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NPO法人フィールドアシスタントがお届けする、世界各地の人たちに暮らしの知恵を求めて話を聞くポッドキャスト「ラジオネイティブ(radio native)」を公開中。このマガジンは… もっと読む
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2020年2月の記事一覧

北極のフィールドアシスタント(下)

(インタビュー)北極探検家・山崎哲秀さん その年の秋、北極探検家の山崎哲秀さんにお会いした。「フィールドアシスタント(極地の案内人)」というNPOに参加した以上、会っておかなければならない人だと感じたからだ。もう30年以上、北極に通い、研究者を案内し続けている。 「いよいよ極夜が明けます。明日(17日)には久々に太陽が見れそうですよ。」 日本時間2020年2月17日、山崎さんからメッセージとともに現地の写真を送っていただいた。一日中、太陽が地平線から顔を出さ

極北のフィールドアシスタント(上)

その年の秋、北極探検家の山崎哲秀さんにお会いした。「フィールドアシスタント(極地の案内人)」というNPOに参加した以上、会っておかなければならない人だと感じたからだ。もう30年以上、北極に通い、研究者を案内し続けている。 きっかけは植村直己もう30年以上、北極に通い続けている。毎年冬、おもにグリーンランド北極圏のシオラパルクという村に出かける。肩書は「北極探検家」。犬ぞりの技術など、北極という特殊なフィールドでの豊富な経験をもとに、ここを研究対象として訪れる学術研究者の

フィールドアシスタント見習中

#10年前の南極越冬記 2009/9/10 ちょうど10年前になる。当時、僕は越冬隊員として南極にいて、こんなことを書いていた。 ◇◇◇ ラングホブデから無事に帰って来た。心配していた悪天候の予報も外れ、気持ちの良い陽気の中、計画していた全てのミッションを終えることができた。それにしてもここまで予報が外れるのも珍しい。 定時交信の中でも向こう2日間の天気情報を教えてもらうのだが、それまでずっと崩れるとの予報が出続けていたのが、前日の晩の定時交信で「明日が崩れるとの予報は

リーダーの心得

#10年前の南極越冬記 2009/9/2 ちょうど10年前になる。当時、僕は越冬隊員として南極にいて、こんなことを書いていた。 ◇◇◇ いよいよ明日から4泊5日の予定で、ラングホブデの観測旅行に出る。今回のオペはこれまでと違って、僕にとっては特別な意味合いがある。初めてリーダーとして野外に出ることになるのだ。この半年の間に何度も野外に出て来たが、常に「自分がリーダーならどうするか」ということを頭に置き、それぞれのリーダーや越冬経験者の元で経験を積んで来たつもりだ。旅行中に