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【 MTG:パイオニア】青単スピリットの解説【〜ニューカペナの街角】


■前書き

【青単スピリット】は安価でありながら、定期的に大会入賞するパワーがあり、パイオニア入門としてオススメのデッキです。

そこで「【青単スピリット】でパイオニア入門しようかな」と考えている方に向けて、私が持ちうる知識をお伝えするため、本記事を執筆します。

一応、第7期パイオニア神挑戦者決定戦(206名参加)でベスト8の人間が書いているので、そこそこ信用可能な内容と自負しています。

■リスト

【晴れる屋】

【MOXFILED】

https://www.moxfield.com/decks/fhd2HNLwnUO5ShlNeUt_Sw

・注意点

テンプレ構築では採用されている“鎖霊“と“とんずら“が採用されていません。理由は、私がこれ等のカードが弱いと考えているからです。

特に“とんずら“に関しては、あまりにも嫌いすぎて、過去にネガキャン記事まで書いています(笑)。

テンプレ構築では採用されているため、採用したい方は、お好きなカードと入れ替えてください。

■デッキの概要

【青単スピリット】はクロック・パーミッションと呼ばれる、対戦相手のライフを削る『クロック』を、対戦相手の呪文を『許可』しない打ち消し呪文でバックアップするデッキです。

各要素を簡単に解説します。

・クロック要素

採用クリーチャーの大半が浮いています。

すなわち、飛行を持たないクリーチャーにブロックされません。(テキスト読み上げニキ)

これが強い!

飛行が強いって「リミテッドかよ!」みたいな話ですが、軽量クリーチャーを並べるデッキにありがちな、相手が大きいサイズのクリーチャーを場に出すとビタ止まりする展開が発生し辛くなります。

・パーミッション要素

打ち消し呪文はライフレースに貢献しません。

なので、【青単スピリット】は、【赤単アグロ】や【ボロスヒロイック】のようなデッキと比較し、相手のライフを削る速度は遅めです。

代わりに、【赤単アグロ】や【ボロスヒロイック】が苦手とする重くて強いパワーカード(“放浪皇”や“絶望招来”)を、【青単スピリット】は2マナで打ち消せます。

つまり、【青単スピリット】は速度と引き換えに、相手の一発逆転を許さないマウント性能を手にしたアグロデッキと言えます。

もちろん、打ち消し呪文の採用は良い点ばかりではありません。

打ち消し呪文は既に場に出たカードには何もしないので、押されてる盤面の逆転には繋がらず、劣勢を覆すには不向きです。

《勝つ時は圧勝。負ける時は惨敗。》 
デッキの性質上、そんな感じです。

■プレイング

・基本

場に『クロック』がいない場合を除き、自分の動きよりも、相手への妨害を優先します。

理由は、青単スピリットは劣勢を覆せるデッキではないからです。劣勢を覆せない以上、劣勢にならないのが重要です。

例えば、後手2ターン目、手札に打ち消し呪文と“至高の幻影”があった場合、打ち消し呪文を構えましょう。

ただ、打ち消し呪文が手札にない場合、「相手を警戒させるために、“至高の幻影”を出さない!」みたいなプレイは必要ありません。

持ってるフリをしても、どうせ使われます。(手札に使えるカードあるのに使わない人いないですよね?)

・このカード、打ち消す?or打ち消さない?

相手にカードプレイされた際は打ち消さない理由を考えましょう。

打ち消さない理由は、「これを打ち消すより、瞬速でクロック追加した方が強い!」、「これは通っても何にもしないからスルー」の2つのみです。

これに当てはまらない場合、何でも打ち消します。理由は、構えて何もしないのはターンをパスしたのと変わらないからです。空白ターンの発生は、潜在的にアドバンテージを損していると考えましょう。

「〇〇用に打ち消しは温存したい」という考えは分かりますが、あるかも分からないカードに怯えるより、目の前の脅威に対応した方が勝率は上がります。

追加マナ要求の打ち消ししか採用していない以上、構え続ければ不利になるのは【青単スピリット】側なのです。

・マナー

対戦相手を不愉快にするだけなので、打ち消しがないのに考えるフリをしないようにしましょう。

同じく、打ち消すことに決めているのに、打ち消すか悩んだフリをしないようにしましょう。

マジギャザはお遊戯会ではありません。
そもそも、そんなんしても勝率変わりません。

■個別カード解説(メイン)

