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夏川椎菜 3rd Live Tour 2023-2024 ケーブルモンスター福岡公演参戦記録

2023/12/28、福岡サンパレスで開催された「夏川椎菜 3rd Live Tour 2023-2024 ケーブルモンスター」福岡公演に参加してきました。
 
雨宮天さんのディナーショーを除けばTrySail関連のソロライブ参加は初めてで、まだまだ知らない曲もある状態でライブツアーが発表されたのですが、夏川さんソロは(他のお二人もですが)バンドスタイルだということで、元バンドマンとしてはバンドのライブ見たい!という一心で申し込み、それなりに急いで予習をして臨みました。

以下、ライブのネタバレを含みますのでご注意ください。

1曲め「メイクストロボノイズ!!!」でスタート。今回はアルバム「ケーブルサラダ」を引っ提げてのツアーなのでこれは予想通りでした。事前に夏川さんが各所で煽ってたとおりにコールをしっかり予習してたので、めいっばい声出して冒頭からテンションをMAXに持っていくことができました。セトリ構成、さすがです。

夏川さんの分類によると自分は「手羽先強化型」(音を楽しむタイプ)らしいので、「データ収集型」の方のように詳細な曲順とかMC内容をメモったりできず、そのへんはデータ型の方のレポに譲るとして。
以下自分の感覚で印象的だった部分を順不同で書いてみます(不正確な部分もあるかもしれません)。

「I Can Bleah」
直前のMCでチョモランマサイズのマグロ丼をランチで食べた話をしてた夏川さん。マグロ丼のサイズがまだ足りない、とか言いながら
「まだ足りないまだ足りない・・・」のリフレインを、ワンフレーズごとにMCを挟みながらスピードアップ。これめちゃくちゃ楽しかったですね。会場の一体感は完全に宗教儀式化してました。
確かこのときベースの伊藤千明さん、シンセ弾いてたと思います。なんでもできるのカッコいいですねぇ…

「奔放ストラテジー」
これはMAKEOVERの映像で見て、ぜひライブで聴きたかったのでめちゃくちゃ嬉しかったです。サビの夏川さんのハイトーンボイスも、ギターのリフもゴリゴリに支えるベースラインも好きなんですよねえ。この曲で伊藤千明さん推しになってきた感があります。

「キミトグライド」「だりむくり」「ササクレ」
夏川さんが、弱い自分と向き合いながら前を向くストーリーを意識したセトリ、と言ってたゾーン(ちょっと記憶が怪しいけどだいたいそんなことを言ってたはず)今回は歌われなかった「パレイド」とかもそうですが、夏川さんのこういうメッセージは妙に刺さるんですよね。ササクレの照明演出が青と白でめちゃくちゃエモかったのもあって、ちょっと目に汗が。

何度めかのMCでこんなくだりがありました。
ド年末の平日にこんなでかい会場を押さえやがって…とグチる素振りを見せながらも、笑いに変えつつ会場の空席に言及する夏川さん。
確かに1階席後方にも空席があり、2階席3階席はすべて空いていて。アーティスト側としては、そこは複雑な思いがあったと思います。それでも「ここをいっぱいにできるように、また絶対帰ってくるからな!」と前向きな言葉。
今回のアルバムは「前向きなあきらめ」みたいなテーマがあると、どこかのインタビューで夏川さん自身が語っていたと思います。
夏川さんの楽曲を聴いていると、どこかに自己肯定感の持てない自分が居たり、思うような未来にたどり着けないもどかしさみたいな感情が描かれていたりするのを感じます。
それは夏川さん自身が様々な経験をする中で、そのようにもがいてきた歴史があるのかもしれません(新米ヒヨコなので想像でしかありませんが)。そうやってアーティスト活動を続けてきた夏川さんがいまたどり着いた境地が「まあいいや、クソがー!」なんて言える前向きなあきらめ、なのかな、などと考えていました。必要以上に現状を悲観することもしないし、かといって目を背けることもしない。受け入れるものは受け入れて、ある種のあきらめとともにクソがー、って言いながらまた前を向く。
夏川さん自身も「弱さ」を持っていて、その弱さと向き合っている姿をそのまま表現に乗せているように見えます。だからこそ我々の弱い心にも響くものがあるし、夏川さんに感じている魅力のひとつは、そんな姿勢にあるような気がします。
こういうタイプのアーティストは、なかなか居ないんじゃないでしょうか。

「ライダー」
ダーリンダーリン…のところで隣の人と肩を組んで、みたいな話を目にしていて、ちょっと人見知りの自分はビビってた曲でもありました。実際は肩組んでる人も居ましたが、夏川さんのリードでグーッ、パッ、のモーションからペンラを左右に振る流れになり、結果的にすごく楽しく会場の一体感を感じられました。ライブ全般通して、夏川さんがクラップやコール&レスポンスをわかりやすく振ってくれるので、新米ヒヨコは安心して流れに乗ることができたんですが、そういう「古参も新参も陽キャも陰キャも大切にするよ」っていう姿勢が感じられるのも夏川さんの魅力的なところです。
「来週もこのままさ」の歌詞を「来年も」に変えて歌ってくれた夏川さん。優しいメロディなんですが、またここに帰ってきてやるからな、のMCのくだりと合わせて聴くと、夏川さんの反骨心や決意みたいなものが感じられて、来年も着いていきたいと思わせてくれました。

