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06年10月15日 北上マラソン

 7回目のフルは初めての北上マラソン。43歳のチャレンジはまたしても跳ね返される。SUB4生涯勝敗は7連敗。

 今シーズン2度目のフルはまたしても玉砕。通算7回目のフルだが、何の進歩もない無残な結果と言うしかない。
 29kmで突然失速し、それでも38kmまではフラフラと走ったが、残り4kmの2/3は歩いてしまった。最後まで走りきれなかったのは気力の問題もあろう。情けない。
 タイムは4:31’03。面白くもなんともない1日であった。

 前夜は北上に泊まる。ネットで検索したビジネスホテルで1泊4,300円。テレビの映りが悪いのと、ベッドの時計が壊れていたこと、出窓にかかるカーテンが短くてベッドに明かりと冷気が降ってきやがったのが減点材料。一方で部屋はきれいで温泉大浴場があるのがよかった。大浴場といっても5,6人も入ればいっぱいであるが、幸い他に入浴者もいなかったので、ゆっくりストレッチをさせてもらった。
 それに先立っての夕食は北上市街の焼鳥屋で軽く4合。特製味噌ダレとやらがなかなかうまかった。あとはカーボローディングとしてコンビニオニギリ1個を食し、あとはチューハイ500缶を2本。サントリーのくせに「ドライ」というブランドネーミング。サントリーがアサヒの看板ブランドをコピーするとは甚だ見下げた根性だが、いままでの缶チューハイでは一番うまかった。ただ、最後の1本は余計だったかも。