・クリーチャー 

“隆盛するスピリット” 4枚
デッキ内の最弱の1マナクリーチャーです。

はっきり言って、パイオニアで使うに値するカードパワーはありません。

クロック早期着地のため、1マナクリーチャーが12枚欲しいので採用していますが、抜きたいカード筆頭です。

基本的な運用方法は、「相手が動かなければ、相手の終了ステップに能力を起動して成長させる」ですが、能力起動にスタックして除去を当てられると目も当てられません。

計6マナ払わないと飛行もつかないので、地上でビタ止まりしますし、悪い点が目立ちます。

“霊廟の放浪者” 4枚
デッキ内の最強の1マナクリーチャーです。

はっきり言って、モダンでも通用するカードパワーです。“隆盛するスピリット“君も見習って!

スピリットが出るたびに+1/+1修正を受ける能力で速やかに相手のライフを削り、生け贄にして打ち消す能力により、妨害も可能です。

小テクとして、瞬速で相手ターンにスピリットを展開してもサイズアップすることで、生け贄にして打ち消す能力の要求マナを増やせます。(対戦相手が“告別“のような重いスペルを唱えてきた際に、実践する機会があります。)

“幽体の船乗り” 4枚
大体、1マナ1/1瞬速飛行バニラです。

マナフラッドした場合、貴重なアドバンテージ源となるので、複数枚1マナクリーチャーがハンドにある場合、このカードは最後まで持っておきましょう。

先行1ターン目にこのカードがハンドにある際は、“ポータブル・ホール”や“絞殺”ケアで、必ず相手のエンドステップに出します。

“鎖鳴らし” 4枚
相手の除去から『クロック』を守り、自分も『クロック』になるスゲーやつ。

また、忘れがちですが、このカードが場にいると自分の手札のスピリットが瞬速を持ちます。これも強力です。

さて、前提として、【青単スピリット】は相手ターンに使用可能なマナが多いほど強いデッキです。

理由はシンプルで、【青単スピリット】の浮きマナが多いほど、相手はケアしなければならないカードが増え、プレイが難しくなっていくからです。(個人的には、これを“ケアの押し付け”と呼んでいます。)

当たり前の話ですが、【青単スピリット】が自分ターンに行動する度、相手のターンに使用可能はマナが減っていくので、相手のプレイが簡単になっていきます。

しかし、“鎖鳴らし”がいる場合、全ての行動がインスタントタイミングで可能となります。

例えば、相手のアタックを見てから、“隆盛するスピリット”をキャストしてチャンプブロック出来ますし、火力除去に対応して“至高の幻影”をキャストすることが可能となります。  

つまり、相手のミスを誘発出来る可能性が上がるのです。

“至高の幻影” 4枚
†最強†

“厚かましい借り手” 4枚
4枚採用は珍しいカードですが、個人的には4枚採用以外、あり得ません。 

【青単スピリット】は場に出たカードへの干渉手段が乏しく、“氷の中の存在”や“粗暴な聖戦士”の着地を許すと、とんでもないことになります。

バウンスは一時凌ぎにしかならないとはいえ、一時凌ぎすら出来ないのとは、大きな違いがあります。

・呪文

“呪文貫き” 2枚
“とんずら”の代わりに入っています。

ラクドス最強の展開である3T“鏡割りの寓話”に強い耐性を持ち、緑単信心の“ビビモスを招くもの、キオーラ”や“大いなる創造者、カーン”を打ち消すチャンスもあります。

