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男性社員の育休体験記

※2022年6月22日に公開した記事です

本日は「男性社員の育休取得体験記」をお届けします。

皆さまは2022年4月から「育児・介護休業法」が改正されたことをご存知ですか?
これは育児休業(以下、育休)取得を望む男性の仕事と育児の両立をかなえるとともに、女性の雇用継続を促進するための法改正です。

・・・と言われても「男性の育休って実際どうなの?」と思われる方も多いのではないでしょうか。

今回、当社で実際に育休を取得した3名の男性社員へインタビューを行いました。

これから取得を検討しようとしている方や、育休取得を支える職場の方の参考となるような、リアルな声が詰まっていますのでぜひご覧ください!


Interviewee

E.T.
2006年入社〔子:2人〕
空調機商品開発本部 業務用空調機開発部 マネージャー
海外向けの業務用空調機の開発を担当し、2020年からマネージャーとしてチームを率いている。
第2子の出生を機に2016年から2017年にかけて育休を取得。育休取得期間は1年。


T.I.
2006年入社〔子:2人〕
空調機商品開発本部 業務用空調機開発部 マネージャー
海外向けの業務用空調機の開発を担当し、2020年からマネージャーとしてチームを率いている。
第2子の出生を機に2016年から2017年にかけて育休を取得。育休取得期間は1年。

Y.E.
2011年入社〔子:1人〕
情報通信システム本部 情報通信システム事業部
消防システムの導入。具体的にはAVMというナビシステム、車輌のナビシステムの導入など、デジタル無線機の導入を手掛けている。
第1子の出生を機に2019年に育休を取得。育休取得期間は1か月半。

Interviewer

A.T.
2012年入社
人事統括部 人事企画部 労務チーム
人事労務担当者として、「多様性を活かして社員が柔軟に働ける職場づくり」を目指し、施策・制度の検討を担当している。

育休を取得したきっかけ、不安だったことなどを教えてください

(E.T.)育休取得期間は1年で、第2子の出生を機に取得しています。第1子は妻が取得したため、家庭内で調整しました。一番心配したことは、問題なく復職できるのか、今までのキャリアプランも含めてどうなっていくのかという点です。

(T.I.)育休取得期間は約2か月で、2021年の1月末~3月まで取得しています。第1子出生がきっかけで、妻だけの負担になることは避け、二人で協力していきたいと思い取得しました。復職したあとどういうポジション・立ち位置になっているかということに関して不安ではありました。 また、5年目の大きな研修が控えていたので、それも心配ではありました。

(Y.E.)育児取得期間は1ヶ月半と少し短めですが、仕事上で出張がかなり多いので、初めの数ヶ月だけでも育休をとって、妻の負担を和らげたいと思い取得しました。キャリア的な部分は不安に感じていました。戻ってきたときにどうなるのかと思っていました。

(A.T.)長期間職場から離れることはやはり不安ですよね。今後、育休を取得される方は、皆さんの活躍を見て不安が軽減されるかもしれませんね。

金銭面での不安などはありましたか?

(E.T.)特に心配はしていませんでした。当時、会社の社内ポータルに育休情報サイト(現在はハンドブックを配布)があり、問題ないことを確認しました。ちなみに給付金は受給開始から半年後に給付率が下がり、受け取れる金額が減った事を記憶しています。ただ、妻も産後3ヶ月位で復職したため、そこまで影響はありませんでした。

(T.I.)家計への負担が大きくなるし、妻の方も収入が減るので不安でした。一応色々と調べ、育児休業給付金で67%入るということは知っていましたが、実際にもらえるまでは不安でした。自分の親が色々と買ってくれたりしたので、そこは助かりました。調べても複雑なため、読み込むのが大変で、社内に相談できる人がいれば良いと思います。

(Y.E.)一人家族が増えることで家計の負担が増えることと、妻も産休で収入が減るということで、金銭面で不安を感じていました。実際には1か月半なのでそこまで大変では無かったですが、もし長期間取るとなると大変かなと思いました。補助金などを調べて利用していたこともあります。WEBや計算ツール、育児・出産に関する雑誌から情報を調べていました。

(A.T.)育休を取得することで、収入がどのように変化するか、確かに気になる部分ですね。皆さんのお話にあった通り、収入(給付金など)や費用に関する具体的な情報が入手できると、イメージがしやすく助かりますね。

育休の取得を伝えた時、職場の反応はどうでしたか?