 朝は普段どおりの6:05に起床し、6:30ホテル出発。コンビニで牛丼弁当を購入し、会場入りが6:45。近くて楽チン。牛丼を食し、受付7:00開始を待って並ぶが段取りが悪く、また前のランナーが記録集500円を申し込むのに5000円札を出してやがる。お釣りがないとかグダグダ待たされた。
 8:50のスタート前はスポニチとともに車で過ごす。スタート10分前にウィダーインゼリーを流し込んで最後のトイレを済ませスタートに付く。今日はフルに臨むと言う高揚感がまったくない。高揚感もないから緊張もない。漠然と「走れるかな。どうせ走るんならサブ4を達成したいな。ハーフや30kmのベストタイムを見たら、今のフルのベスト4:20はホントに見劣りするんだよな」などと考えていた。天気は日本晴れ!!さわやかな秋晴れである。
 一つ、ギャンブルを試みた。いままでフルに臨む場合は、足への負担を考慮して、軽量シューズは控えてきた。ところが先月の田沢湖でも失敗し、そのときに使用したMIZUNOがどうも軟らかくて気に入らない。「どうせ失敗するのならギャンブルしてみるか!」と今日はASICSの軽量シューズで挑むことにした。
 スタートラインに立てたことを感謝。ここでGさんを探すが見当たらない。「まぁ、走っているうちに遭遇するだろう」とキョロキョロするのはみっともないからやめる。
 8:50号砲がなる。スタートラインを10秒も経たずに通過。まずは400mトラックを1周半。北上の陸上競技場はインターハイを招致するために作られたそうで、たいそう立派な施設である。アンツーカーを心地よく走り、ロードへ。
 前半5kmで40mほど下る。27’40で通過。呼吸は全然乱れていない。良いペースで進む。
 10kmまでの間5kmはほぼ平坦で28’07。引き続き安定したペース。10kmを通過すると北上川沿いに進む。岩手県中央部を北から南に流れる北上川はどこで見ても水際にまで木が茂り、水の青と木々の緑のコントラストがきれいである。また満々と流れるさまは「雄大」「悠久」というものを感じさせる。札幌市を流れる豊平川も思い出深いが、北上川も一生の思い出になりそうである。
 現実に戻ると、川沿いの山陰は涼しくて気持ちよい。マイペースで進む。
 10km過ぎたあたりでGさんに抜かれた。予定通りの感がある。少し置いていかれたが、無理に付こうとも思わず進む。12km過ぎで軽くアップダウンが始まる。例によって上りだと私は抜く一方になる。意識しないままGさんを抜き去る。そのままマイペース。サブ4のためには@5’41、5kmを28’25で行く必要がある。だいたいそのペースを意識して進む。
 15、20、25までの間5kmを、28’28、27’35、27’59。タイムに若干の上下があるのはアップダウンの有無だけで、そんなに乱れているわけではない。快調快調。今日の調子なら「サブ4は見えた」とさえ思った。
 ところが29kmを過ぎて、突然、足が止った。自分自身戸惑う。普通は徐々に体が重くなってジワジワとラップが落ちていくところであるが、本当に突然足が動かなくなったのを自覚した。なんでや??
 30kmまでの間5kmが30’03となる。29kmからの1kmで7’00以上かかったのではないかな。もうフラフラ。「あと12kmもあるのかよ!」という感じ。「でも走るぞ!」ととぼとぼ進む。31kmあたりだったろうか。Gさんが軽快に抜いていった。付いていくことなんて全く考えられないスピードの差。悔しい思いより、今日の行く末の不安の方が強い。
 33km付近で民家の庭先にボランティアが給水をしてくれている。ありがたく小さめのコップ1杯の水をいただき、お代わりもいただく。おばあちゃんが梅干やらお新香を配っている。梅干をいただいた。うまい!!思わず水もお代わり。梅干ももう1個いただき、横の皿の沢庵もいただく。図々しいとは思ったがさらに水をお代わりし、最後にもう1杯いただいたのではなかったか。ボランティア給水をこんなに堪能したのは初めての体験である。
 走り出したら幾分生き返っていた。そうか・・・・脱水症状だったのか・・・。今日は晴天で予報は20度を超えるといっていた。天を仰ぐと雲はあるものの陽射しは強く、おそらく予報どおりの20度超となっているのであろう。一方湿気は少ないから、体はあまりベタベタしない。だから大量に汗をかいていることに気が付かなかった。何年マラソンを走っているのか!「暑いときの給水は立ち止まってでもコップに1杯の水は確実に摂取する」ということをわかっていながら実行しなかった自分を恥じた。
 幾分生き返ったとはいえトボトボトボトボ・・・・とりあえず走ってはいる。35kmの給水ではエアサロンパスをブッシュー。どこも痛くはないから気休めである。
 水をコップに2杯、しっかり補給し、ふだんは食べないバナナもいただき、軽くストレッチ。足は不思議と全然なんともない。ただ動かないのが悔しい。
 そこからもトボトボトボトボ・・・・・37km付近で競技場が見えてくる。「あ~、帰ってきたな~」と思えど、復路は競技場とは逆方向に向きをとらされることになる。確かにスタート前にコースマップをチェックした際に「帰りは遠回りかよ!」とは思ったが現実に逆方向に向かされると気力が萎える。それでも38kmまでは行ったが、軽い登りで足が完全に停まってしまった。あれ?歩いてしまった・・・。
 あとは100歩歩いたら100歩走る。50歩歩いたら50歩走る。これだけを意識して進む。40km過ぎの最後の給水でもコップ2杯をたっぷり補給。
 最後、競技場入り口。安心すれど、ここからも試練。入り口をすぐ左に見て、隣接する体育館を大きく迂回させられる・・・。意地が悪いとしか言いようがない。なぜ入り口を横に見てあさっての方向に行かねばならんのだ。ようやく戻ってきた最後の競技場も1周半、ここだけはさすがに走らねば恥ずかしい。最後のゴールが見えてきた。ゴールラインをまたぐが、何の感激もない。ただただほっとした。
 35、40までの間5kmは39’11、44’12とまさに屈辱的な遠足タイム。ラスト2.195kmも17’48もかかった。ゴールタイムはネットで4:31’○。目標にはほど遠い、正直むかつく結果と相成った。

