 今回から、北海道白老町で彫刻家として活動される国松希根太さんにお話を伺います。 村上 今日は自宅のある札幌から多分ご出演いただいてると思うんですけれども、国松さんは元小学校だったところをアトリエにしています。そこは周辺の森も含めていろんなアート作品が森の中にあるような場所です。僕も先月訪れさせていただいて、いろんなお話をさせていただいたんですけど、その場所というのは、国松さんの世代の前からいろんな方がアトリエとして使っていたのが今、オープン

ドイツでの経験から、加賀での挑戦へ

デュッセルドルフのアート拠点 今井 この番組は暮らしをつなぎ続けるためのヒントについてお話を聞いていますが、ここまで3回お話を伺って、大土町はまさに暮らしをつなぎ続けるのが難しくなってると思います。暮らしをつなぎ続けるってどうしたらいいんだろう、ネイティブとはなんだろうと、本当に考えさせられました。 木村さんは加賀に来る前はドイツにいらっしゃったと伺ったんですが、ドイツのどちらで、どういうことをされてきたんでしょうか。 木村 デュッセルドルフっていうドイツの西側の街に住んで

住む・住まない。限界集落とのかかわりのカタチ

町の中での立ち位置を探る今井 これまで映像をアーカイブする活動を続けられているということですけど、木村さんは今後、どのようにこの町と関わっていこうという気持ちですか? 木村 そうですね。限界集落とか、人がいなくなっていく場所に対して、自分がそれを救いたいみたいな立場ではないところに今来たなっていう感じなんですね。それよりも自分にとっては秘密基地みたいな状態なのかもしれないと思っています。僕は大土町の魅力の一つとして、直径が200メートルぐらいの中に、水が山の上から流れてきて