人間デッキの“集合した中隊”も止まりますし、ゲーム序盤であれば、除去回避の役割を果たせます。

“高尚な否定” 4枚
これも4枚採用は珍しいカードです。

ただ、現環境は絶対に止めなければならないカードが非常に多く、カウンターは常に引きたいカードなので、“霊灯の罠”と合わせてフル採用しました。 

4マナ要求なのも大きく、対【緑単信心】では、対戦相手が3マナなら払えるが4マナは払えない展開がよくあります。

“霊灯の罠” 4枚
大体、“マナ漏出”です。

場に“執着的探訪”にある場合、3倍“マナの税収”というめちゃくちゃな性能となります。 

“執着的探訪” 4枚
デッキ内最強のカードです。

エンチャントし、1回攻撃が通れば1マナ1点ダメージ1ドロー、2回攻撃が通れば1マナ2点ダメージ2ドロー、3回攻撃が通ればゲームに勝利します。

・土地

“不詳の安息地” 4枚 
スタンダード禁止の最強ミシュラランド。

全体除去を通った返しに殴ったり、ブロッカーとして場に出たり、攻守両面で活躍します。

ゲーム中に必ず1枚は引きたいので、4枚採用を強くオススメします。

“島” 18枚
【青単スピリット】は採用カードのマナコストが非常に軽く、マナフラッドした際の受けも“幽体の船乗り”しかないので、23枚目の土地は不要と考えています。

“天上都市、大田原”を採用していない理由は単純で、“天上都市、大田原”でバウンス能力を使用する回数より、“隆盛するスピリット”や“不詳の安息地”の能力を起動出来ずに困ることの方が多いからです。

■個別カード解説(サイド)

“潜水” 2枚
【イゼットフェニックス】、【青白コントロール】、【ラクドスミッドレンジ】のような単体除去が非常に多く採用されたデッキに投入します。

“とんずら”ではない理由は、…もういいですよね?

“証人保護”2枚
【イゼットフェニックス】の“帳簿裂き”、“氷の中の存在”や、【緑単信心】の“荊の騎兵”のような、通るとヤバいカードクリーチャー対策用に採用しています。

“真髄の針”2枚
かなり相性が悪い【ラクドスサクリファイス】の専用対策カードです。他にも【パルヘリオンシュート】のような、たまたま刺さる相手にもサイドインします。

“霊気の疾風”2枚
最強の色対策カードです。

数を増やせば増やすほど【緑単信心】に対して強くなります。また、本来、絶望的な相性である【グルールミッドレンジ】にも有効なカードです。

ただ、緑単信心には元々そこそこ有利なので、2枚採用に抑えています。

“幻惑の旋律”4枚
相性最悪の【赤単アグロ】、【ボロスヒロイック】、【白単人間】の専用対策カードです。

また、【青単スピリット】同型でも通れば強いのでサイドインします。(基本的に通りませんが…)

“幽体の敵対者”1枚
5枚目以降の“鎖鳴らし”です。

場にクリーチャーがいないのに、“潜水”や打ち消し呪文ばかり引く事故が目立ったので、単体除去対策枠をスプリットしています。

“未認可霊柩車”2枚
墓地利用デッキ全般にサイドインします。

実は霊柩車を運転出来るクリーチャーが全然いないため、【青白コントロール】とかに除去し辛いクリーチャーとしてサイドインするのはオススメしません。

■個別カード解説(不採用カード)

“とんずら”
私はこのカードを憎んでいます😡

“鎖霊” 
何が強いのか分かりません。

ソーサリータイミングアクションというだけで評価が低く、効果も強くありません。 

【イゼットフェニックス】の“帳簿裂き”や、【緑単信心】の“荊の騎兵”をタップ出来る点は評価出来ますが、クリーチャーを2体タップすれば、こちらがライフを削るスピードも下がります。

【青単スピリット】は長期戦最弱クラスのデッキなのに、自ら長期戦を挑むカードを採用する理由が分かりません。

【パルヘリオン】や【ロアホールドシュート】が流行らない限り、採用しないと思います。

“神秘の論争”
本来は4枚採用したかったカードです。

【青単スピリット】ミラーは、このカードを引いた枚数で勝敗が決まります。つまり、1枚も採用していない本リストは同型最弱です。

ただ、どうしても“神秘の論争”をサイドインしたい相手が【青単スピリット】しかおらず、引いた枚数が多いほど有利という性質的に中途半端な採用枚数は無意味なので、今回は不採用です。