 ゴール後は500ペットボトルをほとんど一気に空け、体を動かすのは大層辛かったがストレッチをした。アンツーカーに寝転びもして、いつもより入念にストレッチを心がけた。
 競技場から車に向かう途中で昼食をいただく。引換券はランパンに入れていたから汗まみれでグチョグチョ。係員に手渡すのも顰蹙だから、「汗で濡れたので自分で入れますよ。」と自ら係員のビニール袋に放り込んだ。いただいたのはオニギリ2個と、芋の子汁。オニギリは翌日の朝食にまわすことにして、芋の子汁をいただく。これがうまかった。里芋はあまり好きではないが、今日の芋の子汁は塩加減といい、芋のやわらかさといい絶品であった。トン汁は岩手のレースでは良くお目にかかるが、今日の芋の子汁はヒットであった。今日の収穫はこれだけか?

 いや、収穫はほかにもあった。足のダメージが少ない。膝や太腿が痛まないのである。
 私はいままでシューズはMIZUNO一辺倒であった。今日のASICSはたまたま安かったのと、愚息に選ばせたから購入したようなものであったが、軽量シューズでもフルを走ってOKであった。自分の足にはMIZUNOよりASICSの方が合うのかもしれない。次もASICSを購入することにしよう。この点に気が付いたのも収穫と言えよう。

 車に到着し、着替えようかと思ったが、駐車場のど真ん中である。そこでシートにバスタオルを敷いて、車を駐車場の片隅に動かす。他人の視界から消えて、持参してきた水10ℓを思いっきり被る。岩手という北国でもそれができるくらいであるから、やはり今日は暑かったということ。水は気持ちいいが、今日の試練はそれだけに過酷であった。

 会場には何の未練もない。さっさとあとにして江刺方面に南下し、岩手では珍しいバーミャンでタンタンメンと餃子を食し、薬師堂温泉を堪能してから帰った。バーミャンは失敗、薬師堂温泉は520円と安く、混んでもいずに本当に良い温泉であった。

 今日は制限時間に帰ってはきたものの、「完走」はできず、Gさんにも田沢湖同様置いていかれ、実りのない1日であった。

 一方で、沿道の方とはコミュニケーションを図れたのは面白かった。42kmの長丁場、順番は前後しているが、いくつか紹介しよう。
・ おばあちゃんに「○○さん」と声をかけられ「オッ!」とびっくりしたら、周りにも笑われた。地元では事前に新聞と一緒に参加者名簿が配布されていたようである。
・ 20km手前でオッサンに「もう少しだよ」「まだ、半分も来てねえべや」(←自分でも何弁だかわからない)と返したら謝られるわけではなく「んだ」と納得されていた。
・ パンパンパンパンとアップビートの拍手で応援してくれているおばさんに「そんなペースで走りたい」と言ったら受けた。
・ 足が止ったあと係員が「登りはあそこまでだよ」と言うので「こうなりゃ登り下りは関係ないのよ」と泣き言を言ったら苦笑いされていた。
・ 沿道のオッサンが「328位だよ!」と言ってくれたときには「じゃ、優勝は難しいな」と返したかったが気が利かなかった!

 後日確認した大会HP。Gさんは4:07台、塩釜のKさんも4:24台。ハーフでは私の方が断然早いのに・・・・粘らなくては!!

 今日の総括。
 フルは今の自分ではやはり力不足。もともと青梅を目標に走り出したのだから30kmを走れればいいのだが、もう後戻りはできない。絶対にフルを征服してやる。
 夢舞、河口湖と連続で完走したのは2004年秋。振り返ればそのときは真剣に減量して75kgでレースに臨んでいた。今の私は79kg。今一度真剣に絞ろう。
 あとは股ズレ脇ズレ。なかなか大変なものである。もう一つ言うと日焼け。夏の日焼けがさめだす頃に今日は5時間以上紫外線に晒された。ランシャツの跡がクッキリ!俗に言う「土方焼け」である。
 ま、誰が見るわけでもないけどね。
                               以上

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