(E.T.)職場の上司には、妻の妊娠が分かってすぐに伝えました。育休の取得を考えていた当時は、男性の育休取得者が会社にいなかったこともあり、上司に伝えた時の反応は「えっ?ほんとに取るの?」という感じでしたが、その後はどのように取得するかを一緒に考えてくれました。開発プロジェクトのどのタイミングで取得するのか調整が必要と考えたため、すぐに伝えて相談しました。

最終的に、次年度の組織も含めて、自分が抜けても問題ないようにしていただきました。そして、職場のみんなからも応援してもらえましたし、当時の上司には調整いただいて非常にありがたかったです。

(T.I.)職場には安定期に入ってから伝えました。私も上司に伝えた当初は、少し驚かれ、開発人員の調整が頭をよぎったのかな?という感じもありましたが、話していくうちに前向きに捉えてもらえたようで、職場からも応援してもらえて、業務も調整していただきました。

育休の取得時期はちょうど開発が終わった区切りのよいタイミングで、多少の引継ぎはありましたが、スムーズに取得できました。

(Y.E.)上司に伝えた際には、第一声で「おめでとう」と言ってもらえて嬉しかったですが、自分が抜けることで今後の組織をどうするか悩んでいるように感じました。

また、当時どこかの企業で、「育休を取得して戻ってきたら自分の席がなかった」ということがニュースに取り上げられた時期だったので、同僚から冗談で「席が無いかもよ?(笑)」と言われて少し不安になりました(笑)。

(A.T.)職場の仲間や上司も、お祝いの気持ちや育休取得を応援してくれる雰囲気だったんですね。一方で、業務や人員の調整を考えると不安もありそう。早めに申し出て、取得時期を相談したことが、皆さんがスムーズに取得できたコツだったのかもしれません。

家事の分担や育児で大変だったことや、育休を経て意識の変化はありましたか?

(E.T.)家事育児の分担は話し合いで決めていきました。私は、仕事に復帰してから、お迎えが一番大変でした。お迎えに遅れられないプレッシャーがありました。基本的にお迎えや料理は自分で、寝かしつけは妻がやり、夫婦で得意なことがなんとなく決まっているので、できないことは無理してやらないようにしていました。そして、急にお迎えが必要になった時にどちらが行くかという調整が大変でした。

早く帰る必要がある日は業務を調整し、残業しないようにということは徹底していましたし、リーダーでしたので、部下に対するマネジメントも行いました。必ず帰らなければいけない時もありますので、時間に対する意識は強くなりました。

(T.I.)平日は妻が気を使ってくれて、自分だけ別の部屋で寝かせてもらっていました。妻の方が負担は大きくなってしまいますが、その代わり休日は自分が対応していました。

育休を取る前よりは率先して家事に取り組むようになりました。ご飯づくりや、子どもの入浴などを少しずつやっています。

仕事では残業をしないように意識して、できるだけ定時に帰るように調整しています。グループメンバーにも迷惑をかけないよう、効率的に業務をするよう以前より意識するようになりました。

(Y.E.)子供が生まれる前から家事はやれる人がやるという形でしたので、特別な分担はしていなかったです。ただ、負担はやはり妻の方が大きかったかなと思います。眠っている時に子供が泣いたことに気づけず起きられなくて、怒られたこともありました。

妻が動けない時期があったので、その時期はほぼ全て自分がやっていました。その後は分担してやっていました。お互いにあまり大変という感覚は無く、楽しくやれたと思います。

仕事に対する考え方も変わったと感じています。フレックスなどを活用して業務を調整し、休暇も積極的に取得するようになりました。今までは有給休暇をあまり活用できずにいましたが、有給休暇を計画的に取得するという考え方に変わったと思います。

(A.T.)夫婦で協力しあって育児をされていたんですね。復職後も育児をするために、限られた時間の中で効率よく成果を出すような意識や働き方の変化があり、仕事において良い影響があったようですね。

育休を取得して良かったと感じたことや、困ったことなどはありますか?

(E.T.)子どもと接する機会が増えたことが非常に貴重でした。子供は成長が早く、赤ちゃんの時に一緒にいられる時間は限られているので、良い経験になりました。

懸念点は、将来のキャリアプランをどう見直すのかという点かと思います。育休取得後に管理職になりましたが、休職期間がある以上、少なからず影響はあったかと思います。ただ、具体的な影響は感じ取れませんでした。

また、妻からは「非常に助かった」と言われました。妻も働いていますので、お互いのキャリアを大切にしながらしっかりと働けて良かったと思います。掃除や洗濯などの家事に手が回らない時は、代行サービスを利用するなど工夫しています。

(T.I.)子どもと触れ合える時間ができたということと、家事・育児に対する意識が変わったことは良かったと思っています。

昨年育休を取ったのでまだわかりませんが、現状はキャリアへの影響は特に感じていません。育休はもっと取れるなら取りたかったですが、金銭面で大きな支出もあったので、2か月程度にしました。もし次に育休を取得するなら2か月以上は取りたいなと思います。

