松浦理英子 / おぼれる人生相談

どういうきっかけで手にとったか忘れましたが、たまに読みかえしたくなる本です。

人のちょっとした本音みたいなものを打ち明けられたときにどう反応をすればいいのか。

相手が軽い調子だったらこちらも軽く、あまり思い悩んでいるようだったら悩んでるのがアホらしくなるような荒唐無稽・豪気な回答をしてみる‥方法はいろいろ考えられますが、やっぱりこうやって想像力と分析力で前向きに励まされると嬉しいと思う。実際、便りを掲載した後もわざわざお礼の手紙が来たそうです。主張していることが正論かどうかよりも、この人の言葉で回答してくれているというのがよかったんじゃないかな。


五木
僕は、雑誌で松浦さんが人生相談みたいな連載をなさっていたこと知ってびっくりしたんですけれども。勝手にしろっていうのかと思っていました。とても親切なんだね(笑)。
松浦
いや、実際、相談の手紙が来て、その切々とした文章を読むと冷たくできませんよ。

(文庫版特別付録「人生は基本的につらいもの」より)


「友達とは季節に咲く花です」という深沢七郎の名言を引用したあとがきや、巻末にある五木寛之との対談も興味深いです。

「悩みがあるのは悪いことじゃない、その感性を大切にしてほしい」

全編通して感じられる著者のエールに心励まされるのでは?カウンセリング要素が強いので、物事に対してセンシティブになりすぎていたり、発想の転換をしたいときにもいいですね。

松浦さんの意外な一面を知れるという意味でもオススメの一冊。

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