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松井今朝子(1953.9.28- )「一場(いちじょう)の夢と消え 春永の暮らし(一)(二)」『オール讀物』2023年3・4月合併号



『オール讀物』2023年3・4月合併号
文藝春秋 2023年2月22日発売
https://www.amazon.co.jp/dp/B0BSR6QN94
https://www.bunshun.co.jp/business/ooruyomimono/backnumber.html?itemid=853

伊藤理佐(1969.9.6- )
「妙齢おねいさん道 第174回 下から安住」p.210-213

東海林さだお(1937.1.30- )
「男の分別学 礼節入門 いよいよの時、太モモは」p.204-209

松井今朝子(1953.9.28- )
「一場(いちじょう)の夢と消え
春永の暮らし(一)(二)」
p.246-286
「新連載 近松門左衛門の生涯に迫る
後の大戯作者は京で太夫・役者・女と出会い、
芸道を歩みだす」(目次)

近松門左衛門(1653-1725)
https://ja.wikipedia.org/wiki/近松門左衛門

「「無理にとは申さぬ。気が向いたら訪ねるがよい。
春永(はるなが)にのう」
と公通[正親町 おおぎまち きんみち 1653-1733]は鷹揚に笑っていた。大きく開けた口は公家らしいお歯黒で真っ暗な空洞に映り、肚の底までは見通せなかった。

「春永に」とは別れ際の常套句で、また春の日の日永な折にでも会おうというくらいの軽い誘いに過ぎないと思われた。」
p.250

「四条河原で竹屋庄兵衛という男を訪ねてみたがよい。
そなたのことは一応伝えておいた」
公通はいとも平坦な調子で意外な人物の名を挙げた。

「宇治加賀掾嘉太夫の勧進元で、
麿に浄瑠璃の案文(あんもん)を次々とせがんできおる。
先方の望みがそなたの生計(たつき)につながれば、
それに越したことはないと思うてのう」
「まあ、春永に。折あらば、またここを訪ねたがよい」

春永……そう、これまでの暮らしはまさに春永だった。
恵観禅閣[一条昭良 1605-1672]の山荘に始まって。
信じられないほど恵まれた悠長で気ままな暮らしが終わろうとしている。」
p.269

先月(2023年5月)、
読んだ時には、
章題「春永の暮らし」を読み飛ばしていたことに、
再読して気づきました。

https://ja.wikipedia.org/wiki/近松門左衛門
https://ja.wikipedia.org/wiki/正親町公通
https://ja.wikipedia.org/wiki/一条昭良
https://ja.wikipedia.org/wiki/松井今朝子

読書メーター
オール讀物の本棚(登録冊数14冊)
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11092057

https://note.com/fe1955/n/n07d2273a1a03
松井今朝子(1953.9.28- )
「一場(いちじょう)の夢と消え」
『オール讀物』2023年3・4月合併号


https://note.com/fe1955/n/n2a2930999414
松井今朝子(1953.9.28- )
「一場(いちじょう)の夢と消え
春永の暮らし 三」
『オール讀物』2023年5月号 連載第二回

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