(Y.E.)育休を取って妻からの評価が高くなりました。周囲にも取得した人は多くなかったので、妻が動けない時期や精神的につらい時に「一緒にいてもらえてありがたかった」と言われました。

キャリアについては影響を感じていませんし、今後も頑張っていきたいと考えています。

(A.T.)その時しか見られないお子さんの成長を見ることができたのはもちろんのこと、今後の良好な夫婦関係という点でも良かったのかもしれませんね。また、育休取得前に不安を抱いていた、将来のキャリアという点についても、そこまで大きな影響を感じられていないようで安心しました。E.T.さんがおっしゃっていたように、育休取得前にあらかじめ将来のキャリアプランを描き直すことが重要ですね。

理想的な育休期間はどれくらいと思われましたか?

(E.T.)女性のキャリアを考えたときに、出産はどうしても休まなければいけないことで、代わることはできません。女性が立てたキャリアプランに対して影響が出てしまう場合などは父親側が1年くらい休む必要があるケースも考えられると思います。

(T.I.)家庭にもよると思いますが、感覚的には生後4、5ヶ月くらいの夜泣きがあるうちは、育休を取っていたほうが妻の負担が減るのかなと。夜泣きに対応して会社に行くのもつらいと思うので、夜泣きがだいぶ落ち着く、生後4~5ヶ月くらいまで取得するといいのかなと思います。

(Y.E.)理想的には1年くらいですね。自分は1ヶ月半ほどでしたが、妻の方は子どもとの接し方や育児の仕方がうまくなっている一方で、自分は仕事に戻ったので、そのあと差が出てしまい、妻の負担を増やしてしまっているのかなと感じました。

1年くらい一緒に過ごして、夜中の育児の経験も一緒にして、食事をどういったものをつくるとか、実際に作る側に立つとか、そういったことを全部含めて一緒に経験を積んでいく期間としては1年間というのが一番いいのかなと思いました。

(A.T.)理想的な育休期間は、ご家庭によって様々ですね。自分たちにとって最適な育休取得期間はどのくらいなのか、各家庭で話し合う必要がありそうです。

育休を取りたいと考えている方へアドバイスをお願いします

(E.T.)取得を検討する人に対しては、5年後・10年後に何をしたいかや自分のキャリアプランを明確にして、育休を取得した後にどうなりたいか?ということを考えてほしいです。上司に頼り切りになるのではなく、自分がどうしたいかという事を自分でしっかり考えてから行動すると、上司も応援しやすいと思います。

(T.I.)子どもは成長が早いので、一緒に過ごす時間は貴重だと思いますし、育休を取得した方が愛情も深まるかと思います。

(Y.E.)子どもへの愛情が強くなると思うし、結局一番大変な妻をケアできるということは、夫婦としてもメリットがあると思います。家族として一緒に成長できる期間ができるというのもメリットだと思い、おすすめしたい。ぜひ希望があれば取って下さい。

(A.T.)本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。人事担当としても、今後育休を取るかもしれない一人の従業員としても、皆さんのお話はとても勉強になりました。引き続き、取得を希望する方やご家族、そして育休取得者を支える職場の力になるような施策を人事の皆で考えていこうと思います。

今後も、富士通ゼネラルは育休の取得を希望する従業員・職場を最大限応援していきます!

おわりに

富士通ゼネラルグループでは、多様な人材が活躍できる環境作りの一環として、企業理念「共に未来を生きる」に則り、男性の育休取得を応援しています。

本人は、子を思い、パートナーを思い、育休を取得する。

そして、職場を思い、お客様を思い、準備する。

職場は、本人やその家族を思い、協力して互いに支えあう。

会社は、本人とその家族、そして支える職場を思い、支援する。

本人、家族、職場、会社全体にとってより良い育児休業制度となるよう、職場の応援を得るために心がけたいことや休職中の収入シミュレーションなどの情報提供、休職中の仲間を支える職場への配慮など、様々な施策に取り組んでいきます。

※本インタビューは2022年4月4日に行いました。
※撮影時のみマスクを外しています。

【ご参考】

  • 「女性活躍推進法に基づく行動計画」(2021年4月1日から2026年3月31日まで)を策定し、「2026年度までに正規雇用従業員の男性における育児休業の取得率を30%以上かつ、平均取得期間を10日間以上」とする目標を掲げている。

  • 2021年度、育休を10日以上取得した従業員の割合(母数:子の出生があった男女別従業員数)は、女性が100%、男性が約33%(富士通ゼネラル単独)となり、上記目標値を達成した。