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写真に写る自分が嫌い

写真に写る自分が嫌いです。特に集合写真。カメラに向かって最大限のキメ顔を作ったつもりだったのに、写真に写った自分の顔は何だか不自然に引き攣っていたり、両隣の人より顔が大きいなとか顔色悪いなとか髪型イケてないな…とか、自己評価との落差にガックリきてしまう。
だけど、それが周りから見た本来の自分の姿。それこそが客観的事実であるという、残酷な現実をまざまざと突きつけられます。

同じような理由で、録音とか動画に入っている自分の声も嫌いです。
低くて、ぐぐもっていて、何言ってるのかよく聞き取れない声。自分が耳にしている自分の声と何故こんなにも違うんだろう…と気持ち悪く思うので、スマホで動画を撮るときは極力自分の声が入り込まないよう、撮影中は可能な限り無言に徹することにしています。

結構前ですが、娘の生後1ヶ月頃にお宮参りへ行きまして、ご祈祷が終わった後に神社併設の写真スタジオで家族写真を撮ってもらったんです。
久しぶりにきちんとした写真に撮られるということで、私は産後初めてしっかり化粧を施し、髪型をブローとヘアオイルとワックスで丁寧に整え、よそ行きのワンピースを着て、ストッキングにパンプスを履いて、気合は十分。
よしこれでどっから撮られても怖くないぜ、かかって来いや!多少の粗はプロカメラマンさんの修正で何とかなるっしょ!と、かなり自信満々で撮影に臨みました。

ですが、約1ヶ月後に出来上がった写真を見た時「あ、あれ…?」と肩透かしを食った気分になりました。
私、化粧かなり頑張ったよね?ファンデーションも普段以上にガンガン厚塗りして、眉毛もしっかり描いて、目元もしっかり塗ったし顔色が良く見えるようにハイライトもチークも入れたよね?
なのに、この写真、素っぴんの自分とほぼ変わらないように見えるんだけど。ついでに言えば、産後は妊娠前よりも体重落ちたから痩せてるはずなんだけど、顔周りがなんかずんぐりむっくりしてない?
産後の疲れが顔に出たのかな?カメラマンさん、もうちょっと修正頑張れなかったかなぁ。いやそれとも、修正してくれたけどこれが限界だったのかも…。
私って、所詮はこんなもんなのか。家を出る前に鏡で最終チェックした時は、上々の出来だったのに…と、一人でショックでした。

でも、鏡に映る自分の姿って、結局は自分のキメ顔なんですよね。実際、鏡の中の私と写真に映る私とでは目の大きさが違っていて、鏡を見る時は無意識に目を見開いているようです。

ちょっと無理やりな拡げ方かもしれませんが、こういう「自分が思う自分」と「周りから見た自分」とのギャップって、対人関係とかでもありがちだなぁと思います。
例えば、自分は几帳面に一つ一つをキッチリこなすタイプだと思っていたけど、実際に集団の中で仕事をしてみたら意外と抜け漏れが多いことを周囲から指摘されたり…というのは私の例ですが、
マイナスな事例以外にも「自分は内向的で人と接するのが苦手」と思っていた人が職場では抜群のコミュニケーション力を発揮して、自身の強みに初めて気付く…なんてパターンもありそうです。
誰かとの会話の中で「あなたって意外と〜なんだね!」とか「あなたはこれがすごいよね!」と言われて、自分の気付かなかった一面を知る、とか。

あと、写真に写る自分が嫌だ嫌だ〜って思ったところで、実際は周りの人から見たら「そんな落ち込むほどでもなくない?」ってことは多い気がします。
みんな、そこまで気にしてないし見てないし、自分が思ってるほどそんなに自分の細かい部分に関心はないわけで。
案外、周りの人は自分のイマイチだと思っている部分にも寛容でいてくれているのかもしれないし、無理に良く見せようとしたところで「あぁなんか綺麗に見せたいんだろうな」と見透かされているのかもしれません。

自分なりに自身をよく見せたい!とあれこれ頑張ったり工夫するのが悪いことだとは全く思わないし、むしろ私自身、例えば写真映えを良くするために身なりを整えたり普段やらないメイクを試してみたりするという過程は楽しいです。
ただ、出来上がった写真を見て「なんか思ってたのと違う…」と必要以上に落ち込んでしまうのも何だかもったいないような気がするので、「まあこの写真の自分も悪くないかな」くらいな気持ちでいられればいいなと思います。ま、それでも落ち込む時は落ち込みますが…。