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NPO法人フィールドアシスタントがお届けする、世界各地の人たちに暮らしの知恵を求めて話を聞くポッドキャスト「ラジオネイティブ(radio native)」を公開中。このマガジンは… もっと読む
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2022年5月の記事一覧

「人を包む」という新しい段ボールプロジェクト

段ボールでテントを作ることは可能か?今井 さて今回も日本トーカンパッケージで段ボールの梱包箱を設計されている一丸欣司さんにお話を伺っています。一丸さん、村上の方からちょっと変わった案件のオーダーが入り、進んでるようですね。 一丸 はい、ふだん我々はメーカーさんの商品を梱包する箱を設計するんですけれども、村上さんから「人を包む」という新しいプロジェクトをいただきました。名前はダンダンドームというパッケージになります。いわゆる段ボール製の大型のテントになります。球体のドーム状の

積み重ねたノウハウと技術で「包む」。知られざる段ボール包装の世界

入れるだけでなく、機能や保護も担う段ボール今井 前回まで日本トーカンパッケージで開発センター長されている佐藤康博さんから段ボールについての話を伺ってきました。段ボール箱の基本のキにあたる「3枚の紙で出来てる」といったお話からうかがってきましたが、私が一番印象に残ってるのは「やさしい」というキーワードでした。いい段ボールってどういう箱ですかと伺った時に、商品をやさしく包みこむということはもちろんですし、開けやすかったりっていうお客さんに対するやさしさもあるし、それからその段ボー

開発は過程にこそ価値がある 段ボール技術者のこれまでと未来

形になるまでの「産みの苦しみ」今井 佐藤さんは最初、どのように段ボールに関わるようになったのでしょうか。 佐藤 私は入社して30年ぐらいになるんですけども、元々は日本トーカンパッケージの親会社にあたる東罐興業という会社に入社しました。最初は紙コップを作る機械の設計をしたというところから入っているんです。 村上 もともとは機械設計が専門で、大学の時もやられていたということですか。 佐藤 はい。学科としては精密機械工学科というところを出ましたので、まあ機械側で、なおかつ設計

モノにも人にも「やさしい段ボール箱」とは

段ボールの声を聞くエンジニア今井 前回まで段ボールができる工程について教えていただきましたが、今回は段ボールづくりにかかわる人、技術者にはどんな方々がいるか、うかがえますか。 佐藤 我々の包装開発センターには、物を作る人よりも、箱を開発する人たちがいます。 村上 開発というのはデザインだったり、テストや検証ということですか。 佐藤 箱ですので、デザインもそうですが、その箱に強度が出るかテストをする人とか、そういう事をやってる人もいます。また私たちのつくった箱をお客様で使