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NPO法人フィールドアシスタントがお届けする、世界各地の人たちに暮らしの知恵を求めて話を聞くポッドキャスト「ラジオネイティブ(radio native)」を公開中。このマガジンは… もっと読む
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2021年12月の記事一覧

変えてはいけないこと、変わらなければいけないこと

信州・松本の森には、寒い冬に耐える赤松や唐松といった木が多く植えられてきました。その木を切って、運び出し、製材所に渡す「素材生産」の仕事を続けてきたのが株式会社柳沢林業。代表取締役の原薫さんに、信州の林業の仕事と、これからの未来について聞きました。 これまでを振り返り、山作りを問いなおす今井 これからの木材の使われ方について聞かせてください。原さんはこれから木の使われ方はどうなっていくと思われますか。 原 私は今(森に)ある木を、なるべく活かしたいなと考えて工夫しているわ

逆転の発想でクセのある木を活かす

先人が残してくれた木今井 林業はスケールの長い話だとは分かっていたんですけれども、50年から100年かかると聞くとあらためて本当に長い時間軸の仕事だと感じました。 村上 「人間と木」リズムが違う中で生きているんだなと改めて感じたのと同時に、でもその中でいろんな接点もあるんだなと思いました。その中で原さんからキーワードとして、「今は」とか「昔は」という言葉がところどころに出てきてたと思うんです。人間でいうと最終的に恵として求めるものの価値観が少し変わってきたのかなと思ったん

寒い冬をこえる赤松・唐松の森で林業を営む

信州・松本の森には、寒い冬に耐える赤松や唐松といった木が多く植えられてきました。その木を切って、運び出し、製材所に渡す「素材生産」の仕事を続けてきたのが株式会社柳沢林業。代表取締役の原薫さんに、信州の林業の仕事と、その時間感覚について聞きました。 育った木を切って製材する「素材生産」村上 今回は信州の松本市から、株式会社柳沢林業で代表取締役をされている原薫さんにご登場いただきます。原さんと初めてお会いした時に、なんというか、すごくゆったりとした時間が会話の一つ一つや、何かリ

「自然」と「ゲスト」のリズムの間にたって旅をする

雪にあこがれ、北へ今井 今回は辻さんが北海道・天塩川でアウトドアガイドになるまでのお話を伺いたいと思います。まず辻さんは子供のころ、どんな場所でどんな子供時代を過ごしたんでしょうか。 辻 今北の果てで住んでるんですけども、生まれ自体は徳島県なんです。温暖でこっちに比べると常夏のような場所で生まれ育ったんです。 村上 その辻少年が、どういった変遷を経て、北海道の道東を経て、どう北上してきたんですか。 本当に田舎で生まれ育って、夏休みの40日間ずっと海パンで過ごしてたよう

北海道美深町の暮らしと長い冬

川の魅力を子どもたちに伝えたい今井 今回は辻さんが普段、どんな人と一緒に暮らし、どんな人と仕事をされているのか、そんな話から伺えたらと思います。 辻 そうですね。僕のガイドの仕事に関しては一人で家族と行ってる小さなガイド屋なんです。前回までの話を聞いて、すごい北海道の大自然を思い浮かべているかもしれないんですけども、僕が住んでいる美深(びふか)町は4000人ぐらいの人口があって、町の人たちもとても魅力的なんです。 村上 美深の方々はどんな方々なんですか。 辻 そうですね