ポG゛はなぜ失格なのか私的考察

 先日JFL所属のポG゛に与えられていた百年構想クラブの資格が失格処分となりました。
Jリーグのリリース

クラブのリリース

 このリリースでは分かりにくいのですが、記事やチェアマンの発言を読むと、株主交代がなされなかったのが失格の要因のようです。

東スポの記事

2022年度第6回Jリーグ理事会後チェアマン定例会見発言録

 このあたり外から見てる方には分かりにくそうなので、自分なりにまとめてみます。
 以下かなり回りくどい説明を書きますので、そんなもん分かっとるわ偉そうに書くなポゲェという方は3へ飛んで下さい。
 あと誤りあればツッコミお願いします。

1.そもそも株式会社とは何か

 あるところにお金を持っている人がいます。その人がこれを元手にもっと増やしたいと思っています。でも、その人は商売を自分がやる自信がありませんでした。
 そこで、そういうのが得意な人を呼んできて、報酬払うから出資するお金を元に商売をして増やして欲しいとお願いします。呼んできた得意な人が取締役(その代表者が代表取締役)、出資した証明が株式。
 株主は持っている株の数に応じて、会社の利益から配当をもらいます。また、株主総会で取締役を辞めさせたり選んだり、その他会社の根幹の大事な事を決めます。

 ただ、これトヨタとか大きな株式会社はそうなんですが、日本においては中小企業が大多数で、そういう株式会社は株主=取締役なんですよね。会社所有者と経営者が同じ。
 でも、そのほうが小回りがきくし、スピード早いし、変に関係ない人が入ってこられてもやりにくいし、経営の規模が大きくなければそちらのほうが良かったりします。

2.ポG゛の運営会社はどちらなのか

 ポG゛を運営している株式会社アンリミテッドは、株主はほぼ個人一人。取締役はその株主が選んだ3人でした。
 一見すると株主(会社所有者)と取締役(経営者)は分離されてますが、実際は株主氏が意のままに動かせる人を取締役に選んでいて(クラブリリース中の「取締役会は形骸化」とはこれを指していると思われます。)実際は株主一人の意向で会社運営がされている状態でした。
 決してこれ自体が悪いというわけではないのですが、残念ながらその株主氏が、自分が以前から運営するポイントサイトを発展させるためにJリーグクラブを利用したいという考えで(それがチーム名に表れてますね)、さらにスポーツに対する理解が大幅に不足しており、Jリーグの理念から大きくかけ離れた組織になっていたという感じだと思われます。

3.百年構想クラブ復活に向けた動きについて

 どう考えても株主氏は退場頂かないと難しそうですよね。でも、株を引き受けてくれる人(便宜上人と書きましたが会社等法人でも構いませんというかそちらのほうが多いのでしょうが)ってそんな簡単見つかりません。

 こういう事があったとはいえ、カズ加入で知名度が上がり、自前専用スタジアムの建設が決まり(あれそう言えばスタジアム所有者はどうなるんでしょう)、株式会社アンリミテッドの価値はそれなりに上がっていると思われます。なので、ある程度の金額を出して(何千万の世界ですね)株を買ってもらう必要があります。
 また、今回の反省点として、誰でもいいわけではなく、Jリーグクラブの所有者になる事の意味を真に理解してもらう必要があります。
 さらに、クラブリリースにあるとおり、一人だと今回みたいに暴走しても止められないので、何人かに分けて持ってもらいたいと思っています。つまりそういう事にあてはまる人を複数見つけてこないといけない。

 仲間内だけでやってる会社からの脱却。マイナーチェンジではなくフルモデルチェンジ。リフォームではなく建て替え。それを数か月でやれというのは無理な話で、6月28日に間に合わなかったのは仕方がない事だと思います。
 また、Jリーグとしても、問題起こした中心人物がそのままで百年構想クラブを認める事は絶対出来ないわけで、今回の判定は妥当だと思います。
 なので、宿題はシンプルで、次の期限である今年の11月末までに新たな株主に株の譲渡(正確に言えば売買)を完了させられるかどうかでしょう。

 ただ、急いで建て替えたために出来上がったのが欠陥住宅ではまた同じ事が起きてしまう。時間がかかっても、しっかりとした土台の上に建つ向こう何十年も使える家を建てるべきではないでしょうか。

4.最後に

 カズ効果が大きいとはいえ鈴鹿の1試合平均観客数は2028人(6月26日の第13節終了時点)です。J2、J3所属クラブでこれ以下のクラブいくつもあります。
 また、今年からホームゲームの運営がJリーグレベルになりました。ホームゲームに行く度に、クラブ側からの来てくれてありがとうを実感しています。
 これまで積み上げてきたものを大切にする限り、前に進めるのだと思います。

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