仕事の思い出〔1〕葬儀屋さん
こんばんわ唐崎夜雨です。
これまで何度か転職し、いろいろな業界に身を置きました。仕事は主に総務経理。
でも、人の手が足りないときは他のセクションのお手伝いもする。いろいろな経験をさせていただきました。
お手伝いは、いつもと違う仕事で面白がることもありましたが、イヤだな鬱陶しいなと思うこともありました。
今となってみれば、貴重な体験と言えそうですが、またやってみたいかと言われると、おおむねお断りします。
さて、そんな本職ではないお手伝い仕事のお話をいくつか紹介しましょう。
まずは葬儀屋さん。
当時ある互助会の社員でした。関連会社の葬儀屋の葬儀会場に呼ばれることも稀にある。大きな葬儀だとスタッフが必要になることもありますので。
一番キツかったのは、駅前で立つ斎場案内担当。「◯◯家→」の札みたいなもの持って立っているだけ。
その日は寒い夜で、しかもあいにくの雨。雨に打たれて立ちすくんでいると、気もなえる。
逆に面白かったお手伝いもある。それは納棺のお手伝い。
よほど人手が足りなかったのでしょう。納棺補助はこれ一度キリです。
お亡くなりになられたのは、ぽっちゃりタイプのお婆ちゃん。
補助に呼ばれるとき、主任さんにご遺体を見ても触れても大丈夫かと尋ねられた。
「怖くないですよ。生き返ったら怖いですけど。」と返事をしたように覚えている。
若いころは霊的な話は全否定していましたから、ご遺族に対して失礼ではありますが、私にとって身内の者ではないご遺体はただの物体でしかない。
事故などでご遺体の損傷が激しいと話は別でしょうけど、そうでなければ、今でもそれほど気にはならない。
主任さんと二人でお婆ちゃんを棺に入れた時、ちょっとトラブル。身の丈は棺にあっているのですが、ぽっちゃりと言うより小太りだったので、胸の上で手を合わせると棺のふたが閉まらない。
ご遺族の方には重ねて申し訳ないが、これは心のうちで笑ってしまった。そこだけはハッキリ覚えている。
納棺の仕事は面白がるといっても積極的に楽しめるものではない。しかし互助会員むけ会報の編集に参加したのは面白かった。どうして参加するようになったのかは覚えていない。
ある方の葬儀を会社が執り行った。その方は決して著名な人ではないが、ある功績があり本も出版されていた。そこで、その方のこと、出版された本のこと、当社の葬儀を経験して思うことなどをご遺族に会ってお話を伺うことになった。
なぜか私も同行することになり、お話をうかがった。そしてそれを文章にして会報に載せた。ルポライターみたいな感じ。これはなかなか体験できない貴重な時間である。
さて、互助会を転職して、唐崎夜雨はアパレル会社へ転職。
そこでのお話はいづれまた。
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