「ラフセカンド」
TrySailのSuperBloomツアーでタイトルが伏せられたまま聴いたときも、「笑えるまでは生きようかい」のフレーズはずっと心のどこかに刺さっていました。
様々な経験と表現を重ねてきた夏川さんが、「前向きなあきらめ」とともに「笑えるまでは生きようかい」と言ってくれることで背中を押される人がどれほどいることだろう、と考えながら聞いていました。決してうまく行くことだけではない現実を生きている我々に、ここまで等身大で寄り添ってくれるメッセージ。このライブの本編ラストにとてもふさわしいものに感じられました。とても明るい曲なのに、何故か泣けてくるような感情はいったいなんでしょうね。

アンコール。まずは「ボクはゾンビ」から。モンスターつながりでどこかに入るのでは?と思ってたので予想が当たって嬉しかったですね。
MCでは「なんでも枯らすことで有名なミュージックレインのメシ神さまことボクの好きピ」の話に。福岡の地でどうしても麻倉ももさんに触れずにいられない(その姿を我々が見たいことをよくわかってる)夏川さん、さすがです。
そして次は日替わり曲(だったらしいです)の「ステテクレバー」。イントロで会場全体がブチ上がってました。ツインギターのお二人がバッチバチで超絶カッコ良かった。これ聴けたのは本当によかったです・・・
最後はなんだろう、と思ってたらまさか1曲めにやった「メイクストロボノイズ!!!」。
1曲目でコールやってから、ライブ全編通して完全に会場を温めたあとで再度のこの曲。冒頭よりも全力で動いて叫ぶしか無いですよね。
”Caution”~ のコール部分、何回もリピートする構成にアレンジされていて、最高に盛り上がりました。夏川さんリピートする回数を勘違いしてたっぽいですけどw、そういうとこも含めて最後の最後まで楽しかったですね。

楽しみにしてたバンドサウンドについて。
Gt.川口圭太さん、Gt.山本陽介さん、Ba.伊藤千明さん、Dr.かどしゅんたろうさん、みなさんそれぞれ演奏技術の高さはもちろん、「演奏してる姿」がカッコいいんですよねえ。夏川さんを支えてやるぞ、ヒヨコたちを楽しませてやるぞっていう職人気質みたいなカッコよさというか。
また実際、これだけの爆音圧のバンドサウンドを整えるのなかなか大変だと思うんですが、今回席が会場のどセンターだったこともあって、各楽器の音も充分楽しむことができました。これは他のスタッフさんの技術にもよるところだと思います。
チームとしての雰囲気の良さ、みたいなのも演奏に感じられて、ああこのバンド好きだなあって感じていました。「Vo.夏川椎菜」を含め、またこのバンドのライブを見たい。そう思わせてくれます。

小ネタですが、「凄テクギタリストがヘッドレスギターを弾いてる姿」が好きなので、アンコールで川口圭太さんがヘッドレス弾き始めたの見てさらにテンションが上がってました。遠目に確認できた限りではヘッドレスギター定番のStrandbergでは無さそうだったんですがあのギターなんですかね?Ibanezのモデルが近いような気もしましたが、知ってる人いたら教えてほしいです。
【追記】覚えていた特徴をたどって探したところ、SteinbergerのGM-4Tでは?と思っていますがどうなんでしょう。
【追追記】
Xで誰かわかりませんかーと書いてたら、まさかのtakusama様からレス頂いてGM-4Tで確定しました!こんなサプライズが待ってるとかケーブルモンスターすごい…


最後に夏川さんはたっぷり手を振ってくれて「良いお年をー!」と終演。終演後に会場からは自然と拍手が起こりました。
会場を出る際、機材席にいたプロデューサーの拓さん(ですよね?)に何人も「最高でした!」「ありがとうございました!」と声をかけ、拓さんもそれに応えてくださっていたのがなんか温かくてよかったです。
運営サイドとしては、そして特に夏川さんには悔しさも残る部分はあったのかもしれませんが、会場に来てくれた人たちを全力で楽しませようという気持ちはバチバチに伝わってきましたし、会場もそれに応えて来年もついていくよ、とみんな思っていたのではと思います。

序盤のMCで夏川さんは「仕事納めた人?」「あとちょっとで納められる人?」「仕事納めナニソレっていう人?」と尋ねながらみんないろいろあるよね、って言ってくれてました。まあ確かに、それなりにオトナやってるといろんなことがあります。自分もいちおう仕事納めた人、ですが、それはそれとしていろいろ溜まってるものもあり。それを「膿」と呼ぶとしたら、たっぷり膿を溜めてライブに臨んだわけですが、いったん全部ぶっ飛ばしてもらったような感覚があります。
数日するとまた絡まったケーブルみたいな日常がやってくるわけですが、このライブのおかげで「まあいいや、クソがー!」って言いながら来年もこのまま進んでいけそうな気がしました。またこの会場に戻ってこれるように頑張りたいと思います。

夏川椎菜さんとヒヨコ労働組合のみなさん、スタッフのみなさん、1年の最後に本当に素敵な時間をありがとうございました!めちゃくちゃ楽しかったです!


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