“心悪しき隠遁者”
【青白コントロール】に対し、非常に強力なカードです。

今回は他に対策すべきデッキがあったので採用しませんでしたが、枠さえあればぜひ投入したいです。

“霊気の収集艇”
【赤単アグロ】に対し、劇的に相性を改善できるカードです。

今回は他に対策すべきデッキがあったので採用しませんでしたが、枠さえあればぜひ投入したいです。

“砂漠滅し、イムリス”
イラストがカッコいいだけではなく、【ラクドスミッドレンジ】に叩きつけると相手がひっくり返って死にます。※死にません。 

ほぼ【ラクドスミッドレンジ】専用なので、今回は採用していませんが、これも枠さえあればぜひ投入したいです。

“軽蔑的な一撃”
【青白コントロール】に対してはあまり強くないので、サイドインしたいのは【緑単信心】となります。

“霊気の疾風”を4枚採用した上で、それでも【緑単信心】が憎ければ採用しましょう。  

■ゲームプラン

対【ラクドスミッドレンジ】

不利です。

【ラクドスミッドレンジ】にはハンデスや軽量除去を多く採用されており、ゲームが長引きやすいです。当然、ゲームが長引けば【ラクドスミッドレンジ】の方が有利です。

幸い、【ラクドスミッドレンジ】には飛行クリーチャーは殆ど採用されていないので、飛行クリーチャーの攻撃が有効です。自分が先に死なないように気をつけながら、早期決着を目指しましょう。

サイドアウト
“隆盛するスピリット”4枚
サイドイン 
“潜水”2枚“
“霊気の疾風”1枚
“幽体の敵対者”1枚

対【緑単信心】

微有利です。

妨害アクションが少なく、相手のアクションが大ぶりなので、こちらのペースでゲームが進められます。

ただ、1ターン目マナクリ→2ターン目“老樹林のトロール”のような動きをされれば、一瞬で負けてしまいます。

サイドアウト
“隆盛するスピリット”4枚
サイドイン 
“証人保護”2枚
“霊気の疾風”2枚


相手が“空殴り”を採用していたら絶対に勝てません。諦めましょう。

一応、“空殴り”の専用対策カードとして“忍者の苦無”があります。

オススメはしませんが、どうしても“空殴り”に屈したくないなら採用もアリです。

対【イゼットフェニックス】

かなり不利。

大体、対【ラクドスミッドレンジ】と同じ理由で不利なのですが、【イゼットフェニックス】は飛行クリーチャーを採用しています。

つまり、飛行クリーチャーの攻撃が通らないことがあります。非常に厳しいマッチアップです。

サイドアウト
“隆盛するスピリット”4枚
“霊灯の罠” 2枚
サイドイン
“潜水”2枚“
“証人保護”2枚“
“未認可霊柩車”2枚

対【青白コントロール】

微有利。

「“至高の評決”がヤバい!」と言われがちなマッチアップですが、プレイである程度のケアが可能です。

相手のライフを適切に削り、「“至高の評決”を使わないと返せないが、“至高の評決”を使うと瞬速で出されたクリーチャーと“不詳の安息地”で詰む。」という展開に持ち込むのがゴールです。

また、【青単スピリット】側が打ち消し呪文を採用しているため、相手の勝ち手段も通らず、【青単スピリット】側が1点や2点でちくちく殴っているだけで勝ったりします。

サイドアウト
“呪文貫き” 2枚
サイドイン
“潜水”2枚“

対【赤単】

めちゃくちゃ不利。

デッキに採用しているカードのマナ域は同じなのに、相手の方が強いカードをたくさん入れています。

こっちは“隆盛するスピリット”!
あっちは“僧院の速槍”!
勝てるわけありません!!

サイドアウト
“隆盛するスピリット”4枚
“呪文貫き” 2枚
“執着的探訪”4枚
サイドイン
“潜水”2枚“
“証人保護”2枚
“霊気の疾風”2枚
“幻惑の旋律”4枚


“執着的探訪”は「キャスト対応エンチャント先に火力呪文✌️」で1秒で負けるため全部抜きます😢

対【青単スピリット】

不利。(“神秘の論争”不採用のため)

メインは“執着的探訪”と“至高の幻影”をたくさん引いた方が勝ちます。

サイド後は“執着的探訪”と“至高の幻影”と“神秘の論争”をたくさん引いた方が勝ちます。

クソゲー?

サイドアウト
“呪文貫き” 2枚
“霊灯の罠”1枚
“高尚な否定”4枚
サイドイン
“証人保護”2枚
“幽体の敵対者”1枚
“幻惑の旋律”4枚

■終わりに

以上となります。お読みいただきありがとうございました。呼んでくれた方の一助になれば幸いです。

気が向いた際、随時、加筆修正します。

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