失敗しない道具の選び方?
道具好きのトリマーのみなさん、こんにちは。
自粛の制限により意外と快適な日々を送っているイサです。もともと根暗なので、なにかに没頭できる時間ができて充実しております。
先日お友達から
「新しいバリカンを買いたいんだけど、何買ったらいい?」
とメッセージをもらいました。
確かに60台近くのバリカンを自費で購入してきたので、おそらく他のトリマーさんよりも気に入ったものも、失敗したと感じた経験も山盛りだと思います。
しかし、こういった漠然とした質問をもらうとお返事にはとても困ります。
◎今現在使用しているバリカンは?
◎そのバリカンの気に入っているところ・困っていること
◎そのバリカンと用途は分けるのか・同じようなものが欲しいのか
◎現在のブレード(替刃)を活用したいのか・総入れ替えするのか
◎金額の予算
◎個人で買うのか・お店の備品なのか
◎現在候補のバリカンは何か
など色々と聞かないとわからない「その人」の背景がたくさんあるのです。
なので、こういった個別のメッセージの質問には正直なところ積極的にはお答えしたくありません。なんというか、お答えしづらいんです。
セミナーにご参加された受講者様から“その場でいただいた”場合は、バリカンの基礎知識をお伝えしたてホヤホヤのため、その熱が冷めぬうちに全力で相談に乗ります。展示会のお仕事でアテンドする際も同様に全力です。
それでもどうしてもメッセージで「ちょっと聞きたい」程度の回答を求められた場合は「これ」と断言しないように心がけています。
“相手の使い方や用途も性格もわからず、無料=無責任に回答できない”というのが本音です。(今回は理解ある友達なので、今世紀最大の無責任さで回答いたしました。)
もちろん答えやすいように質問をまとめてくれる方もいますが、もし“本気で”知りたい人は、できるだけ展示会や、カタログ凝視からの問い合わせなどでメーカーさんや取扱店の方の意見を直に聞いて情報収集をしてください。取り扱っている道具の知識は私よりあるはずです。メーカーさんですから。あなたの使い方や用途によって、合うものを勧めてくれることがお仕事です。私のように、いちユーザーとしての勝手な“好み”の偏りもないですし…。
信頼できる道具かどうか、今後万が一不具合があっても信頼できるメーカーさんなのか、ご自身の五感をフル活用してリサーチしてください。そのプロセスが、素敵な道具との出会いに繋がるのではないでしょうか。
もちろんネットのレビューやまわりの人の意見も役立つこともあります。でも盲信してよい対象ではないと考えています。
最終的にお金を使うという判断は、他の誰でもないあなた自身が下すのです。
もしも、道具選びで「絶対に失敗したくない」という強い気持ちを持っている人がいたら、こう伝えています。
「失敗したくないという気持ちが強ければ強いほど失敗すると思いますよ(ニッコリ)」
だって、買うのに疑うことから入るから。
失敗したくない人は新しいものを迎えた途端に
『自分は失敗していないか』の検証が始まるのです。
もしかして損をしたのではないかという不安が付きまとう。
「なにかを悩んで選ぶ」ことは、必然的に捨てる選択肢の方が多くなるんです。
せっかく悩んでひとつのものを購入しても、過去を振り返ったら捨ててきた選択肢のほうが大量です。必ず選んだものよりも、切り取ったそれぞれの良い側面が見えてしまう。
なので失敗しない道具の選び方は
『不安』を切り離して、『希望』を持つこと。
以上。
『失敗したらどうしよう』の無限ループでは自分に合った道具も、合わない道具も知ることができない。迎えたからには活用してやるぞオイラならできるの意思ですよ。
エラーをしない方法で物事を選択すると、よりエラーを引き起こす可能性が高まる、しかも特大のやつ、と個人的に思います。不思議です。
生涯ノーミスを課せられたらイサはストレスで消滅します。
トライ&エラーというより
”エラーありきのトライ”です。
もっと言うと、エラーは感情的に失敗したぁぁ!と解釈するというより、
あくまで冷静な自己分析の経験値に変換すればよいのです。
仮に自分の体や用途に合った道具がわからなくとも、
「合わない道具」を知っていたらいいのではないでしょうか。生理的に受け付けない譲れない部分とか。(ほら、失敗も糧になる)
これは私自身の考えですが、
「自分にピタリとハマるパーフェクトでオールマイティーな道具」など、とりたて欲しくないし、そもそも興味がない。
そんなモノよりも「どんな道具にも合わせられる自分」を磨きたい。
自分自身と同じで
“足りないところ”や
“苦手なこと”を
道具も持ち合わせていて当然だと考えているからです。
自己責任で選んだ道具を、大切なお客様に適材適所の使い分けをすること。
それが私の思うプロッフェショナルです。
“会社が備品を用意してくれて当然” という、甘えた思考を捨てると
自分のブランディングのために道具が役立つわけです。
「どれだけ万能に役立つか」より「どんな場面で活躍できるか」を考えただけで心が踊ります。
批判なんて誰でも簡単に手っ取り早く、道具が悪いとか誰がすすめたからとか、何かのせいにして自身を正当化することができますし。一瞬持っただけで「これはダメ」って判断できる人はとても感性の研ぎ澄まされた方なのでしょう。
ただ、私がそうではなかっただけで。
ごくまれに「このハサミ全然切れないんだよね〜」「全然ダメ」とか、笑いながらそれを使い続けている人を見かけますが、とても残念な気持ちになります。笑えない。
あなたはその、切れないダメなハサミで、お客様の大切なわんこをカットし、報酬を得ているのですか??
その道具だけでなく、自分自身の価値まで落とし
さらには飼い主様やワンコに対してまったく敬意のないセリフは
なんだかよくわからないけれど、私まで傷付きます。
きっと、このnoteを読んでいるあなたはそうではないと思います。届けばいいなと思う相手がいても、なかなか届かないものなのです。
常日頃文句も言わず黙々と仕事のサポートをしてくれる、道具たちへの誠意を持ち。
また明日もがんばろう。
もしサポートしてもいいよ!という方はぜひお願いします。 今後の活動に役立てます!