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青単スピリットに“とんずら”入れるのやめませんか?

はじめに

最近の青単スピリットは、メインデッキに“とんずら”を採用しています。私はこれが本当に理解不能で、はっきり言って、こんなカードは採用を検討する余地すらなく、デッキに入る可能性は限りなく0に近いと考えています。

なので、今から「“とんずら”を採用すべきではない理由」を列挙していきます。

不採用理由1:単純にカードパワーが低い。

クリーチャー1体を対象とする。それの上に+1/+1カウンター1個を置く。それはフェイズ・アウトする。

そもそもの話、このカードのテキスト弱くないですか? 

基本的な運用方法は「相手の除去を回避した上でサイズアップ」ですが、これは相手が除去を使ってこない限り、使い道がないと同義です。

緑単信心というメインボードにほぼ除去を採用していないデッキが環境上位にいるのに、除去を使わなければ無意味なカードを2〜3枚採用するのは非常にリスキーだと言えます。

もちろん、相手のクリーチャーに使用し、キルターンをズラしたり、オーラを無駄にさせる使い方もあるにもありますが、その使い方が輝くのは何試合に1回なのでしょうか?

不採用理由2:ラクドスにも強くない。

2022年7月現在、パイオニアで最も人気のアーキタイプは除去山盛りのラクドスミッドレンジです。

除去を連打してくるラクドスに勝つには、“とんずら”が必要という主張もあるかと思います。しかし、実際にはラクドスに対しても、“とんずら”は強いカードではありません。


青単スピリットvsラクドスは、青単スピリット側が除去を避け続ければ勝てるような展開になることは少なく、“税血の収穫者”や“砕骨の巨人”のようなハイスペッククリーチャーとの熾烈なダメージレースになりがちです。


そういった展開では、ラクドス側は1、2体のクリーチャー展開後、決して自分のターンには除去を使わず、青単スピリット側のターンに除去を構えてきます。


相手の思考は「青単スピリットが追加展開した際に除去を使おう!カウンターされた場合、青単スピリット側の浮きマナが減って、次の自分の展開が通りやすくなる。カウンターされなければ、クリーチャーの質で勝るラクドスが押し切れる。」というものです。


これは非常に合理的な判断で、お互いがカードを構え続ければ、サイズに勝るラクドス側が勝つのは自明の理です。


よって、必然的に“とんずら”を使うのは自分のターンになりがちなのですが、自分のターンに使う“とんずら”は悪夢そのものです。


除去の的になる“執着的探訪”がエンチャントされたクリーチャーや、“至高の幻影”は場にいてこそ、価値があるカードです。“執着的探訪“がついたクリーチャーでアタック出来ず、“至高の幻影“のバフが消えてしまうなら、守った意味も半減します。


ワーストケースは、“とんずら”使用時、自分のクリーチャーが1体しかいなかった場合で、“高尚な否定”や“霊灯の罠”は手札で寂しげな顔をすることになります。

もちろん、不要なカードとは言いませんが、期待するほどのバリューもありません。

不採用理由3:相手の展開に干渉しない。

最大の不採用理由です。

“とんずら”は妨害ではありません。相手の除去を無効にし、自分のやりたいことをやるための、攻撃的なカードです。(たまに相手のクリーチャーをフェイズアウトしますが…)

あれれ?そもそも青単スピリットって、自分の展開を押し付けるデッキでしたっけ?

“とんずら”は除去を回避するのみで、“帳簿裂き”も、“氷の中の存在”も、“老樹林のトロール”も、“鏡割りの寓話”も、“集合した中隊”も、“反逆の先導者、チャンドラ”も、“荊の騎兵”も、“ドミナリアの英雄、テフェリー”も、“宝船の巡航”も、打ち消せませんが、大丈夫ですか?

もちろん、大丈夫ではありません。

基本的に相手の方が強いカードを叩きつけてくるのに、パワー1のクリーチャーを並べてアグレッシブに攻め込んでも勝てるわけがありません。

“とんずら”のような攻撃的なカードの採用が許容されるのは、非常に早いオールインデッキ、つまりはボロスヒロイックのような、自分のやりたいことを通せば勝てるデッキです。

クロックパーミッションに分類される細いデッキが、自分のやりたいことをやろうとすれば、たちまち相手に踏み潰されるだけです。

まとめ

「私ははじめからここ(デッキリスト)にはいなかったよ。」。

イラストの紳士もそう述べています。

なら、代わりに何を採用すべきなのか?

“呪文貫き”を強く推奨します。

ラクドス最強の展開である3T“鏡割りの寓話”に強い耐性を持ち、緑単信心の“ビビモスを招くもの、キオーラ”や“大いなる創造者、カーン”を打ち消すチャンスもあります。

人間デッキの“集合した中隊”も止まりますし、ゲーム序盤であれば、除去回避の役割を果たせます。

良い点だけではなく、ゲームが長引いた際は、無価値なカードとなる弱点もありますが、青単スピリットのデッキコンセプト的に、ゲームが長引くようなら、どちらにせよ負けです。(ゲームが長引く前提でカードを採用するなら、最初から長期戦に強いデッキを使うべきです。)

以上。

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